381日目 王城侵入までのひととき・・・


 チューリに魔法を見せて遊んでいたメルトは何かが近づいてくる気配を感じ・・・・チューリに何も言わず静かに気配のする方向に睨みを入れると。

その方向から矢のようなモノが飛び出してきており・・・メルトはその矢に吹き飛ばされ倒れると矢を打って来ていた方向からネクロマンスによって生み出されたモノがぎこちない動きで近づいてきた。



「グゲゲゲゲゲ・・・・・グエゲゲ??」

「・・・・・・・・・・・・・」

「きゃっきゃ!!メルトお姉ちゃん??あれ・・・メルトお姉ちゃん??どうしたの??どうして寝転がってるの??ねぇねぇ・・・・」

チューリがメルトの異変に気が付き付か寄るとメルトの肩には深々と矢が突き刺さっており。

チューリはその矢を引き抜こうと触ろうとした時、メルトは意識を取り戻して触らないよう注意した。



「ダメよ・・・ぐッ・・・コレにはちょっとヤバめな呪いがかけられてるわ。

それよりもチューリは一刻も早くここから逃げなさい!!!

ハイネのいるところじゃなくてもっと遠くへ!!!」

「グゲゲゲゲ・・・グゲゲゲゲゲゲ・・・・」

「こっちに来るなぁ!!!メルトお姉ちゃんは私がまもるから!!!

だからメルトお姉ちゃんは心配しなくていいよ・・・さぁついてこられるのなら来てみろォ~~」

チューリは力の入らないメルトを助けるべく自分を囮にボウガンを持つ化け物に石を投げつけて注意を惹くとメルトはまず矢の呪いを解くところからと呪文を唱え始めた。



「グゲゲゲ・・・・グゲゲゲゲゲ・・・・ゲゲゲゲゲァ!!!」

「そっちじゃないよ~だ!!!これでもくらえッ!!!エイッ!!!」

チューリは柱の違う方に向かって化け物をうまく誘導し崩れかかった柱で叩き潰すとどうなったかと近づいて様子を窺ったところを捕まってしまった。



「グゲゲゲゲ・・・・・ゲゲゲゲァ・・・・」

「やだやだ!!!はなしてぇ!!!メルトお姉ちゃん助けてェ。」

「よく時間を稼いでくれたわねチューリ・・・矢は不意で喰らったけど呪いも何もかもを解除できる私は無敵だから安心なさいな!!!

さぁそのきったない手を離して下がりなさい。

さもないと・・・・フッ・・・だからそんな矢は意味がないって言ってるでしょ??

それに・・・絶対に仕留める呪いが込められたとしても私の力なら相殺できるよのねぇ・・・はいバイバイお疲れ様。

で、どうすんの??まだやるかしら?」

メルトは不意打ちで仕留めきれなかった化け物に少しずつ詰め寄り・・・化け物はチューリの手を離し矢を打つのではなくボウガンで殴りかかっていたが。

唯一の長所である遠距離攻撃を捨てたことにより化け物はメルトの魔法によって木っ端微塵に吹き飛ばされていた。



「チューリ・・・大丈夫かしら??ケガはない??

外に連れ出しといて昼間だから危険はないと思ってたけどとんだ勘違いだったわね。

この国からある程度の距離には数体のあの化け物が配置されてて・・・外に逃げようとするものを撃ち殺すらしいわ。

だからココはもはや安全な所は中しかないのだからすぐに戻るわよ。」

「うん、メルトお姉ちゃんけがは大丈夫??血が出てるけど痛くない??」

チューリはうんうんと答えながらもメルトの肩の傷の心配をしており自分の肩の傷は自分で治癒させたと見せて安心させてチューリを背におぶってメルトは宿屋へと駆け足で帰った。



「どっせぇ~~~い!!!ふぅ・・・ここは何とか安全のようね・・・・

チューリはハイネの近くにいなさい。

――――――――――いいわね??」

「えっと・・・扉を吹っ飛ばしてダイレクトおかえりなさいをしたところで理由を聞かせてもらえるかなぁ??

チューリちゃんはともかくメルトの息が上がっているって事は敵かな??」

ハイネは倒れた扉を形だけ戻しチューリの頭を撫でながらメルトに何があったのかを聞くと・・・メルトは先ほどまでしていたこととこの国の外に出ようとすると化け物による死の攻撃を撃ち込まれると伝えると国の外へ逃げ出すこともできなくなったとボソッと呟くも死んでいないメルトにどうして生きているのかと冗談交じりに問うと・・・・



「私を誰だと思ってんの??私はスーパー偉大な魔導士メルト様よ??

あんなちんけな死の魔法じゃ私の命は奪えないわよ。

私には保健があるし・・・とかそんな事よりもハイネは準備は終わったの??」

「静かだったから筆の乗りが良くて予定よりもたくさんできたよ。

これをチューリちゃんとメルトにも渡しておくね。

これは・・・私特製のお守りでいざという時に役にたつからしっかりと持ってて。

これで準備は整ったわけだけど時間があるし少し早い夕食を食べてからお風呂に入ろっか!!!」

「わ~い!!ゴハンゴハン!!!それに私2人と一緒のお風呂大好きぃ~~」

ハイネ司祭は無垢なチューリの笑顔を見ていたがその奥底では妙な事を考えているのではとメルトは考えており・・・犯罪的な事が起こる前にメルトはチューリに妙なことは絶対にしないようにと注意をするとハイネ司祭は動揺するかのような笑みと目線を外して答え・・・コレは自分がチューリを守らなければと意志を固くし3人は夕食を終えると外にいてもいいことはあまりないと宿に戻り寛いでいると・・・・



「さぁチューリちゃん!私たちと楽しい楽しいオフロタイムだよ!!!」

「わ~い!!オフロに入るぅ~」

「ちょっと待って・・・この状況だと2人はマズイから私も入るわ。

それに何かあると私も疑われそうだからとっとと入って休むわよ。

王城侵入まで時間はあまりないんだから。」

メルトはハイネ司祭とチューリだけにすると何かマズいことになりかねないと脳裏に悪いイメージが数種類思い浮かび・・・3人で仲良く入浴しハイネ司祭は少し不満だったような顔をして髪の毛を乾かしつつチューリの髪もタオルでワシャワシャと水気を取っていた。



「あははははハイネお姉ちゃんくすぐったい~~~」

「それじゃこっちはどうかなぁ~~ゴシゴシ~~~」

「ハイハイ2人ともそろそろ休むわよ。

シャルルの予定時間まであんまりないし・・・私の魔力も補充しておかないとだから・・・先に寝るわね。」

メルトは昼間の呪いを解いたことにより魔力を少し使い過ぎたと言う事から先に眠りにつきハイネ司祭はチューリにメルトを起こさないよう自分たちも仮眠を取ろうと言ってメルトの側でタオルケットをかけて眠りについた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る