戦ってイイノ?22話 甲板にて戦闘

甲板にて戦闘


私が、船の側面から船の上に戻ると、そこでは小麦ちゃんであろう悪魔と、皐文ちゃんが戦っていた。

「隠密も戦闘も得意な僕でも、これは! 無理があるよ! こいつ! 話に聞いてたより強い!」

大量の小型砲台を周りに浮かして、そこから砲撃をしている悪魔と、それから逃げることしかできてない皐文ちゃん。その間に私が入ろうとする。

「皐文ちゃん、交代だよ!」

「珠樹、二人で戦ったほうがいいよ。僕たちもここを終わらせてみんなを手伝わないと!」

「え、あ、うん」

私は金のサモンエッグをばらまき、弾にぶつけたが、召喚は失敗。サモンエッグはひとりでにウエストポーチに戻った。

「あ、あれの素材何?」

そんなことをしているうちに、皐文ちゃんが何機か小型砲台を破壊。だがまだまだある。

「金属じゃないの?」

と皐文ちゃんが忙しそうに跳び回りながら言う。

「違うみたい。土かな?」

私は踊るように動きながら、弾を回避する。その際に土のサモンエッグを数個ぶつかるように落としてみたが、召喚できなかった。

「あれ、ほんと何! 召喚できないよ!」

「あ、サモンエッグの話か。なら今度は闇なんてどうだい? さっきから見ていると、あの弾、甲板にあたると跳ね返ってるから、未知の素材、魔法物質だと思うんだ」

と話しつつも皐文ちゃんは相手の砲台を破壊している。

「成程、じゃあ……」

と闇のサモンエッグをばらまき、弾に当たると、小さいキメラのような生き物が現れた。

「あれはやっぱり闇の魔法なんだね。それよりその鵺っぽい生き物なんだろう?」

と皐文ちゃんが爪と忍び刀でつばぜり合いをしながら聞く。すると、そのキメラっぽい生き物は、

 「おお、我らの正体を素早く見抜けるとはそこの忍びの娘、見所があるぞ、我らは鵺、魔力のこもった闇より召喚された物だ」

と自己紹介を……。

「喋ったー!」

一体は私に話しかけているが、他は、砲台を破壊し終わり、つばぜり合いをやめた悪魔を追いかけている。悪魔もそれに対して、爪で対抗していて、囲まれないよう逃げている。

「なんだ、正体を言い当てたのに、喋るとは思わなんだが?」

と皐文ちゃんに聞く鵺、

「今まで珠樹の召喚獣って喋らないからそういうものだと思ってたんだ、ごめんなさい」

そう、皐文ちゃんが頭を下げながら言うと、鵺は、

「謝ることではない。だが、我が召喚主は、召喚獣とは話さないのか?」

と私に話を振られて私は、

「さっき初めて話したんだけど、面白い魚たちだったよ」

そう言うと、鵺は少し固まり、その後、

「魚とな……と言うことは召喚主はサモンエッグを飲み込んだのか。下級召喚獣は、サモンエッグを飲み込まないと会話ができないはずだからな」

そういうと、鵺はほかの仲間とともに、悪魔を追いだした。

「って私たちも戦わなくちゃ」

と言って私は火のサモンエッグを炙り、銃を召喚、特殊な弾を装填し構える。そうしていると、皐文ちゃんが、

「僕、他の敵を倒しに行ってくるね」

「へ? ちょっと待って」

「ん? どうしたんだい?」

「私一人で戦うの?」

「頑張ってね!」

「ええー!」

とどこかに行ってしまった。再度私は銃を構え、狙いを定めて撃つ。

「当たれ!」

それは見事に命中し、眠りについた。

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