シツレンタイム
明
第1話 失恋記念日
「…いっぱいありがとうも、ごめんねもあるんだけど…」
そこまで言われて、私は号泣しながら待ったをかけた。
「待って…お願いだから…もう一回だけ…」
彼のシャツを掴みながら泣き続けた。
「でもね、これからずるずる続けてても…だめだと思うから。」
めったに泣かない彼も、涙を浮かべてくれていた。
「どうして……でもそうだよね、ごめんね。いっぱい辛い思いさせたよね…。」
きっと、どれだけ足掻いてももう戻れなかった。
もう思いは伝わらなかった。
彼の涙を指で拭いながら、謝ることしか出来なかった。
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