エキストラ②「マノマノは止まらない」

 昨日見た夢の話をしよう。

 「更新しないと、PV伸びないのだ。企画を主宰している以上最低でも第一話が1000PVは達成しないと参加者に悪いんだ」っていう謎の声を夢の中で聞いた。なんか、「ほしがほしい。ほしがほしい』と、ダジャレともとれる呪いの声が聞こえてきたのも覚えている。いったいなんだったんだろう。


 さて俺は勇者だ。少しは俺のエピソードも話したいが今回もマノマノの話だ。

 

 マノマノと俺は今年になって始めて、薩摩一撃必殺人さつまちぇすとと同じクラスになったのである。真剣をクラスに持ち込む彼に対してそれを突っ込める鋼の者は誰もいないが、柔のものならここにいた。そうマノマノである。

 マノマノの何が柔かといわれればそのやわらかな笑顔とやわらかそうな肌質であろう。いや確認したことはないのだが…。


「ちょっと薩摩君、その剣は模造品なの?ちゃんと銃刀法クリアしてる?」

 彼は入学以来おそらく初めて、刀に対して指摘を受けたであろう。


「むむ、お主はマノマノ殿であられるな。お初にお目にかかる。拙者の刀はいわば私の分身のようなものでござる。誰に文句を言われる筋合いはござらぬよ。」

 ござるござるうるさいな、お前か、ハットリ君か、剣心くらいしかござるなんて言わないでござるよ。


「分身だろうが、なんだろうが、法律違反を見逃すわけにはいかないのよ。考えてみてよ、勇者がを外に披露したら、勇者はわいせつ物陳列罪で捕まってしまうわ!」

 そうだな確かに、俺は俺の分身を外に披露するわけにはいかない、もっとも披露しても問題ない位の大きさではあるのだがな、勇者だからな。


「なるほど一理あるでござるな。たしかに、分身ならばいいというものでもなさそうでござる。しかし拙者にもポリシーというものがあり、小娘に言われたくらいで引き下がるわけにはいかないでござる。」

 むむ、またポリシーを持ち出されたか。


「ホ、ポリシーなら仕方ないわね。でも私も、はいそうですかというわけにはいかないのよ。何せ私は、今週の週番だから!」

 週番の責任がそこまで偉大だったとは初耳だが、生き物係よりは理にかなってるな。つーか、週番は薩摩君に注意しなければいけないのなら、今後週番はマノマノにしかできないぞ。


「…ならば、決闘しかないでござるな。男の勝負らしく真剣での打ち合いということで異論はないでござろうな?」

 といった瞬間、薩摩の声のトーンが変わり、そして剣気というか殺気というかそういうものが彼の体中に満ちていくのがわかった。おいおい、あんた何を言ってるんだ、異論あるに決まってるだろうが、マノマノを殺す気か!


「も、もちろん受けてたつわ!」

 受けて立つのかよ。こいつ多分馬鹿なんだな。あれでもマノマノって確か…。

「よかろう!」

 そういって、薩摩は刀の切っ先をマノマノの顔面の目前に向けた。

 その瞬間!

「・・・・あぁあああ。」

 マノマノは、情けない声を出して、その場で倒れこんで失神してしまったのだ。

 

 そうマノマノはなのだ。


「あぁ、マノマノ殿、すまなかったでござるぅ。」

 そういって、薩摩は刀をしまいマノマノのもとに駆け寄った。


 その後薩摩は少し反省したのか、模造刀に変えたようだという噂を聞いたこともあるのだが、真実かどうかは誰にもわからない。

 それ以降俺は、マノマノの先端恐怖症克服の訓練につき合わされるのだが、もちろん訓練で治るわけもなく、いつもその場で倒れこんでしまうのだった。




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