時間検問官
寝坊丸
第1話
これで何人目だろうか。
人の記憶を消したのは。
日々絶え間なくやってくる、《戻り人。》
誰もがその切なる想いを胸にして、この時空の狭間に押し寄せて来る。
何回聴いただろうか。
その時に戻らんとする熱い想いを。
魂の叫びを。
切実な、そして切迫した表情を浮かべ懇願する者たちに対し、
僕はどこか淡々として告げるのだ。
『規則ですから。』
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