春夏秋冬

知らぬ場所に出かけるときは

必ず地図を持つけれど


揺れる電車に

走るバス


降りれば知らぬ場所

名だけ知る地図の場所

見るもの全てが新しすぎて


今までどこに私はいたの?

もしかして飽きていたの?

故郷をあんなに愛していたのに

目の前に広がる見知らぬ場所に

私はときめきを隠せない


これから向かうは知らぬ場所

向かいたくて向かう場所

過去を閉じ込めて展示した

未来を語る素敵な場所


方向音痴が祟って迷子になるけど

見たこともない家に森に人に花

目新しいから飽きなくて

浮き出る汗と握る日傘

緩やか坂で痛くなる足も気にならない


もう二度と会えないかもしれないから

そうねだから楽しくなるのね

だってここは私がいない場所

一日だけの仮宿だもの

だから楽しいのね

たった一日の思い出と存在が


ひととき儚く華やぐ心

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る