魔王ゴーガの本懐

ピアニッシモレポート⑤ 「世界情勢」

 お久しぶりです、ピアニッシモレポート復活でーす。

 もしかするともしかすると、私のことを知らない方もいると思いますので、自己紹介しておくと、私はダークエルフで魔王ゴーガ様の最も近くで連絡役をやっていました。ダークエルフは同種族同士でテレパシーが行えるので、情報係としての地位を持っています。

 私は魔族の情報部の中でリーダーを務めさせてもらっていて、あらゆるダークエルフからの情報を管理してるのです。

 ところが、いろいろな都合で、一部の魔族とは内部分裂のようになってしまいまして連絡が取れなくなりました、副隊長のシトラスは一体何をしているでしょうか大変心配です。


 さて、もしかすると今までの事情を知らない方もいるかもしれないので、この世界について簡単に説明しておきます。

 この世界には5つの大きな国があります。

 

 世界の最北にある、我々魔族の国メンフィス。


 雪と氷に覆われた圧政の国コルド帝国。


 森林におおわれた魔法の国シュタント王国。


 火山とともに暮らす軍事力の国アサマ連邦。


 砂漠と石油の国デザス王国。


 そして科学技術の国で唯一の民主主義国シャフト。


 そのうち、世界大戦などを経て我々魔族は、民主主義国シャフトを選挙によって、魔族の息のかかったものを首相にすることに成功させ、コルド帝国の皇帝も魔族のサキュバスの力でわれわれの意のままです。

 さらに竜魔団長ヴォーグの力でアサマ連邦を屈服させ、なんとほとんどの国が魔族の味方となっているのです。

 

 これも偉大な魔王ゴーガ様の、な作戦の賜物と言えます。たった一年で、一気に世界のほとんどが魔族の手中に落ちたのです。やっぱゴーガ様はすごいですね、不満はとうとう私を抱いてくれなかったことだけです。

 

 ただ、ここ二ヶ月で一気に情勢が変わりました。

 

 魔法の国シュタントの勇者ハイネケンが、コルドにある魔族の要塞ファウストを占領すると、なんと彼の魔法の力でそこの魔族をすべて、勇者の味方へと変えたのです。

 さらに、ハイネケンは、デザス王国と同盟を結び、シュタント、デザスの連合軍をもって魔族の本国メンフィスを攻めてきたのです。

 

 しかもハイネケンに騙されてるファウストの魔族たちは、本来われわれの傘下にある攻める必要のないコルドを攻めだしたのです。

 

 ということで一転して私とゴーガ様を含むメンフィス本国の魔族たちは苦境に立たされました。

 そしてそういう戦況に目を取られてる間に、何と勇者ハイネケンはたった4人でこの魔族の城に乗り込んできたのです。いま、我々魔族の長たるゴーガ様の力は封じられています。

 そう、大ピンチなのです、私も、ゴーガ様も…。

 ゴーガ様は、私に逃げろと言いました。

 とてもそんな気にはなれません。

 しかし、最近まで側近として一緒にいた勇者オリオンはゴーガ様と私を置いて、一人で戦闘機とかって乗り物に乗って逃げてしまったのです。なんてひどいやつなんでしょう、最ももともと人間ですし、あんな奴を信用してた魔王様が悪いとも言えますが…。


 さて、もう今はもうどうにもならない状況ですが、先ほどどうも乗り込んできた勇者ハイネケンが逃げたという情報が入ってきました。どうやらゴーガ様は勇者を追い払うことに成功したようです。

 急いでゴーガ様のもとに向かわないと!


 というわけで復活のピアニッシモレポートを終わります。またお会いしましょう。


 



 



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