戦ってイイノ? 21話 千里眼の代美

千里眼の代美


私は艦橋を降り、海に飛びこもうと甲板から飛び降りると、いきなり頭の中に、

『珠樹ちゃん! 後ろから黒いのが来るよ!』

「え?」

私は後ろを見る。すると、すごい勢いで、黒い塊が近づいてきた。

「あれって多分……小麦ちゃんだ!」

それは鉤爪を左側に構え、飛んでくる。このままだと、あの爪に切り裂かれそうだと考え、上に飛ぶ。しかしそれに対応して、黒い塊が高度を上げてくる。まだ、周りは暗くなってない。ぱっと出せるものは……、そうだ! といつも袖に入れている木の枝を取り出し、木のサモンエッグにさし、盾を召喚、それを構え攻撃を受け流そうとしたが、

「これ、受け流せない! 飛ばされる!」

相手の爪の弧になっている、内側で攻撃され、力を逃す場もなく船の前方上空に飛ばされ、それでも目で追っていたはずの敵が見えなくなったので、周りを見渡すと、頭の上に凄い突風が通ったように感じた。そして通って行ったほうを見ると、黒い影が爪で何とか矢を防いだが、矢が蔓のように絡みつき、そのまま飛ばされていった。

『危なかったね~珠樹ちゃん。あいつ何なの~?』

しかし私は念話ができないので艦橋の上にいる代美ちゃんに手を振って、そのまま海に降りた。そしてマーメイドに変身すると、海に潜り神奈ちゃんに言われたように水魚を出す。

「魚雷を探して、破壊してきてくれる?」

と、そういえば、青龍と会話できたことを思い出し、魚たちに話して見る。すると、

「イェス! いいぜ。よしお前ら! 周りを探れ!」

「イェッサー! 兄貴!」

と声を掛け合って、その後少し黙った。その後、

「兄貴! 見つけたぜ! 全部俺たちがやっていいのか?」

「どうだい嬢ちゃん? やっちまっていいかい?」

と私に指示を仰いできた。

「うん、お願い。11で足りそう?」

「大丈夫です! 姉貴!」

「お前ら、俺を通せ!」

「す、すいません兄貴!」

そんな会話が終わるとともに、彼ら散り散りに泳ぎだし、その後その方向から振動が起きた。なのに、

「やり切ったぜ!」

「満足だ!」

「イエーイ」

など言いながら、水のサモンエッグが戻ってきた。私は彼らを収容し、私は海から上がった。

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