姉妹でイイノ?16話 浮遊船への反撃 

浮遊船への反撃


空高くに向かって飛んでいると、成水さんが、

「そういえば、あなたのお姉さん達やお兄さんは何者なのですか? お姉さん達は時間がかかると言われている結界魔法、を手早く使えますし、お兄さんは……」

そういうと真上の太陽を指さしながら、

「あれが、あそこに飛んでいる船が、逆光を利用し、その上、迷彩を利用しながらこの町の上空にいることが分かったのは彼のおかげです」

「……え? お姉ちゃん達魔法使えるの? それにお兄ちゃんそんなに目がいいの? 知らなかったよ」

私がビックリしていると、成水さんは話を変えた。

「……美智はあなたを早く復活させるために、あなたの時間を数日飛ばしてくしてくれました。そのため彼女は、疲労し今回の戦いには、参加できません。ちなみにあなたは普通では、5日間寝ていた計算だそうですよ」

「えっ……そうなんだ。ありがとうって言わないと、で、私は実際にはどれくらい寝ていたの?」

「そうですね、6時間です」

そうこうしている内に成水さんはいきなり弓を取り出し、空に向かって矢を撃った。30メートルぐらい先の宙に刺さり、そこから迷彩が剥げていくように、巨大な船が見えるようになった。

「え、お兄ちゃんこれを目視で確認したの?」

「その通りです。本当に何者なのですか?」

船底のような場所に近づくと、近くにあった小さな穴から中に入り込み、そこには、

「お姉ちゃん?」

「ヤッホーたまちゃん」

「……たまちゃんヤッホー」

お姉ちゃん達とエルピスさんが平然とした顔で立っていた。

「二人ともどうしてここにいるの?」

「……簡単な話、捕まったふりをして来た。これ賢い敵地への入り方。特にこういう場合はね」

「そうだよー。たまちゃん、一般人を乱獲しているなら、そこに入り込んで、内部から破壊するのが簡単だよ」

二人は歩き出したので私たちも歩きながら続いた。なるほど、確かに入ってしまえば……って、

「お姉ちゃん達って、この船落とすつもりだったの? なんで? それに戦う気満々だし」

そう聞くとお姉ちゃん達は顔を合わせて笑い、こちらを見た。その間にエルピスさんと、成水さんが会話しだした。

「黄金達は実を言うと、海外の学校に行っているフリで、実はこんなことのために備えていたのだ!」

「……これは世界の危機、ならば白たちは立ち上がるべきと考えて、ここに来た」

「え? そんなにお姉ちゃん達強いの? ってこれ世界の危機なの?」

「そうだよぉ、たまちゃん、この世界の人類は、あの赤い髪の子の魔力源となり、資源は兵器のを作るために使われて、この世界は終わるかもしれないんだよ」

「そ、そんな……」

「……まあ、白たちに任せて」

私はこれも私の罪だと思い、

「私も戦うよ!」

と少し強めに言った。

「黄金たちは負けないよー?」

そう黄金お姉ちゃんは笑い、

「でも、一緒に行きたいんだ」

「……わかった」

 お姉ちゃんたちは頷いた。その間もどうやら先程から話していた成水さんとエルピスさんは話を続けていた。少し耳を傾けてみると、

「えー我ここに残りたくない」

「仕方がないでしょう。適任はあなただけです。あの少女に勝てて防衛になれている、あなただからなのです」

「う~ん」

作戦会議中のようだ。少し待ってみると、

「では、皆様に作戦をお伝えします。ざっと外から見た見取り図なのですが、このような形になっています。多分この地点が操舵室でしょう。この通り縦長なので二組で行動が良いように思えます。そしてここにいる人たちも守らなければなりません。その任はエルピスにお任せします。二手に分かれてこの操舵室を目指しましょう。後ろのルートを使う側は、この船を動かすネットワークが置かれている、この部屋を目指します。そしてこのBDを読み込ませて下さい。そして前のルートは、このに垂直発射システムの下にある火薬庫にこれを設置して下さい。では誰がどのルートを通るか決めましょう。私は珠樹と私で後ろのルートに、黄金さんと白さんで前のルートに行ってもらいたいのですが……」

「え~! 黄金は珠樹と白と一緒がいいんだけど!」

「……白も同じ」

「お姉ちゃん達、成水さんはどうするの? まさか一人で行けとでもいうの?」

「「うっ……」」

「私は成水さんの意見で行きたいなー。お姉ちゃん達には悪いけど」

「では、この案で行きましょう。その機械は電気が発生しなくなる装置らしいです。それによってミサイルは動かなくなるでしょう」

「「は~い」」

「お姉ちゃん達不満そうだね、けどやらないと世界の一大事なんだよね! 頑張らないとだね!」

「「たまちゃんがまぶしい!」……」

そういうと二人は真面目な顔に変わって、

「じゃあ行くよたまちゃん、気を付けてね」

「お姉ちゃん達も!」

私達は後ろから昇るルートに行き、迎え撃ちに来た敵を倒しながら前に進んだ。ただ、何故か悪魔たちは弱く、簡単に進めた。艦内は暗く、刀が使えたため刀と、ライターを持ってきていたので、火のサモンエッグからトカゲを召喚し、道を開いた。

「なかなか強くなりましたね、珠樹」

「ありがとう、成水さん」

「……あなたは何歳ですか?」

「へ? 六年生だから、12歳だよ」

「では、同い年ですね。ならばさんづけはいりません。詩織で結構です」

「分かったよ、詩織ちゃん」

「ちゃん、ですか? ふふふ。そう、同世代にそう呼ばれたのは久方ぶりです」

そして次の階につくと、十字砲火にあった。何とか下に降りてかわし、そして、火のサモンエッグに着火、三つ使い、三匹のトカゲを這わせて、上に攻撃。見事命中したようだ。そしてここからは敵が強くなっているようで、詩織は火縄銃で一つ下の階から隠れながら銃撃を開始。私もトカゲを召喚し応戦、魔弾と銃弾と、トカゲが飛び交う。数分すると魔弾が飛んでこなくなり上の階を確認、敵がいないことを確認すると二人で階段を上り先に進んだ。そして、

「ここですね。制御システムがある部屋は」

「そうだね。じゃあ開けるよ……!」

ドアを自分の身体が、向こうから見えないようにドアを押して、壁に隠れて開ける。しかし魔弾は飛んでこなかった。二人でこっそりのぞき込む。するとドアの周りを飛ばせるほどの魔弾を溜めていた。

「へ?」

二人は扉らへんから飛びのいた。攻撃は背中を向けていたところはえぐり取りとられ、その弾は反対の壁も抜けて、空が見えていた。

「あ、危ないね! 大丈夫?」

「ええ、大丈夫です」

私たちは反撃を開始。トカゲを出して、詩織は弓に装備を変えていた。詩織は敵が向こうにいるところの壁に向かって弓を撃った。すると向こうから倒れる音が聞こえ、また覗くと悪魔たちは全員消し飛んでいた。

「よし、これでBD読み込ませれるよ」

「ええ、早くやりましょう」

機械に近づき、BDを読み込ませるといきなり方向転換したかのように振動が起きた。何処に向かっているかわからないけどどうやら行く向きを変えたようだった。

「ど、どうしたの? これ」

「簡単な話です、外部からのハッキングです。さっきのディスクでこの機械は彼女のネットワークに繋がったのです、この船の制御に使っているネットワークは、この世界のネットワークを介していない、と言うよりも、ネットワークに繋がっていないので、繋げました」

「へー。で、どこに向かっているの?」

「多分、ですが……あなた達の町の近くの海でしょう。あの町の者が多いですから」

「なるほど」

私たちはその部屋を後にして、甲板に進もうとした。その時私は後ろに人影が見えた気がしたので、振り返り、構える。すると沢山ある機械の間から黒い服を着て、サングラスをした怖そうな雰囲気のおじさんが現れた。

「よう、成水ちゃん、久しぶりだな」

「ええ、久しぶりです。今回は誰の元で働いているのですか?」

と詩織ちゃんが挨拶した。

「名前は言えないが、優しい人だ。この船に囚われている、自分の娘を救ってくれ。との事だからな。そうだ、見かけたら俺に教えてくれ……いや、やっぱり俺もついていこう」

彼はサングラスを外しながら、そう言った。

「ねえ、あの怖い人だれ?」

「分かりました。ですがこの先に魔法を使う戦いが予想されています。その際は隠れていて下さい、そう言えば下は見たのですか?」

「ねえ、あの人だれ?」

「ああ、俺は魔法は使えんからな、その時は頼んだぞ、下は見てきたが、いなくてお前らを付けたんだ」

私、無視されてる?

「ね、ねえあの人だれ?」

「あ、珠樹さんには話してませんでしたね。彼は島津さんです。前のある戦闘で知り合った方です」

島津さんはこちらに、会釈したので私も会釈した。

(けど、もっと小さな影だったような……。)

そう思いながらも甲板に進んだ。


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