無題


 あんたとは違うんだ。

 

 花の色が違うように、


 この星の反対側で見る空の色が違うように、


 僕が伝えようとする言葉が、あんたにとって蔑みのように見えるように、


 あんたとは違うんだ。


 夢を追えなくて毎晩眠れなくなったように、


 人の素晴らしさを知っていて同時に憎んでいるように、


 死にたくて死にたくて、それでも生きなきゃと思うように、


 あんたとは違うんだ。


 才能こそが素晴らしい世界を描きたいと思っているのように、


 絶望が渦巻いて光など望めない世界に生きているように、


 たった一つの幸せを無くさないように明日を見る世界を望むように、


 あんたとは違うんだ、けど。


 絶対に、あんたの見ている景色の方が綺麗なんだ。


 そう願ってるんだ。

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