倒してイイノ?2話 ビーチフラッグ

 ビーチフラッグ


「位置について、よ~い、ドン!!」

私と、詩織ちゃん、皐文ちゃんが、代美ちゃんの合図で走り出す。砂に足をとられて、うまく走れない。しかし隣で、普通に走っている、詩織ちゃんがいた。

「空間を蹴ることによって、普通に走るのを可能にしました。どうですか? お二人には不可能でしょう?」

「確かに僕たちには無理だけど、こうするとどうなるかな?」

そう言うと、皐文ちゃんの忍び刀が少し光り、直後、詩織ちゃんはこけた。

「な、なるほど、魔力吸収ですか……」

そして皐文ちゃんはさらに加速、どんどん離れていく。なら……、

「筋力強化で!!」

私は筋力強化を行って、スピードを上げようとしたが、思いっきり砂を蹴ると、こけた。

「やった一番だよ!」

そんなことしていたら、一位はやっぱり皐文ちゃんだった。そして皐文ちゃんがこちらに手を伸ばして、

「珠樹、思いっきり地面蹴るのはいいけどさ、後ろに蹴ったから、こけたんだよ。それにほら」

と言うと後ろを指さすと、そこには砂をたっぷりかかった、詩織ちゃんが倒れていた。

「ご、ごめん」

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