透間

面白い事を聞いた

それぞれ生きている人間は

同じものを見ていないという話だ

赤だか青だか緑だか

いいやら悪いやら

嬉しいやら悲しいやら

いつも忙しそうにしているけれども

例えば泣ける映画とやらに行っても

泣く人間と泣かぬ人間がいて

楽しめる動物園に行っても

楽しめる人間と楽しめない人間がいて

図書館なる知識の宝で

寝る人間もいれば真面目に本を読みふける人間もいるのだ

それを見てくだらないと思う人間もいれば

感心する人間もいるのだという

不思議だなあ、と思うものの

生きている些細な時間の合間の出来事なのだから

波でまあるくなった石やガラスのようなものだ

そう私にとっても些細な事なので

暇な時にしか観察しないのと同じことなのだろう

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