第3話 記憶が逆転?

過去のことを思い出そうとすると、記憶の断片がフラッシュバックする。

すると僕の頭の中では、この逆転世界の記憶が実体験として蘇ってくる。


ジジッ・・・

<幼稚園児>の記憶

女子は水色のスモックに半ズボン。僕たち男子はピンク色のスモックにゴム紐のスカート。

滑り台は男子はスカートがめくれるので、滑ってると先生に怒られちゃう。

他にも鉄棒とか、ジャングルジムとかもスカートじゃできないし、いいなあ女子って。

夕方の公園であいつと結婚の約束。

「大きくなったら、僕のことお婿さんにしてくれる?」


ジジッ・・・

<小学生>の記憶

女子はワイシャツに半ズボン。僕たち男子はブラウスに釣りスカートになった。

うん、かわいい。小学生になった女子達は悪戯っ子ですぐ僕たち男子のスカートをめくって来る。

あいつは他の男子のスカートはめくらない癖に、なぜか僕のスカートばかりめくるんだ。

でも、他の女子が僕のスカートをめくろうとした時は必死に止めてくれて、その女子と喧嘩。

喧嘩を止めて、僕のために争わないで。

なんだか嬉しい。


ジジッ・・・

<中学生>の記憶

これは、最近の記憶だ。

女子は学ラン。僕たち男子はセーラー服。校則では膝下スカートだけど、折り込んでミニスカにする。

ちょーかわいいかも。

男子テニスの練習中、女子達が金網に張り付く。

もう!パンツじゃないもん、アンスコだから恥ずかしくないもん。



元の世界の出来事は、何とか思い出せるけど、なんだか現実感がない。

女子がスカートを履いたり、男子がズボンを履くなんて、とても奇妙に感じる。

なんだか元の世界の記憶が曖昧で、あれは夢だったのかなって思ってしまう。

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