侵略してイイノ?5話 赤つまり撤退
赤つまり撤退
「珠樹! 赤の信号弾が上がったから撤退だよ!」
そう遠くから聞こえる。きっと皐文ちゃんだ。その声に聞こえるほうに向かって飛んでいく、皐文ちゃんも跳び、敵を踏みつけながら撤退している。私が隣を飛ぼうとすると周りから敵が私を完全に包囲しに掛かって来た。しかし、先ほどから出している雷犬が目の前の敵に貫通して倒していく。しかし私は後ろの敵を倒すべきだった。後ろから攻撃しようとしている敵に気が付かずに進もうとしていると、後ろから轟音、すごい衝撃が飛んできている。けど振り返る時間はない。今度こそ終わったんだろうな……そう私は思った。しかし、
「何やってますの! わたくしとあの人がいなかったらあなたどういたしますの?」
「へ?」
「振り返らずに逃げなさい! 今すぐ!」
「う、うん」
私は言われた通り振り返らずに飛んで、皐文ちゃんと共に戦線を……、
「やっぱりできないよ! 助けてもらって、ありがとうで逃げれないよ!」
私が振り返ろうとすると、
「解りませんの? あなたがいると本気が出せないと言っていますのよ!」
声の主は攻撃を受け止めているようで、私の後ろからその声が聞こえた。
「ここはこの声の主に従おう。珠樹」
「うん……」
そして私は振り返らず、戦線を離脱しようとすると、皐文ちゃんが何やらポツリとつぶやいた。
「やっぱり珠樹……心配なんだね」
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