第39話 ハーネイトVS南雲&風魔



ハーネイトと伯爵は、恐れず突撃を仕掛けてくる忍たちを見てこう言い放った。


「勇猛果敢なのは大切だけど。敵の能力を図ることも重要だ。手始めにこれに耐えてみるといい。創金術・創金壁(イジェネートリフレクトラ)! 」


「戦場でなあ!無闇に突っ込むのは阿呆のやることだ!」


 ハーネイトは地面に手を置き、大地に力を送り込む。すると走って向かってくる忍たちの前方に巨大な金属の壁が出現し行く手を阻んだ。


「ぬおっ、いきなり巨大な壁が」


「それでは、行くとするか。はあっ! 」


 ハーネイトは作った壁の上まで素早く駆け上るとノータイムでさらに技を仕掛けた。それに続き伯爵も飛び上がり、電撃を帯びた菌剣を無数に飛ばす。


「創金の理はあらゆる運命を切り開く。イメージは「降り注ぐ雨」、解き放て、剣雨(ブレイドレイン)! 」


 飛翔しながらそう彼が叫ぶと、その上空から二人が放った無数の刀剣がまるで豪雨(スコール)のように忍たちに降り注ぐ。


「ぐあぁ! 」


「きゃっ! 」


「体が、しびれる……っ!」


 先行していた忍たちは、二人の攻撃を受け次々とその場に倒れこんでしまった。ハーネイトも伯爵も、飛ばした物体に追加効果を付与していた。かすり傷でも動きを止められるようにし、また手加減もある程度はしていた。


「安心するといい、全員かすり傷程度だ」


「俺様のも大分加減しているぜ。感謝するんだな」


 ハーネイトは後方で動きが止まっている忍たちに対しそう説明を付け足しながら、地面に着地すると彼らの姿を目で捉える。


「これからだ」


「今度はこれよ! 」


 突っ走った忍を見て、我先にハーネイトのもとに詰め寄ろうとする忍たち。彼らは体の一部を武器に変身させ、逃げ場のないように数十人が包囲しながら迫る。


「これは同じ能力か。こうもイジェネーターがいるとは驚嘆を禁じ得ないな。だが試験は試験だ。翻ろ、紅蓮葬送!」


 ハーネイトは首元から赤いマント、紅蓮葬送を旗がはためくように展開した。そのマントから放たれる波動が、古代人の血を引く忍者たちに一種の恐怖を与える。それは根源的な、支配という恐怖であった。


 するとハーネイトは自身を守るように操作しながら覆い、忍たちが襲い掛かるタイミングを見計らって無数の棘が勢いよくマントから形成された。


「ぐあっ!強いっ……! 」


「ってえ!!!なんて反撃だ、ぬかったっ! 」


 無数の棘の直撃を受け吹き飛ばされる忍たち。ここまでで全体の4分の3が脱落した。そして残りの忍もハーネイトらと白兵戦を行っていた。一方の伯爵も十数人を相手に軽々と雷の双剣でいなしつつ、忍たちを感電させる。


「とくと味わえ、菌電光剣(サルモネラスパークセイバー!)これはこれで悪くねえな」


「はああああっ、弧月流・月天反翔! 」


「がっは、くっ、桁違い、だ。うぐっ……」


「これが、伝説の剣士に育てられた男……っ」


 2人の鮮やかかつ強力な一撃に忍らがまた1人、1人倒される。いくら試験だからと、2人は容赦しない。強くなければこの先の戦いに生き残ることは難しい。今回は戦力として頭数に入れられる人材を雇いたい、だからこそ剣を華麗に奮い忍たちに試練を与え続ける。


 そうして残ったのは、結局南雲と風魔の2人だけであった。


「どうした、試験を放棄するつもりかい?」


「おらおらどうした!びびってるのか?」


 2人が南雲と風魔に軽く挑発をかける。無闇に突撃を仕掛けてこなかったことは二人とも評価していたが、それだけではだめだという。


「残りももういないか。や、やるしかないな」


 南雲はハーネイトと伯爵を力強く見て覚悟を決めた。勝てるかどうかわからないが、それでも挑まないといけない。そう考え武器を構えるのであった。


「ここが、正念場。夢を、私は叶えるの……っ!」


 わずかな静粛が試験会場である広場を満たしていた。しかしハーネイトは気を抜くことなく、刀の握り方を変え、あらゆる方向から対応できるように構えている。


「無幻一刀流」彼が独自に考案し、流派の一つとして編み出した我流剣術の構えである。


 彼自身、幼少期に伝説の剣豪である大牙流の一殺大牙と、花札流の紅月茜の元で2人の流派を習得。更に執事であり、元剣豪のミロク・ソウイチロウにより伝説を編み出した「弧月流」も習得している。しかし魔獣や魔人との戦いの中で、既存の剣術が通用しない場面が時々あった。そこで彼はより実戦的な、型に大きく捉われない剣術を考えた。


 その構えをするという意味は、つまり彼も本気であるということである。


「こうなったら、全力ぶつけるしかないな!はっ!」


 南雲はハーネイトの、独特な剣の構えに違和感を覚えながら、それでもいきなり駆けだし、ハーネイトにぶち当たる勢いで体を無数の手裏剣に変えて襲いかかる。


「南雲は他の忍よりもイジェネートが得意のようだな。はああっ!」


 ハーネイトは片手で刀を棒術のように鮮やかに振り、南雲が変身した手裏剣を叩き落としながら少し後退する。次の攻撃に対して反応が遅れるのを防ぐのと、死角を少しでも少なくするためである。


「かかったわ!」


 南雲の手裏剣に紛れ、風魔が気配を消しながら手裏剣の嵐の中から鎖つき円盤刃をハーネイトに勢いよく飛ばし首元を狙う。


「そうきたか。だがっ、……がはっ!なんだ、これは…! 」


 ハーネイトは手裏剣の攻撃をよけた。しかしそれも囮でありハーネイトは続く攻撃を完全にかわすことができなかったのであった。そう、風魔は相手がよけるのを計算に入れ、腕を創金術(イジェネート)により金属で覆いつつ、細長く伸びる銀色の剣をハーネイトに対し打ち込んだのである。


 直撃は避けられたものの、首に傷を負ったハーネイトはすぐに後方へ魔法でワープした。


「それは、白銀剣。イジェネーターの中でも鍛錬に鍛錬を重ねて習得できる剣の形。風魔、お前は」


「ええ、そうよ。私はあなたを初めて見たその時から、毎日鍛錬を欠かさず今まで努力してきたのですよ。どうですハーネイト様、私の剣の切れ味は」


 ハーネイトはかすかにダメージを受けた首元に手を当て、能力で傷を癒しながら目の前にいるこの風魔のことを思い出したのであった。


「そうか、お前はあの時の。はは、あの幼かった少女がここまで立派な戦士に育つとはな」


「あのときのこと、覚えていたのですか?」


「まあ、な。綺麗な髪と凛とした表情、今でもそこは変わらないのだな」


 彼はかつて魔獣退治の中で助けた、幼い少女のころの風魔と今の風魔を重ねながら彼女に対しそう言ったのである。


「えへ、えへへ。ハーネイト様が私のことを。もっと、私の力見てくれますか?」


 彼女がそう言うと、一目散にハーネイトの懐に入り込み右腕の銀剣で彼の胴体を切ろうと何回も腕を振るう。


「くっ、なんて速さだ。動きもしなやかで捉えづらい。剣術勝負ならまだしも、こういった人同士の戦いは少し苦手だ。それに、なぜ今ので傷を……っ!」


 ハーネイトはその攻撃を見切り体の軸をずらしながら、自身も左腕を数種の合金で纏い盾を作り出し、風魔を薙ぎ払うように吹き飛ばす。


 彼は珍しくやや動揺していた。彼自身、多くの戦いで傷を負ったことなど、伯爵と古代人を相手した時ぐらいしかなく、何故首に傷を受けたのか、そして確実に防御はしていたはずだと思いわずかに動きが鈍る。


「いいですね、いいですね!さあ、私のことをもっと見てください!」


「まずい、藍之進の言っていたことはこれか。早急に蹴りをつけないと試験どころじゃない」


 ハーネイトは自身の疲労のことも考慮し、風魔との戦いに決着をつけようと考えた。それは試験を行う前に藍之進から話を聞いた内容とも関連があった。


「彼女は、あまりにそなただけを見ている。抑えていた感情が爆発するかもしれん。想いと言う力は、予想以上の力を生み出す」


 藍之進の言葉を念頭に置き、ハーネイトは手元から数本の鎖を風魔に向けて射出する。


「捕らえろ、天鎖陣」


「遅いですよ!」


 しかしその一撃を風魔は軽くかわす。しかしそれこそがハーネイトの狙いであった。かわされた鎖は地面に突き刺さり、それを利用し鎖を分解して体内に取り込みつつ体を引き寄せられるように高速で移動し風魔の眼前に迫ると彼女を押し倒した。


「わっ、このままではまずいわっ! 」


 彼に勢い良く地面に押し倒され、風魔は突然の出来事に目を丸くする。更にハーネイトは彼女の目を見ながらいつも見せない素敵な微笑みを見せた。


「どうだ、風魔よ。私だって、このくらいなら!っ」


「も、もう!ハーネイト様の意地悪、きゅう……私の、負けね。そんな手を使うなんて……」


 ハーネイトの顔を見た風魔は興奮し、顔を赤くしながらあっけなく気絶したのである。森の中での出来事を思い出し、確実に動きを止めるにはそうするしかなかったとの彼の判断は見事に当たり、風魔を傷つけることなく戦闘不能にしたのであった。


 彼もこのような手を使ったことに、自身でも驚いていた。敢えて剣術ではなく、こうして彼女を魅了から気絶に誘ったのか。それは彼が風魔に対して、少しばかり情を抱いていたからかもしれない。


 何よりも風魔は、彼の話を真剣なまなざしで聞き続け、純粋な尊敬の念を伝えていた。また、迷霧の森での戦いを見て腕は立つなと感じていたため、最初から候補として頭に入れていたのであった。


「それは!風魔が気絶するようなことするなんて、ハーネイト殿も色仕掛けを使うとは意外でござるな。異性が苦手だと聞いていたのですが」


 気絶した風魔を優しく抱きかかえ、離れた場所に彼女を寝かせたハーネイトを南雲は見て抗議するようにそういった。


「……もし彼女が本気を出せば、南雲のテストどころじゃなさそうだったので。それと色仕掛けって……私も、正直怖かったんですけど」


「あいつの弱点を突くとは。風魔の分まで、ってどういうことですか?今の行動は無理やり恐怖を抑え込んでいたのか。流石ですな! 」


 南雲はハーネイトの発言に疑問に思う点を指摘する。


「一応リルパスを倒すだけの実力はあるし、彼女は先に合格と言うわけだ。すまないね。さあ、藍之進の言っていた実力を見せてくれ!」


「風魔だけずるい、俺は4体まとめて倒したんですぞ。しかし、大丈夫ですかい」

「え、ああ。少し吐きそうだけど……」

「予想より重症ですな。しかし、戦場では情けが通用しない時もありますぞ!ハーネイト殿、いけますな?」


南雲はハーネイトの先ほどの行動と言動に違和感を覚えていた。しかし風の噂でそう言う人物だとはある程度把握していたため、それはひとまず置くことにした。


「……よく分からないが、まあ、正直言うと本当はみんなを連れていきたいぐらいだ。人手が足りないのは事実でね。何より南雲も風魔も、強い。すぐに連れていきたいのだが、もう少し力を見せてくれ、南雲。大丈夫、やれるよ」


「……そうっすか。……わかりましたハーネイト殿。某の全力、見て頂きますよ!」


 ハーネイトの発言に対し、南雲は全力を出そうと手で印を組み、掌を地面につける。すると自身の影が掌が地面を這うように伸びて、ハーネイトの足元に絡み付く。


「闇魔法か、面白い。忍たちも魔法を行使できるのか」


「そうですよ、こっちも伊達に修業はしていないっす!」


 足元に絡み付く影のせいで身動きが取れないハーネイト。目の前には覚悟を決めて、自身の体の一部を無数の手裏剣に変化させながら猛烈に迫る南雲。このままでは手裏剣の嵐に巻き込まれてしまうだろう。


 改めて、南雲や忍全体の評価を頭の中でするハーネイトであった。そして捕らわれている地面を少し見る。


「イジェネートと魔法、拘束系。戦うだけならばセンスは合格点だ。しかし影を操るなら……こうだ。解き放て、黄の魔閃!」


 ハーネイトは、南雲が目の前に来るタイミングで、瞬時に掌から魔閃を地面に向け飛ばし、地面を破壊することで影の拘束を振り払い身を屈めて構える。


「し、しまった。地面が崩れて影縛りが解かれた」


「これで終わりだ!無幻一刀流・伊三凪」


 ハーネイトは刀に風をまとわせてから、野球のバットをフルスイングする要領で、南雲を体を凪払うように吹き飛ばす。


「うおっっっ!防ぎきれねえ!」


 南雲は剣風に呑まれ、里の門の柱に背中からぶつかる。そして激痛に耐えながら南雲はまだ立ち上がる。自身よりも強い存在を目の前にして、南雲はこの勝負を負けられないと意識した。引けば負ける、負ければ望む未来はない。その意志だけが彼の体を強引に操る。


「ぐおっ、ま、まだ戦えるぜ」


 フラフラになりながらも立ち上がった南雲は、そのままハーネイトに向かって、勢いよく走りだし、印を結びながらハーネイトに迫る。


「くらえ!創金忍法!武甲怒涛(ぶこうどとう)」


 南雲はすぐに右腕を突き出す。すると無数の刀や槍、鎖鎌などが右腕から生えて、そのすべてが土石流のようにハーネイトを飲み込むかのように襲いかかる。


「能力を全開放する気か。面白い、実に興味深い。任務に同行させるには十分だ。だがこちらもだ! 」


 ハーネイトは紅蓮葬送を繰り出し、前面を守るように展開すると南雲の怒涛の攻撃を受け止める。


「ぐっ、何て力だ。だがこっちにもとっておきがある。はっ!魔法使いが使う禁断の魔法、その身で体験しろ! 」


 ハーネイトは、南雲の攻撃をしっかりと受け止めたあと、紅蓮葬送を操り変形させ、手のようにして南雲を掴む。そして垂直に高くジャンプしたあと南雲を空中に放り出す。


「虹は渡る 世界を越えて。その一筋の希望を絶望に、虹の裁きがすべて無に虚すだろう!大魔法が13の号・極光一宇(きょっこういちう)」


 ハーネイトがタイミングよく詠唱し、13番目の大魔法「極光一宇」を放つ。それは空から一直線に、目標を狙う極大のオーロラビームである。その直撃を食らい南雲は、地面にたたきつけられた衝撃で気を失う。更にそのオーロラを束ねた一撃は地面を大きく吹き飛ばした。


「っ……、これが、魔導皇子(まどうこうし)と称される英雄の力か、っ」


「勝負あったな。しかし厄介な連中だ。リシェルの言うことがよくわかったよもう」


「みてえだな、しかし、人間にしてはよくやる。この際全員面倒見たらどうだ? 」


 伯爵は、あまり出番がなく心なしかつまらなさそうにハーネイトにそう提案した。忍たちのほとんどはハーネイトの方に向かっていったため、伯爵は思ったような戦いにはならなかった。


 その理由は、彼自身が放つ異様な雰囲気、それも死を常に纏ったような、見ているだけで恐怖で足をすくませる気に、忍たちは無意識に危機感を感じ取ったのではないかと見てとれた。それはハーネイトの紅蓮葬送と同じ波動であり、どうも伯爵も、ハーネイトに埋め込まれている力と同じものを宿しているようである。


「そうしたいのはやまやまなのだが、こちらにも事情がある」


 伯爵の提案に、いきなり大勢の面倒は見てられないとめんどくさそうな顔をする彼。一応これで30名以上の教え子を一流の魔法使いに育て上げたとはいえ、元々1人で仕事をしていた時期が長いのと、自身のそばに置いておく人材の数はある程度制限しておかないと、計画より早く敵に感づかれる可能性があったので伯爵にそう説明した。


 最も、敵幹部を生け捕りにしている時点で向こうも警戒を強めるだろうとは思っていたため、ある程度見計らってからこちらに意識が向くように仕向ける算段ではあったというものの、今はその時期ではない、ハーネイトはそう考えこのような試験を行ったのであった。


「へいへい、俺ゃ大将の指示に従うまでだぜ」


「それにしても、2人とも器用に戦うわね。しかしハーネイトえげつない。本当にえげつない。13号をぶち込むとか鬼ですかあなたは。でも、みんな気を失っているけど大きな怪我はなさそうね」


「あくまで試験、だからなリリー。91番で治そう」


 そしてリリーが、あれだけ激しく戦った割に、忍たちのけがが軽いことに気付く。それでも忍たちは痛みでその場から立ち上がることができなかった。始終試験を見ていた藍之進は、心配そうに生徒たちを見ながら、ハーネイトの元に近寄り話しかける。


「ハーネイト、それにサルモネラとやら。やはりそなたらの力は破格です、な」


「お宅の生徒さんたちもなかなかですよ。鍛え上げれば輝くでしょう、きっと。平時なら、全員面倒見ている余裕もあったかもしれませんね。創金術士(イジェネーター)が多いのには驚きです」


 彼は藍之進に、武器に変身できる能力者のことを評価していた。古代人の力の特性を生かして戦う、その強みはとても大きい。それを彼は感じていた。


「それは、この地域に生まれたものの多くが身に付ける能力だ。しかしハーネイト殿も同じ力を使えるのですな?しかもマントに剣術、相当工夫と苦労を重ねてきたのであろうな。それと、その赤いマント。既に半覚醒か」


「ええ、結構苦労しました。最初は慣れなくて。ひたすら反復練習と、瞑想をして徐々に鍛えました。って、?」


「そうかそうか、古代にかつて栄えた、バガルタ人の血を継ぐものだけが会得できる力と、古文書には書かれていたが、知っておるか」


「少しは、はい。創金術が一部の存在にしか使えないのは知っています。その中でも、古代人の力が強いほどあの血の怪物にも対抗できるのも知っています。血による終焉をもたらす者、ブラッディフィエンダー、敵はそう名乗っていましたが」


 彼は伯爵が切り出したイジェネートの話をまとめ、自身にも、そしてこの忍たちにも遺伝子が受け継がれているのだなと認識した。


「ハーネイトよ、その赤きマントの力は例の資料にあった、旧世界の支配者の力によるものかもしれないぞ。紅き龍の力、かもしれん。一応念頭に入れて、使うのだ」


「はあ……そうなのですか。いつの間にか使えて便利だったので。わ、分かりました!」


「フフ、しかし派手にやりましたな。さて、私の生徒の中で気になる者はいましたか? 」


「やはり南雲と風魔が抜きん出ていますね。慎重かつ大胆、そして特に南雲のイジェネート能力は強大だ。その前にあなたからの話を聞いて、風魔は既に確定していたのだが。というか私絡みでそんな事件を起こすとか本当に、困った人たちです。でも彼女の夢が叶うならこの際構わない。まずこの2人を連れていきたい。お互い相性もよさそうだし。ではよろしくお願いしますね」


「そうですか、わかりました」


 ハーネイトは風魔と南雲を連れていくと改めて藍之進にそう伝え、彼はほっと胸を撫でおろした。二人とも実力はあれど問題児であったため心配していた藍之進は改めてハーネイトに対し感謝の言葉を申し上げた。そして風魔についての話を再度切り出した。

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