第14話 秘密基地(仮)
とりあえず俺は家に近づいて……と言うか、家?コレ家で良いんだよな?
「見事なまでに倉庫然とした木造りの小屋だな……」
木の扉のドアノブに手を掛ける。
――がたっ、ガタガタ。
「……鍵掛かってるんですけどぉ」
気が付くと手の中に銀色の鍵が出現していた。
コレで、開けろという事かな?
俺はドアノブの中心に開いた鍵穴に鍵を刺す。
――カチャリ。
「あ、開いた」
開いたからには、当然入ってみる。
窓が二つと木の机が一つ、木の椅子が四つ。以上。
「狭い。……いや、貴族の屋敷と比べるのが間違ってるか」
む、でも流石にコレは前世の俺基準でも狭い気がする。
……まあいい。今はチュートリアルを進めよう。
<チュートリアル3>
【世界を広げてみよう】
・これだけじゃ何にもできないって?
なら、世界を広げて出来る事を増やそう!
報酬:≪設置物≫の追加。
また、矢印が出現した。
今度は≪設置≫の上に出現した≪拡張≫のアイコンを指している。ポチっとな。
≪拡張パック一覧≫
・周囲マス拡張:0P ←
周囲の八マスが緑と黒を交互入れ替える形で点滅する。決定っと。
黒い壁が後退するようにして世界が広がっていく。
「うわ、一気に広くなったな」
当然、荒野である。
何もねぇ。余談だが土質は悪くない様だ。
歩いて見て回るが本当に何もない。
「ココまで何もないと寂しいな……」
俺はチュートリアルの報酬を受け取り、次のチュートリアルに進む。
<チュートリアル4>
【植物を植えてみよう】
・どうだい?そろそろ殺風景に飽きてきた頃かな?
それじゃあ、新しく追加された≪設置物≫を設置してみよう!
報酬:≪模様替え≫機能の追加。
また、矢印が出たので俺は≪設置≫のアイコンを選択する。
≪設置物一覧≫
・木(体験版):0P
・草(体験版):0P
・花(体験版):0P
……木や花、草の品種を教えてください。
まずは無難な場所――家の周辺――に花(体験版)を植える。と言うか設置する。
「まさかのチューリップ……折角なら薔薇かアジサイ辺りが欲しかった!」
好みの問題です。
ちなみにチューリップは赤、白、黄色と並んでいる。
……突っ込まないぞ。
次に俺は家から少し離れた場所に木を植え……設置する。
そしてその周辺に草を設置した。
お、どうやらコレでチュートリアルはクリアできたらしい。報酬を受け取る。
よし、次だ!
<チュートリアル5>
【世界の模様替えをしてみよう】
・コレで、少しはマシになったかな?
けど、これだけじゃ少し物足りないね。よし、ココは思い切って一マス丸ごと模様替えしてみよう!
報酬:≪召喚≫機能の追加。
即行で≪模様替え≫を選択する。
リストが表示された。
≪模様替え一覧≫
・草原(体験版):0P ←
草原(体験版)を選択する。
おや?中央のマスが赤く表示されてる。ダメだ。こういうの見ると押したくなるんだよなぁ……
――ブーブー
はい。やっぱり、駄目でした。
結局、考えるのが面倒になって目の前のマスであるS1――中央からSouth(南)に一マスという事――のマスを選択して草原(体験版)に模様替えを敢行した。
ちなみにマスの識別表示は中央マス――最初に俺が降り立ったマス――からの方角と距離で表されている。
例えば中央から北に三マスの場合N3――
閑話休題。
俺は思考の海から引きずり出された。
それは何故か。
目の前に魔力が集まり始めたからだ。
<チュートリアル6>
【世界の敵を倒そう】
・大変だ!世界の敵が現れた!
世界の敵は所謂魔物の事なんだ。
じゃあ、何故突発的に魔物が現れるかと言うと、魔力という世界を歪める力をこの世界に実装してしまったからなんだ。
当然、世界を歪めればおかしな所が出てくる。つまりそれが魔物という形を取って世界に現れてしまうんだ。
だから、魔力があれば魔物は何処にでも自然発生してしまう。そして倒しても倒しても無際限に現れてしまうんだ。
おっと、今は悠長な説明をしている場合じゃなかったね。今から現れるのは最弱の魔物『スライム』だよ!≪召喚≫機能で武器を召喚してスライムを討伐しよう!
報酬:≪設置物≫の追加。
武器、召喚しないと駄目かな?
まあ、ダメなんだろうね……
俺は指示に従い召喚物リストを開くのだった。
≪召喚物一覧≫
・鉄の剣:0P
・鉄の槍:0P
・鉄の手甲:0P
・弓セット(鉄矢20本):0P
・
・
・
・
ヤバい。指輪と魔導書が気になる!
だが、残念な事に召喚できるのは一つだけの様だ。
うーん。持ち運び的な事を考えて指輪で。
指輪を選択すると手の中に銀色の指輪が一つ納まっていた。如何やら召喚場所の位置はある程度意思で変えられるらしい。
「あ、スライム?案外キモイな……≪魔装:
さっさと倒してしまう為に俺は手に氷の劔を創り出す。
ただし、以前の失敗は犯さない様に柄は光属性の白魔力を固めて作り上げた。
俺は早速、創り出した≪
――スライムは凍り付き死亡した。
「……スライム弱っ」
え、これで本当に終わり?え、弱すぎないですか!?
二度見して確認しても確かにスライムの頭上のHPゲージは尽きている。……。
<チュートリアル7>
【家に結界を張ろう】
・やったね。魔物討伐おめでとう!
それでも沢山の数の魔物が来たら危ないね。
ここは家に結界を設置して対策しよう!
報酬:≪召喚物≫の追加。
≪設置≫のアイコンに矢印が出た。
うん、わかってる。押せばいいんですよね……押せば。
≪設置物一覧≫
・結界(体験版):0P
保有ポイント:1P
保有ポイント?
何で増えたんだ?
……。
多分、スライムを倒した事と関係してるんだろうな。
「まあ、いいや」
ポチッと。
設置場所を決定してください、ね。
俺は家周辺を選択。そこに結界を設置した。
「クリア出来たっぽい?」
うん。できてる。
俺は報酬を受け取って次のチュートリアルを表示する。
ぶっちゃけ、そろそろ飽きて来たかも。
<チュートリアル8>
【守護獣を召喚しよう】
・家を守るのが結界だけだと少し心細い?
なら、守護獣を召喚してみよう!!
報酬:≪設置物≫の追加
指示に従って≪召喚≫のリストを開いた。
≪召喚物一覧≫
・召喚獣ガチャ(ノーマル):0P
保有ポイント:1P
ガチャかよ!
いや、うん。何も言わないですよ。はい。ポチッ。
――ガチャン!
――ガラガラガラガラガラ……バン!!
≪ノーマルガチャ結果≫
・スライム
何故か一瞬頭にスライム地獄という単語が過った。
……気にしない事に使用。
「ま、まあ。とりあえず、≪
目の前に魔法陣が出現。そこからぬるりとスライムが出て来た。
マップの表示は青表示になっている。ちゃんと味方扱いらしい。
「ええっと……これから家の守護?頼んだぞ」
ポヨンと跳ねた。
了解って事でいいのかな?
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