彼女が居なくなった後の物語について

はとむぎ

第1話

高校一年生 春

校舎の外は保護者達が嫌な位に群れて話していた。

今年はあまり桜は咲くことなく、既に葉が緑に染まっていた。

そんな中、僕は入学式を終え、席に座っていた。

他の連中は浮かれムードでアドレス交換や友人と話している人ばかりだった。

何気なく僕は右隣の席を見る。

そこには誰も座っておらず、『ぽつん』と今日配布された書類が置いてあった。

本来。隣の席に座っているのは姫花ヒメカという幼馴染だ。

物事には順序がある。まずは何故彼女が居ないのか、を話そうと思う。

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