戦ってイイノ?19話 説明エルピス
説明エルピス
説教を見ていると、拡声器から、
『大変です。魚雷があと30分で現在地、それから少しづつ東に5本づつ、西に5本づつ来ています。回避運動を開始しますね』
すると神奈ちゃんは正座をしながら、
「……ああ、頼む。上空、水中の警戒も引き続き頼む」
『わかりました』
航空母艦は動き始め、サターンさんは、
「ああもういいか。神奈、確かに考えはよかった。だが、この世界の摂理を乱すなよ」
「……理解した」
と説教を終了し、神奈ちゃんは言いつつ立ち上がり、ソナーなどを見だした。
「また会えたね。詩織ちゃん」
そう言うと、詩織ちゃんはこちらを向き少しニッコリして、
「そうですね。早い再会です」
と返してくれた。すると、隣にいた皐文ちゃんも、
「そう言えば、前に詩織達を助けられなくてごめんね。あの時はピコと沈んだ都の王を何とかしないといけなくて……」
「ええ、大丈夫です。その話は神奈から聞いてます。それにしても、その敵がここまで戦うはめになるとは……」
と少し暗い顔をしている詩織ちゃん。
「そうだね、ピコはしぶとすぎだよ」
そういう会話を皐文ちゃんとしていると、サターンさんも、
「そうだな、あれはこの世界の摂理に反している。我の敵でもあるという事だな」
と会話に交じってきた。その言葉を聞いて、私は少し気になっていたことを聞くことにした。
「ねえ、サターンさんって前にも言っていたけど、世界のルールを違反した者を罰する人なんだよね? どういう存在なの? それになんで箱の中に入ってたの?」
と私は聞いてみた。すると、サターンさんは、
「ああ、我は世界の秩序だ。そういう使命与えられた。この世界を作った物に配置された、ルールから外れた者を罰するものだ。ちなみにあの箱は我が寝床兼悪しき旧世代の悪しき者どもを閉じ込めていた牢獄だ。あまりにも何も起きずに我は、三〇〇〇年ほど眠りについていたがな」
「へ~、成程。でもなんで、私達は倒されないの? 私達も魔法は知ってるのに」
その質問をすると、サターンさんは、
「大丈夫だ。知識を持っているだけで、どうして罰せられよう。広めるのが問題なのだ。それに、世界が違うと、ルールも違う。プリマ姉妹の世界では魔法を広めるのは自由だ。逆に、機械技術を広めることはできんがな」
「なるほどね。わかったよ」
私は大して解ってもいないのにそんな返事をした。すると、皐文ちゃんが、
「世界はいっぱいあるんだね、僕たちが住んでる世界だけだと思ってたよ。で、世界に名前とかあるのかな?」
そう聞くと、サターンさんは、
「名前と呼んでいいのかわからんものならあるが、魔法繁栄世界、機械繁栄世界、魔法大繁栄機械未発達世界、機械大繁栄魔法未発達世界、繁栄世界、中間世界、それと噂でしかないが、無の世界、まあ陸地も水もあるが、人がいない世界の7つ有ると言われているな。それと同じように、我らエルピスも7人いる。6人は無の世界以外の世界を一つずつにルールとして存在して、最後の一人が我らエルピスの監視をしている、そんな感じだ」
「ふーん、ってことはさ、サターンには上の存在がいるってこと?」
「そうだな。今同じ船に乗って、占いでもしているんじゃないか?」
その話を聞いて、小部屋ちゃんが思い浮かんだ。それは皐文ちゃんも同じようで、
「えっ! もしかして小部屋がそうなのかい?」
とびっくりして、その問いに対し、サターンさんも
「ああ、あいつが自由に動いているのはそういうことだ」
そうサターンさんが言っているのを聞きながらさっきから発言していない詩織ちゃんを見てみてると、少し悩んだ顔をしていた。
「どうしたの? 詩織ちゃん」
そう私が聞くと、
「いえ、この世界で魔法を広めてはならないのなら、私たちの世界は、どの世界なのでしょうと思ってました。機械世界類ではあるようですし……」
その解はやはりサターンさんが答えた。
「この世界は、機械繁栄世界だ。少しの魔法は存在しているからな。だが、機械大繁栄魔法未発達世界には機械技術は負けるがな」
そんな会話をしていると、神奈ちゃんが、
「……皆、衝撃に備えろ! この魚雷、無線誘導だ!」
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