μチップ魔法使いとμチップ破壊医師

ЕСБの革命

女子高生体内チップ破壊医師誕生編

第1話 μチップ殺人ゲーム開始。

「なぁ、美佳。何でお前は首を失っているんだよ…。」


 この時、俺はμチップがこれだけ危険な代物だと感じざるを得なかった。

 俺が開発したパッチ型μチップは、35歳以下の女性のおでこに張って女性の神経等を変えて魔法少女にする夢のような製品だった。

 しかし、俺の妹である美佳みかが、ある事故で首を切断された状態で見つかり、身体の方は生命に異常がない恐ろしい状況になっている事に困惑した。


「美佳。何か言えよ。」


 俺は美佳が何も動かないと言いつつ彼女の身体は首を失って死んでいる筈なのに体温は凄く温かく死後硬直や腐敗すらしない身体になっていた事を…。

俺は知るようになった。

 そして、そのパッチ型μチップが若い女性だけを対象にした殺し合いゲームに発展する事を俺はまだ知る由もなかった。


*************


 ようやく、私は晴れて私立双須川露伊高校そうすがわろいこうこうに進学した。

 私の名前は戸塚藍那とつか あいな

 何処にでもいるごく普通の女子高生。


「おはよう。藍那。」


「おはよう。礼音あやね。」


 私は中学時代から同級生であった礼音と共に双須川露伊高校に進学し、これから始業式に入る準備をしていた。


「礼音。始業式を終えたら例のパーツ屋さんに行かない?」


「パーツ屋さんって、例の電子部品を販売している店か?」


「うん、当然そこから例の魔法少女になれるパッチが販売されているらしいよ。」


「あれか。レイスブック社から販売されている『マジカルガールパッチ』という商品でしょ。」


「そうそう。その商品なんだよ。今度、そこで『マジカルガールパッチ』を買いに行こうよ。」


「ありがとう。礼音。」


 彼女の名前は星川礼音ほしかわ あやね。中学からの同級生。

 彼女は最近。友達から例の魔法少女になれるμチップを埋め込むパッチが面白いと誘われたせいか、『マジカルガールパッチ』というICチップ製品に凄く興味を持っているみたい。

 私はそのICチップ製品を探す為に今度、上大岡駅からグリーンラインから磯子駅経由、宮濱・根岸線石川町駅近くにある電子部品屋さんに行く事を決意した。


***********


「藍那。結局、入学式の朝礼は凄くつまらなかったね。」


「そうだね。あれは所詮、校長の美談だけで話しているだけだから誰も聞いていないし、注目されない。だから、私はそんな事よりもプログラムの勉強をした方が便利だと思っているんだ。」


「藍那。あんたはプログラムに凄く興味があるんだ。」


「いや、私は別に電子構文プログラムの勉強を中学の時からやっていたからそれ位は普通かなって思っただけだよ…。」


「そうなんだ。」


 私の趣味は電子構文プログラムを使って電子部品を作成する事。

 女性としては凄く趣味が異なると言われるけど、私には弟である孝弘と小さいころから電子部品の勉強をしているから電子部品を動かす為に電子構文作成を日頃から行っている。

 それが私の友達、特に姉妹育ちの友達からはそれは奇異の目で見られているのは恐らく私みたいに電子部品製作はあまりやらない娘が多いからだと思う。

 故に、私は『マジカルガールパッチ』に興味を持ちつつもμチップがどんな機能を持っているのか非常に疑問視していた訳…。

 だからそのμチップパッチに興味を持ちながらもどういう性能なのか疑問視しながら買いたいと思っていた。


*********


 ―――入学式を終えて1週間が経ち…。


 今日は、例の電子部品を買う為に礼音と共に磯子駅で待ち合わせした。


「おはよう。藍那。」


「てへへ。おはよう。礼音。」


 私は彼女の前で笑顔を出しながらも『マジカルガールパッチ』がどんな製品なのか非常に気になっていた。

 何故なら、『マジカルガールパッチ』は女性だけに能力を得られるμチップらしく脳みそを書き換える事でその能力を生み出す事が出来る代物だとか…。

 私はそのパッチの現物を見せる事で、どういう商品なのか知りたかった。


「ねぇねぇ。これから石川町駅に行こう。」


「うん!?」


 私は礼音と共に例の電子部品屋に向かう事にした。


*********

 ―――それから宮濱・根岸線を使って石川町駅にたどり着き…、


「へぇ~。ここが例の電子部品屋なのか」


「藍那。ここは例のドヤ街の近くだから学校の女子は行っちゃいけないと先生が報告されているけど、この駅の近くにあるスターリンビルの3階に『マジカルガールパッチ』が販売されているんだ。」


「はぁ、礼音は電子機器の恐怖を知らないからこういうことが言えるんだよ。」


 別に『マジカルガールパッチ』を買う程度ならそこら辺にある家電量販店やPCショップでも販売されているので大した事はない。

 だが、礼音がわざわざここに来て、『マジカルガールパッチ』を買いたい理由が何故なのか私にはわからなかった。


「礼音。相須電子で何を買いたいのよ。」


「藍那。勿論、『マジカルガールパッチ』の一番、能力が高い奴を買いたいんだ。」


「成程。つまり、強い能力が欲しいが為にこんなドヤ街近くの電子部品屋へ足を運んだんだ。」


「そうだよ。藍那。」


 私もここに1人で訪れる事がある。

 勿論、ICチップ商品を買う為に…だ。

 けど、『マジカルガールパッチ』がどんな製品なのか私も試して見たいが為にパッチを買ってしまった。


**********


「藍那。一緒にこのパッチをおでこにペタンしようね。」


「あぁ。」


 私は礼音と共におでこにそのパッチをペタンとした。

 するとパッチの中に入ったμチップが私たちの脳みその入り込んだ為か、私はこれで魔法少女になれると思った。


「うん。私達はこれで魔法少女になったね。」


「あぁ、でも服装は全然変わっていないけどね。」


 私と礼音は『マジカルガールパッチ』に内蔵されているμチップが脳みそに入った事を確認し、スターリンビルを降りて宮濱・根岸線、石川町駅に戻った。

 だが、私たちはそのμチップを埋め込んだ影響で目の前で女性同士が魔法バトルする女子高生と女子大生がいた。


「これで私の勝利だ。」


「ごめん。私はこれでダメなんだ。」


 …どういう事なの…。

 今まで見えてなかった世界なのに突如見え始めた魔法少女同士の争い。

 私達はその様子を見て少し驚愕していた。

 そしてその女子大生は女子高生を完全に仕留める為に。


「これで終わりだ。水の世界アービーミーラヴォイ。」


「もう、駄目だよ。私の人生は終わったよ。」


 そして負けを知った女子高生は抵抗することなく、彼女はその女子大生にやれてしまった。

 すると…、負けた女子高生の頭と体が離れ離れになって彼女は息を途絶えてしまった。


「やばいよ。藍那…。」


「そうだね。礼音。」


 私と礼音はこの状況がヤバいと思い、小言で互いに状況を離しながらここから逃げる準備をしていた。


「ふ~ん。君達も私に殺されたいの~。」


「ちょっと。何で、私たちが殺されなきゃなあないの?」


「当然、君たちがμチップ魔法少女だからだよ。」


「そういう事か…。」


 私はこの状況で礼音と共に確実に首と身体が離れ離れになる覚悟をした。

 すると…。


「死の殺人ウメーレ ウビィツィ。」


 私を助けてくれた男の人がいた。


「貴様達。アイツの異常性を知っているのか?」


「私は知らないよ…。」


「私も…。」


 謎の青年が女子大生の異常性についてよくわからなかった事からその刑事から話を聞こうとした。

 けど、


「その前に2人には俺の魔術でμチップを破壊しないとな。」


 謎の青年は私達の頭を両手にそっと置き、私と礼音の頭に埋め込まれたμチップを破壊した。

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