働いたら死ぬ
桃山次郎
第1話 労働禁止法
社会人なら誰もが思っていること、それは、働きたくない、家に帰りたい、仕事やる気ない、という思いである。
そんな社会人の思いに応え、登場したのが、日本ニート党だった。国民の圧倒的支持を集めた日本ニート党は、選挙で大将。会社爆破法や、雨天中止法といった画期的な法案を次々に成立させた。
そして最終的に、成立させたのが、労働禁止法だった。労働を禁止するだけでは、サービス残業を誘発するだけなので、労働をしてしまうと、本人が即死するという厳しい法案とした。人々は人体に人工知能で完全に制御されたペースメーカーを必ず装備することが、当たり前の世界になっていたので、この仕様は簡単に実現できた。唯一残念だったのが、労働には、国会議員の仕事も含まれていたため、法案が成立した瞬間、さぼって虫取りをしていた37名を除き、残りの日本ニート党員は全員死亡した。
残念なことに、法案を改正しようにも、法案を改正すること事態が仕事とみなされ即死してしまうため、労働禁止法の廃案は絶対に不可能になってしまったのだ。
働いたら死ぬ 桃山次郎 @momojiro5200
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