僕と君の世界

風祭トキヤ

第1話

いつものように朝、8時15分に誰の声も聞かず自分の席に着いた。

俺はいつものようにイヤホンをつけラノベを開いた。

心地いい時間も突然の出来事によりぶち壊された。


「えー今日は転校生を紹介する。」


俺の担任、轟雛(とどろきひな)が竹刀を手に持って、教室の扉を開けた。

入ってきたのは、綺麗な美人さんだった。


「初めまして、高坂(こうさか)真友希(まゆき)です。皆さん、どうかよろしくお願いします」


綺麗な笑顔を見せた。

可愛いや綺麗とかクラス中騒めいていてウザい。

俺はまたラノベを開いて読み始めた。


「あ、あれえええええええええええ!?光輝く

ん!?」


うるせえ転校生だな、、、ん?え?い、今俺の名前を?


「やっぱりそうだ!光輝(こうき)じゃーんお久しぶり!」


「え?誰ですか?」


そうだ。

俺はこんなやつ知らない。

記憶からこんな美少女の存在が全く思い出せない。


「茶番はそこまでだ。高坂は神代(かみしろ)の隣に座れ。」


真友希は軽く頷き、俺の隣に座った。


休み時間、俺の隣はいなかったのでとても静かで良かったのだが、今はその反対だ。

雛の周りに人がいっぱいいてうるさい。

そして例の彼女は俺も巻き込んでくる。

憂鬱な日常になりそうだ。。。

俺は雛の手をどけ、スマホを取り出した。

廊下に出た俺は冷水機に行って足のレバーを踏んだ。


今日も1日の授業が終わり、学校の駐輪場に向かった。

その時、頭痛がした。その後、体全体に痛みが走った。


「くそ、頭痛え...」


俺は意識が遠のくのを感じて倒れてしまった。


◇◇◇


「あ、気がついた?」


真友希(まゆき)が俺の上に顔を出していた。

頭痛は少し収まり自転車には乗れそうだ。


「ごめん。俺どんくらいこうなってた?」


「だいたい...10分くらいかな〜」


ただの貧血とは俺は思えなかった。

あれは昔の記憶?がふと蘇ったみたいな感じだった。


「ねえ光輝どうして私があなたの事を知ってるか分かる?」


真友希は俺のことを知っていて俺は彼女のことを知らない。

どう考えても矛盾している。

忘れていたとしても少しの情報は記憶されているはずだ。


「いや、全くわからん。」


俺はこう答えるしかなかった。


「そっか。だよね。ねえ光輝知りたい?私が知ってる理由」


「どちらかと言えば知りたいな」


「それはね...私たち将来異世界に転生する仲間なの」


この言葉を言い終えた真友希(まゆき)は涙を流していた。

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