姉妹でイイノ?13話 小麦の恐怖

小麦の恐怖


私は打ちひしがれていた。そんな時どこからともなく人が大量に現れた。どうやら私の町の人たちのようで、どういう原理か解らない、でも目の前には珠樹さんがいた。

「珠樹? 珠樹さん、起きなさいな。珠樹さん」

目を覚まさないようで、ほっぺをぺしぺしと、叩いてみたり、キスしてみたりしたが、起きない。そうこうしているうちに、後ろから声が聞こえて、後ろを見ると、私たちを捕まえてここに連れてきた人、カーリーがいた。

「ああ、いましたよ、エスキ」

そう言うと、私達より5歳ぐらい年上の女がやってきた。

「居た居た。この子の魔力を吸収すればあたしの願いに一歩近づくわ」

魔力を吸収? 何かわからないけど、でも、多分この人たちは珠樹を殺す気? そんなこと!

「させませんわ! 珠樹を殺させませんわ! 私のママとパパを奪っただけでなく、友達までも殺されてなるものですか!」

私は珠樹とそこ子の間に入りこんだ。この人達の危なさから考えるに、私はここで死んでしまうのかもしれないが、それでもこの子だけは守ってあげないと!

「退きなさい、そこの小娘。死んでもいいのかしら?」

「死んでもいいですわ! そしたら私はパパとママと同じところに行けるのですから、けどこの子には生きていてほしいのですのよ!」

にらみ合う私とカーリー。体が震えて止まらない。しかしエスキと呼ばれていた人は、

「わかった、じゃあ珠樹の事は、今は置いといてあげる。けどカーリー、その子殺しといて」

「わかりました、お嬢様」

それだけ言うと女はドアの向こうに消えて行った。そしてカーリーは、私にパパとママを殺した杖をこちらに向けて、何かを攻撃をしようとしてくる。そこに、

「ありがとう! 時間稼いでくれて」

「……これでたまちゃんを助けれる」

その声とともに二人の女性が現れて、カーリーを吹き飛ばした。

「何者!」

カーリーは吹き飛んだ先で声を上げた、そして私の前には二人の女性が立っていた。

「たまちゃんの姉、黄金さんだよ~」

「……たまちゃんの姉、白です」

「なんですの、なんで珠樹さんはカーリー達に狙われていて、珠樹のお姉さま方はこんな化け物と戦えますの?」

交戦が始まる。光る球を投げ合っているが、よく見ると、二人は皆に被害が出ないように結界のようなものを張ったようで、ある一定距離に砲撃が飛んで行くと消えてしまい……、

「って私、結界の中にいませんか? 珠樹さんも倒れたままですし……」

腰が抜けていて、動けないが何とか珠樹の元により、座っていると、部屋の外からドン! という音が聞こえ、さらにそこの方向からドン! ドン! ドン! と続けざまに、何かを壊しながら何者かがこちらに来るように、音が大きくなりつつ、最終的にはそこの壁が吹き飛んだ。

「着きましたね。ここに珠樹がいるはずです。あの子の召喚生物の魔力を感じます」

右手に大筒を持った? 少女が現れた。その後ろには金髪の眠そうな少女とメイド服の背の高い女性が来た。そしてこちらを向いて、

「詩織様おめでとうございます。あちらに珠樹様が倒れておられます。早速救出に入りましょう」

それに気が付いたようで、珠樹のお姉さま方は結界を解除した。そしてメイド服の人が包帯のような布を伸ばし、カーリーをグルグル巻きにして、動きを止めた。

「今だ、珠樹を連れて脱出だ」

と金髪の子が、床に穴をあけながら言う。

「あなた達はどうしますか?」

と詩織と言われた少女が珠樹のお姉さま方に聞いていた、すると二人は、

「黄金達よりこの子を連れて行ってあげて~」

「……その子は珠樹を守ってくれていた。魔力がないとは言わないけど、すごい子、それにこの人たちを守らないと……ただ、すごい力を秘めているかも神力が……」

「わかりました。ではサターン、あなたも残ってもらえますか?」

「うん、この女と戦えるなら楽しそうだ!」

そう言うと今度は大筒をどこかにやって、槍を取り出して床の穴を広げ、メイド服の人が私を抱えて、詩織と呼ばれた子が珠樹を抱えて下に降りていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る