一人一人の名前を心で覚える

そよそよと秋の風が窓辺を吹き込み、

カサカサとなった唇を歯で噛みつき、

さわさわと音を立てた窓外の木々が、

ひらひらと花弁の一片が舞い落ちて、

かさかさと月の下で葉と散らばった。


頬を撫でた涼しい秋の風が肌に沁み、

湯気を立てるコーヒーを椅子の横に、

暗闇に包まれた部屋で僕は泣いてた。


光を放った画面に視線が動き、

軽い曲に呼吸を合わせながら、

エアホンから流れる曲を耳に、

僕は感想欄をクリックした。


僕は気づいた。

星を付けてくれた読者である君に。


しょっぱい涙がぽろりと落ち、

胸が躍る感動がふと湧き出す。


読者よ、

いつも読んでくれて

ありがとう。


読者よ、

失敗の時にも、成功の時にも、

傍にいてくれて

ありがとう。


読者よ、

批判される時に、

支えてくれて

ありがとう。


肩を並べ、君に言おう、

君は素晴らしい。

読者でいてくれて、

ありがとう。


なんせ、

君らは僕がいつも、

いつでも、いつまでも、

一人一人の名前を

心で覚える、

大切な

読者だから。

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