小説という媒体を存分に活かした描写力と、2人の儚くて温かい友情という読者の心に響くストーリーを4000字強のストーリーに込めた素敵な作品でした。レビューを見るより読んだ方が早い、そんな感動作です。
心をきゅうんと締め付けられる物語です。何より素晴らしい情景描写の数々。そんな魅力的な文章で綴られるある少女の夏の物語。まるで彼女と一緒にいるような感覚を味わえます。そして後半の展開。胸を詰まらせながらラストにたどり着けば涙はにじみますが、「とってもいい読後感」に包まれます。日本人なら誰でも思い描けるであろう夏の花火の美しさと儚さを見事にストーリーと重ね合わせた素敵な作品です。ぜひ皆さんもご自分の「夏の花火の心象風景」にこちらの御作品を重ねてみてください。