第5話「ウザラブ」5

◯夕食後、平沢家のリビング。

ソファで新聞を読んでいる父に唯がすり寄って行く。

唯「お父さん…お願いがあるんだけど…」

父「なんだい(嬉しそう)」

母「あなた、気をつけたほうがいいわよ。唯がくっついてくる時は、たいてい何か買って欲しい時だから…」

唯「そんなことないって。ねえお父さん。物置にあるバイク、私にちょうだい」

母「やっぱり…」

父「えー?あれ古いから動くかどうかわからないよ。だいいち400ccだから、免許とるのが難しいし、大きすぎて足つかないんじゃないか?」

唯「教習所代はバイトで出します。いっぱい練習するから。お願いお願い」

◯唯、ついに父の膝に乗ってしまう。

憂「わー!おねえちゃんのなりふり構わないおねだり大作戦だ!」

父「そうだなあ、今の子は足長くなってるんで大丈夫かもな。明日久しぶりに整備して見るか…(娘が膝に乗るとか…。何年ぶりだろう?感動した!)」

唯「わーい、お父さんありがとう!私、結婚するならお父さんみたいな人がいいな」

◯唯、父の膝から立ち上がる。すかざず憂が父の膝に座る。

憂「お父さん、私欲しいエフェクターがあるの…」

父「なになに?じゃあ今度楽器屋行こうね。

母「なんてちょろい…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る