第4話 呪いの話

 ここからちょっと嫌な感じの話。「呪い」について考えてみましょう。

 これまたテーマを聞いただけで胡散臭い感じがプンプンしますね。

 正直なところ、僕自身も、呪いの話なんてその殆どが眉唾だと思っているんですけど。 

 ただ、前回の言霊の話と交えて考えた場合、実際に存在する呪いっていうものもあるんじゃないかと考えるわけです。


 まず、僕の考えでは「呪い」とは「言霊」の一種で、分けて考えられるものじゃないと思うんです。つまり、言霊という大きな概念の一部に呪いというものがあると言うことです。

 要は、誰かに悪意をもって害や災いを与えるために使われる言霊、これが呪いなんじゃないかと。

 とは言っても、現代社会では「言霊」と同じように、やっぱり「呪い」も非科学的な迷信として信じられています。

 まあ、こんな話をしている僕ですら大抵の場合はホントに非科学的な迷信だと思っています。しかし、全部が全部、ただの迷信だとも思わないんですよね。

 一番簡単な例をあげてみましょう。

 誰かが、僕に「ば~か」と言ったとするじゃないですか。

 僕は、その人のことが嫌いで、言われたことも全然信じていません。さらに、その人は小心者で僕に直接の危害を加えることはないとします。はやい話、僕にとってそう言われたことによる実害はなんにもないとしましょう。

 でも、僕はその時どんな気持ちになるでしょうか?

 もし軽く笑い飛ばせるなら、それが一番正しいですね。でも、必ずしもそうできる保証はありません。もしかすると、たとえ短い間でも、いや~な気持ちになったり、ムカついてモヤモヤするかもしれません。

 もし、僕がちょっとでもそんな不快感を感じたとしたら、その人は僕に呪いを唱え、それが成功したと言うことなんじゃないでしょうか。

 多分これが、もっとも単純で一般的な「呪い」の例です。


 次回は、ちょっと話が大きくなって、この国、日本にかけられた呪いの話です。

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