悪魔になってイイノ?11話 研究の成果

研究の成果


「……で、研究は成功した。その産物として、この魔力通信逆探知機を作成できた。魔力を受信するとそれを元に反応を追いかけるという物だ」

そう神奈ちゃんは自慢げに言う。魔力反応は一人一人違うものだと聞いたことがある。だからこれも理にかなっているんだろうけど……。

「神奈先生!」

と皐文ちゃんが手を挙げる。

「……はい、皐文君」

「すごいのは分かるんだけど、なんでこれは平べったいのかな?」

「そうだよね、どう見ても紙だもん」

「……そうだな、これは折り紙だ。まあ、折り目は最初から決まっているがな。今からこれを持ち帰って、代美に折ってもらう。そして今悪魔払いしている悪魔たちに使い、発生源を探る。そういう作戦だ」

「神奈先生!」

私も手を挙げて、

「……はい、珠樹君」

と当ててもらう。そして私は前から思っていた事を、

「もし、もし悪魔の親玉が小麦ちゃんだったら……」

そう言いかけると、皐文ちゃんが、

「分かってるよ。珠樹のことだから、六角も助けたいんだよね。いいよ。ねっ神奈」

「……ただし、皆の危険を感じたらすぐに止めを刺すそれでいいか?」

「うん」

「じゃあ、珠樹の家に帰るよ」

そう言って皐文ちゃんは、一番先に外に出た。私たちを続いて外に出ようとしたが、皐文ちゃんが立ち止まっていて、

「な、なに? これ」

とつぶやいた。そして私たちは皐文ちゃんの肩の上から外を見る。そこには大量の悪魔と詩織ちゃんが戦っていた。

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