倒してイイノ?6話夕食
夕食
皆が座っていたため、私達も座り、
「そう言えば、皐文ちゃん達は何であの人たちと戦ってたの?」
「うーん、なんでだっけ?」
と皐文ちゃんは代美ちゃんを見る。
「それはね~、最初に大国のある家系の魔導士にだけ遺伝された魔法、特殊能力コピーがあるんだけど~、その能力を持ったピコ・モデンナ、黄色のフード被って、皐文ちゃんになりきっていた人が、自分の物にしたい能力をね、増殖術に決めたんだ~。その能力はね~沈んだ都のある一族だけが持っていたものらしくてね~、それを得るためにね~、彼女は沈んだ都の復活させようとしていたんだけど、それが成就すると大混乱が待ち受けているって~予言が小部屋ちゃんに降りてきたんだ~、だから小部屋ちゃんが私達に緊急招集かけたんだ~」
「……私と代美、皐文で珠樹を、美智から助けた後にそれが起きた。美智に一回グルグル巻きにされていただろうその後だ。ちなみに、珠樹が叔父に連れ去らわれたときに警察に連絡、周りの犯人を倒したのも私と皐文、君の姉二人だ。沈んだ都にある増殖術を持った、細胞保管庫近くに向かい迎え撃ったが、結果敗北、奴は手始めに自分のコピーに沈んだ都の王の遺伝子データを入れ、沈んだ都の王が復活、その後私たちは何度か戻ってきて、学校に行っていたのだが、3度目の戦闘で、私たちは沈んだ都の王に認識阻害魔法を掛けられ、皐文が海に落とされた。その後は珠樹達と戦ったという話だ。そういえば、その間皐文は何していた?」
「えっとね、確か、美智に助けてもらったんだ。その後はちょっと言えないかな……」
「なんで?」
「……言ったら僕が消されるから」
「……「あ」」
二人は納得した。なんでだろう。
「……珠樹、聞かない方がいいことはある」
私の言葉に先回りして、神奈ちゃんが言った。
「な、なんなの?」
「知らぬが仏だよ~」
「……うん」
私はあきらめた。
「……そういえば、珠樹、確か永魔のリングをすべて防衛に回しているんだったか?」
それを聞いて、私は、
「うん、そうだよ」
「……じゃあ、なんであの時、首根っこをつかまれて、切られかけた?」
「う~ん、分からないんだけど、多分、あの人の持っていた、機械によるものだと思うんだ。確か魔力無効か、魔力吸収の装置を持っていたみたいなんだ。だからかな?」
そういうと、皐文ちゃんが、
「そこまで僕に似せようとしていたんだ。なんか嫌だな」
「それで、私を助けたのって他の三つもそうかな? ほら、廃墟で詩織ちゃんと戦った時、助けてくれたのと、お姉ちゃんたちを助けたのと、詩織ちゃんと、エスキさんが異空間に飛ばされたのを転移魔法で戻してくれたりしたのって」
そう私が聞くと、皐文ちゃん達はきょとんとした。そして皐文ちゃんが口を開き、
「確かに廃墟のは僕たちだったけど、後の2つは知らないかな。けどお姉さんたちは魔法使いなんだよね? ならあの二人が助けてくれたってのが正しいんじゃないかな、三つ目は多分あの人だね……言えないけど言ったら消されるから……」
「なにその怖い人……。そう言えば、代美ちゃんの誕生日すぎちゃったね」
と私が発言すると、いきなり船は大きく揺れ、
「何~? この揺れ~」
「大きな波かな? それとも地震?」
「……スクリーンに出す」
すると、壁の中からスクリーンが現れ、そこには、鯨のような大きさの、黒い何かがこの船に体当たりしているのが見えた。
「追い払いに行かなくちゃ!」
私は部屋を飛び出し、変身もして、甲板に出た。
「えっと、これからどうすれば……」
すると、拡声器から神奈ちゃんの声が聞こえてきて、
「今からこの鯨を避けながら、国に向かう。だから速度を上げる。皆、艦内に戻ってくれ」
成程と思い、鯨に背を向けた瞬間、後ろから何かに体当たりをされ、倒れた。
「いたた、何?」
と立ち上がり、周りを見渡すと、私のサモンエッグの入ったウエストポーチを持った、カラスのように黒い鳥が飛んでいくのが見え、その先には、前の戦いで、ライル姉妹と戦っていたはずの、黒い人が宙浮いていた。
「返して!」
私は飛んで、その子に接近する。黒い塊がこちらに向かって放たれ、私は回避しようと、低空で飛ぶが、塊に当たり、落とされる。このままじゃ水の上に……落ちずに、皐文ちゃんにキャッチされ、船に向かって海の上を走り出したため、
「ちょっと待って! 私のウエストポーチとサモンエッグが!」
「駄目だよ! あいつ本気で僕たちを殺す気だと思うから、一度態勢を立て直そう」
「でも私、あれがないとみんなの役に立たないよ!」
「けど、死んだら意味ないよ!」
「……わかったよ」
私達は船に戻り、船は最高速で進みだした。しかし鯨は追ってきて、
「……誰か理由わからないか?」
と神奈が聞く。私は、
「プリマ姉妹が戦っていた相手がいたんだけど、確か、エルピスさんが本物の悪魔と契約した人間って言ってたような……」
「当たりだよ。あれは悪魔と契約した人間。多分もう人の識別もできてないなぁ。そして、あの鯨は呪われてるねぇ」
といきなりまじめな口調で、小部屋ちゃんが現れた。
「……おはよう小部屋、占い終わったのか?」
「何とかね、やっぱり、この世界の終わりは違う世界の侵略で終わるみたいだね。ただ覆すのも可能な感じなんだよねぇ」
「何の話かな? 世界の終わり?」
と小部屋ちゃんの話を詳しく聞こうするが、
「いやその話はいいやぁ。それより悪魔だねぇ」
すると、神奈ちゃんがタブレットを持ちながら、スクリーンをタブレットと同調させる。
「……その通りだ。私がここに特徴を書いていくから言ってくれ」
「いいよぉ、まず、珠樹先輩が戦っていた悪魔、あれは悪魔を名乗った人間だったものだよ。まあ、悪魔と契約した人間を中心に集まった、旧世界の犯罪者集団だと思ってくれればいいよぉ。だから親玉のルシフェルは悪魔と契約していたんだ。後の有象無象はただの犯罪者だよ。今はもう亡霊みたいなものだけどねぇ。その説明は後にして、本物の悪魔と契約するとねぇ、まずは黒い鎧を身にまとわされ、その鎧が皮膚になっていき、最後には悪魔になるんだよ。まあ、3千年ぐらいで一工程だから気にすることはないのだけど。今、害があるのは、人をちゃんと認識できなくなる、1日6回までなら死んでも復活できる、ちなみに、その能力の回復時間は日の出だよぉ。少しずつ人の時の記憶を失い、悪魔の知識を植え付けられる。後は人格が崩壊してしまい、人格を契約した悪魔と同じものになっていく。そんな感じかな? 後は仲間を作れる……というより、自分の配下の悪魔をあの爪で傷付けた相手に乗り移らせることができる。それで質問有るひとぉ」
すると皐文ちゃんが手を挙げて、
「戦闘能力面ではどうなるんだい? 例えば一般人なら一般人並みの強さなのかい?」
「結論から言うとぉ、珠樹先輩より強くなる感じかなぁ? 腕力面、魔力面、戦術面、どれも強化されて、少なくても珠樹先輩一人じゃ永魔のリングがないと、太刀打ちできないね。その上サモンエッグも取られているなら尚更かなぁ」
そこに代美ちゃんが入ってきて、
「鯨さんの妖気を取り放ってきたよ~」
一時の沈黙、その後、皐文ちゃんが、
「代美凄いよ!」
といった後、私はウエストポーチの事が気になって、
「代美ちゃん、あの浮いてた人はどうなった?」
「……そう言えば、代美は代々神職の家の子だったか。お祓いってやつか?」
「私も、お祓いはできるけどぉ、先にやられるとはねぇ」
全員で声をかけてしまい、少し代美ちゃんは困惑していたが、すぐに、
「ごめんね~。珠樹ちゃんのウエストポーチは取り返せなかったんだ~。そうだね、お祓いだよ~。あの人ぶつぶつと、あいつらを殺さないと……。って言っていたから、誰か恨まれているのかな~、と思ったんだけどね~、誰か恨まれるようなことした~?」
みんな顔を見合わせるが、首をかしげる。そこで私は口を開き
「私も覚えないけど、皆、覚えはないんだね。けど悪魔と契約するほどのことなら、覚えが無い事はないと思うんだけどね」
その間モニターを見た、神奈ちゃんが、
「……追われている事は無さそうだな。皆部屋で寝た方がいいだろう。監視は私がしておく」
「え? 神奈ちゃんは大丈夫なの? 眠たくならない?」
「……大丈夫だ、問題ない。私は機械の体だから眠らなくても機能低下はしないからな」
「へ? ど、どど、どういうこと?」
「あ、珠樹は知らないんだけっけ? 僕たちは魔法使いではないんだ。神奈は機械人間、
代美は巫女、僕は忍者ってとこかな? まあ神奈は、元は何のことはない一般人だったんだけどね」
「……年齢に偽りもないな。というか君達も一般人だろう」
と神奈ちゃんの冷静なツッコミの後、小部屋ちゃんが、
「ちなみに私は、魔法使いだよぉ」
「忍者ってホントにいるんだ!!」
と無視して驚いていると、
「いや、気付きなよ、前の戦いの際色々忍術使ってたよ。それに僕の場合、忍術と一緒に魔法吸収や魔法も使えるから純粋な忍者ではないけどねじゃあ寝よう」
ポカーンとしていると、気が付いたら皆部屋に帰っていた。
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