第26話 日本語は難しい(1)
いえいえ、決して「日本語について深く探求しよう」なんていう高尚なテーマではありません。これ、シロートの呟きなんでね、そんなけったいなことを考えて生活しているような生き物じゃないんですよ、如月は。
子供に諺を説明することについて、ちょっと思ったことを呟いてみようかと。
*
『二階から目薬』って言葉がありますよね。
すげーヒット率じゃね? ……なんてことを考えるのは私だけでしょうか。
いえね、昔の目薬は軟膏ですから、それ自体が無理じゃん。わざわざ長い棒の先に軟膏つけて、二階から階下の人の目に塗ってやんの?
良い子も良い大人も絶対にマネしないでください。角膜に傷がつきます。
現代の目薬は液体ですね。これならやれそうな気がする。
検索してみると、実際にやってみた方が何人もいらっしゃる。でも成功率はかなり低いようですね。ですが……
良い子も良い大人も絶対にマネしないでください。角膜に傷がつきます(二度目)
目薬は正しく使いましょう。
*
『踏んだり蹴ったり』これって、えらい目に遭ってるのに、自分がすげー悪いヤツに見えませんか? 『踏んだり』『蹴ったり』してるんですよ、極悪非道です。暴力反対。お巡りさんに通報。
『踏まれたり蹴られたり』とか『踏んだり蹴ったりされた』という事ですよね。受動態を省略した形なんでしょう。子供が混乱するんですね。「なんかこれ酷いことしてるくせに自分だけ被害を訴えてるようで、自己中に見えるよね」なんてね。省略されていることを説明する必要がありますね。
*
『鳶が鷹を生む』生物学的にはありえませんね。勿論比喩です。ヒユ科の植物のヒユじゃなくてね、比喩ね。
「鳶と鷹の区別ってどうやってつけるの」なんて言い出されるとホント困ります。
いやもう本当に小学生に教えるのは骨が折れます。
「え、骨が折れたの? どこ? 大丈夫?」
「骨粗鬆症かも。病院行った方がいいよ!」
いや、そういう物理的な話じゃなくてね、『骨が折れる』って言うのは労力を要することでね。ほら『骨折り損のくたびれもうけ』って言うでしょう?
「骨が折れて、更にくたびれたってのに、何を儲けるの?」
…………。
……またシロート発言をしてしまったようだな。
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