「屈辱」という綽名

人と人と新しい世界を作る。

その度に気付く。

新しい何かに、新しい誰かに。


例えるなら、詩を作ろう。

人の見たことない結末や

人の見たことない概念も、

人の見たことない言葉遣いや

人の見たことない感情も、

作っちゃってみたらどうだ。


あの絵師みたいに、

新しい何かが生まれる寸前に、

考えもせずぶちまけただけのアクリルの彩り、

丸い物の七色が突然丸くなくなる。


そういう風にね、詩を作ろうぜ。


また考えよう。

例えるなら、小説を書こう。

異世界に溢れる今、異世界の混じる現実世界を、

恋愛小説に溢れる今、恋に繋がる推理小説を、

大人小説に溢れる今、子供の目で見る大人小説を。


小説という枠が存在する前に、

ストーリーがあり、その前の前にも、

思想と体験があり、それを繋ぐ想像力もある。


また考えよう。

例えるなら、文章を書こう。

詩の形や小説の訛りが入ったエッセイを、

論文のように複雑な描写を使った推理小説を、

人を傷つけるストーリーで人に愛を見せる小説を。


だがね、

「小説」に似てないよね。

「詩」に似ていなよね。

「エッセイ」に似てないよね。


枠に似てないよね。


それこそ批判が来るよね。


だがね、

いいさ、屈辱を感じた誇りとなり、

「屈辱」という綽名を抱えてゆき、

狼の皮を被った羊のように、

その「屈辱」は、いずれ、

人に対する愛へと変わろう。


形にこだわらない愛に、

君は変わろう。


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