駆ける

はるか遠くドイツの民謡が

ある駿馬のように

大河を飛び越え、山をかき分け

田園に鳴り響いている

鬣に触れて木々はざわめき

蹄に叩かれ小石は踊る

ふいに、大鳥がばたつかせる

大きな雷雨にも驚かされるが

はち切れんばかりの足の筋肉は

その素朴さでもって

嵐の音をも搔き消す

最後には堂々たる鼻息が

我々の身体を突き抜け

動揺させる

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