2人乗り

なんとなく二人乗りを所望した

彼女もなんとなく乗ってくれた

何処へ行くなんて決まっていなくて

「なにが食べたい?」と精一杯

それに

「なんでもいいよ」と困った返答

だから、そうだから、今ならナイナイ、ラーメン屋

それでも「おいしい」と言ってくれて嬉しかった


それがもう二十年程前

始まりは間違えて送ったと装ったメールでのお誘い

意外にも「いいよ」と返事

舞い上がる舞い上がる


いま後悔するならラーメン屋はマズかった

それを彼女は隣で笑って茶化している

ありがとう、ラーメン屋

そして緊張して思考回路がおかしかった俺

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