命懸けのお世辞

まさや

第1話

私は内代さんからをごちそう


してもらえるということで


期待しながら内代さんの家に向かった




そして内代さんの


ごちそうを頂いたのだが


その食べ物は


とても美味しくはなかったのだ



私は純粋な気持ちを表現した




「美味しくないね」・・・



すると空気が一変したのだ




「何で美味しくないの!」




と内代さんの激しい問いかけに


私は戸惑いそして考えた・・・




なぜ美味しくないのであろう・・・




この得体の知れないものは


何でできているのであろう・・・




どんなに考えても


答えは出てこないのだ・・・




そして私は少しずつ


自分の本心とは


違う対応をするようになっていったのです




「これ美味しいね」




とてもまずいものを


口にほうばりながら私はそう答えたのです




内代さんは私の急激な対応の変化に


一切、おかしいとも思わず




「ありがとう」



そう笑顔で答えたのだ




「やった内代さんの笑顔が見れた」


心の中で私は喜んだのだ




そして自然と私のテクニックは


進化していったのです





「こんな美味しいの生まれて初めて」




と口の中にあるものを


吐き出しそうになりながらも


そう答えた




内代さんは私の進化していく


お世辞にも一切おかしいとも思わず




「おかわりあるわよ」




そう笑顔でそう答えたのだ




なんとそのごちそうは


うまい料理でも食べきれないぐらい


作ってあったのだ




「やばい、やってしまった」




私は心の中で叫びました




私はもうこんな


ひどいごちそうには


触れたくもなかったのです




だが残念ながら私は男なのだ


もう引くわけには行かないのです




私は決死の覚悟をして




「おかわり!」



私はそう答えたのだ




僕はこんなにも


自分の意見とは違う


回答したことが


生まれて初めての経験だったのです




「天国と地獄どっち行きたいですか?」


と聞かれ




「地獄です!」


といっているようなものなのです




そして内代さんは得体の知れない


ごちそうを山盛り


私のお皿にのせたのです



私は覚悟を決めてそのごちそうを


死ぬ思いで食べたのです



もちろん


生まれて初めて美味しいものに


出会ったように




だがそれは


生まれて初めての


とてもまずいごちそうだったのだです




そうです


私はもう地獄にいたのです





私がなぜここまでするのかというと?




私は内代さんを


完全に愛してしまっていたのだ





そしてこの命懸けのお世辞により


内代さんは私を気に入ったか


どうかはわからないのですが




これにより


内代さんのとびきりの笑顔を


作ったことは言うまでもないことなのです




そして私は帰り道


極度の不安に襲われたのです




内代さんからの


次のごちそうの招待があったら


私はどう対応すれば良いのだろう!





あんな笑顔にしてしまったのだ


次またということは


安易に予想できる事だった




そして私は


今日やってきた


自分の行ないに恐怖しました




次の恐怖がまたやって来ないことを


祈るばかりなのです





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

命懸けのお世辞 まさや @masayaxmasayax

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ