偏見の投棄場

西木 草成

それ

 この目で見えるものはただ、虚しさがあるだけで。


 先行く不安に、ただただ何も言えなくて。


 前を見ろ、動かせよ足。


 今まで頑張った過去はそう言うが。あくまでそれは『過去』だった。


 もう無理だと言って、ほっといてくれよと叫んで。


 それでも引き摺らなくてはならない、この重みは一体なんなんだろう。


 それでも周りの人は優しくて。


 どうか見捨てて、夢も、希望も、未来も


 だが引き摺らなくてはならない『それ』を。


 これは終わらせることのできなかった、バカ達の作る道だ。

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