読み語りボランティア2
いすみ 静江
小学五年生ストーリー
私は、先日、近くの小学校へ読み語りに行きました。
読み語りに行く前のお話を先にしますね。
一学期が始まって、学校で募集がかかります。
希望の月をお伝えして調整して貰います。
私は、十月に五年生、十二月に三年生に決まりました。
そして、十月に入り、元々目星を付けていたのですが、図書館へ行き、三冊の本を借りて来ました。
その図書館には所蔵されていない提携の図書館から、一冊は取り寄せを頼みました。
この本が本命です。
タイトルは、『おばあちゃんのおにぎり』で、さだまさし著、東菜奈絵です。
児童文学で、絵本とは少し違います。
この本は、主人公の七歳の少年が、おばあちゃんの生きた道を辿りながら、思い出深い、誕生会のおにぎりについて綴ったものです。
感動の物語だと私は思い、他の三冊の絵本よりも、どうしても読みたく、悩んでいました。
しかし、夫の本を選ぶ権利があるのならいいのではないかとのアドバイスも背中を押し、この本に決めました。
厚い本でも理解を得られるよう、十分に読むための工夫をしました。
読む箇所は、全体の約半分にし、栞を挟みました。
又、どうしてもはしょれる部分は、二か所削り、各々一行程度にしました。
そして、りらっくまとこりらっくまのお手製編みぐるみを小学校へ持参しました。
こうして、読み語りが始まります。
朝の授業前なのですが、先生が、「時間になったら、始めてください」と仰って、あっという間に消えてしまい、困りましたが、読み語りを始めることにしました。
まだ、お教室もざわついていて、駆けている生徒もいましたが、時間丁度に教室に入りました。
すると、机は教室後方へ下げられていて、前方に生徒が座って黒板の前に椅子も出して貰っていました。
場は、静かになります。
私は、挨拶をし、本の紹介は敢えてせずに、二体の編みぐるみを一つの椅子に置きました。
親切にも生徒がもう一脚の椅子を出してすすめてくれました。
それでは、始まりです。
まず、こりらっくまを動かして、「これは、主人公のぼくです」、りらっくまを動かして、「これは、おばあちゃんです」とご挨拶をさせ、座らせました。
読み語りの練習は、タイムウオッチでいつもギリギリのタイムでした。
「言葉だけで想像してください」と付け加えただけで、本の世界にかぶりついて読みました。
その途中、例えば、主人公のぼくがおばあちゃんに酷い態度を取った時の動きなどは、りらっくま達に軽く動いて貰って補いました。
「こうやって、ぷいっと、去ってしまったのですね」と、私の台詞も入ります。
そして、最後はちょっと涙が出そうな気持ちで読み終わりました。
生徒達は、読み終わると、拍手をしてくれました。
そして、静かに挙手をしました。
私は、最初に挙げた順に「どうぞ」と掌を向けました。
感想をいくつかいただきました。
「もう、おばあちゃんのおにぎりは食べられなくて、可哀想だと思いました」や「絵がありませんでしたが、りらっくまがいて、お話が分かりやすかったです」等です。
その後、立ち上がって、全員から「ありがとうございました」と頭を下げられたので、勿論こちらも、お礼を言いました。
これが、五年生の読み語りです。
読み語りにあたって、しっかりしている生徒の様子や物語に聞き入る様が印象的でした。
終わり
<三年生に後日続きます>
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