365日目 朝の異臭騒ぎ
冒険家やハンターたちに囲まれたハルトたちはギルドの報酬受け取り窓口に移動させられ。
そこで今回のダイオウリクガメ討伐による報酬を受け取ると。
想像よりも多くの報酬がもらえ・・・1人につき2億近くの大金が入ったのだが。
メルトの借金が残り少なくなったとしてもシュゴビーを飲んだペナルティとして教会へのアルバイトに行くことに変わりはなく。
契約書に反応が出たことによってジャージーはメルトの背後に立ち方を掴んでいた。
「ダイオウリクガメ討伐お疲れ様ですぅ。
報酬もたんまりと手に入ったからと言っても私たちとの契約は無効になっていないので契約に従いメルトさんは私たちハイネ教会でのアルバイト生活になります。
ということでメルトさんを数日間お預かりしますね~」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!!
ダイオウリクガメを討伐したのは私たちなんだから少しは恩とかそう言うのは感じないわけ??
だからその・・・えぇっと・・・アルバイト期間が短くとかシュゴビーが呑める制度とか優遇プランはないのかって事よ!!!」
「メルト、今までお疲れさまでした・・・・あちらに言っても元気でいてくださいね。」
「本当にこれから寂しくなるなぁ~~~うんうん。
それじゃ・・・・お疲れ・・・バイバイ。」
「2人とももう少し悲しむとか惜しんでやってもバチは当たらないと思うのだが・・・・ともあれメルトは最後までよくやってくれた。
後の事は我々に任せて教会での生活を満喫すると良いぞ。」
「えっと・・・がんば?」
ジャージーにズルズルと引きずられていくメルトにハルトたちは引き留める素振りを見せずに見送り。
ハルトたちは疲れ切った体を癒すために各自の家に戻って一晩が明け・・・・
その早朝、ハルトは何とか日々の生活に支障の出ない状態にまで回復しており。
リハビリと言って朝食を作りに台所へ向かうと先に誰かが調理をしている様であった。
「ん?この匂い・・・まさかッ!?
ま、魔王!!!やっぱり魔王が原因か・・・・この匂いは大変なニオイだと気づいてないのか??」
「そ、そんなにいい香りだったか??
フム・・・少し手を加えるだけで美味しさが何倍も上がると言う噂は真実であったか。」
言葉を変に改変している魔王にぐだぐだと語ることを止めたハルトはフライパンの中にある料理をのぞき込むと。
その中はこの世のモノとは思えないブラックホールのようなモノになっておりキルりんも異臭だと言って寝間着姿のまま飛び出してきていた。
「ハルト大変です!!!外部からの毒ん攻撃ですよ!!!
私は今まで色々と毒の香りを嗅いできましたがここまで異常なニオイは嗅いだことがありません!!!
メルトが教会に収納されてから次の日にコレとは大丈夫なのでしょうか!?
ん??クンクン・・・・うぇ・・・まさか・・・この香りの元凶ってこれですか??」
「私の気を利かして作った料理は毒物ではない!!!
これは魔族流のフルコースの・・・そう!!めいんでっしゅというものだ!!!
さぁ大きな口で召し上がるがいい!!!こら、ちょっと待つのだハルト!!!
私の渾身の料理を食べずしてどこへ行こうと言うのだ!?
ぬぁ!?キルりんも窓をぶち破って逃げるんじゃな~~い!!!」
魔王の料理からどうすれば逃げられるのかと考えたハルトたちは魔王との会話を振り切って逃げることが一番だと言う事からすぐさま家を飛び出し。
ひとまず迷惑を承知でせっちゃんの家に逃げ込むことにしたハルトたちはせっちゃんの泊っている宿に辿り着き部屋をノックすると・・・・
「いらっさぁ~~~い・・・・ふへぇ・・・・」
「うおぉ!?どうしたんだせっちゃん!俺よりもフラフラじゃねぇか。」
「ですね・・・せっちゃんがフラフラなのは数える程度しかありませんからきっとお腹が減ったとかその辺りでしょう。
で、中に入ってもいいですか??私たちも少し危ないサキュバスから逃げている途中なんですよ。」
キルりんの言葉に耳を傾けたせっちゃんはハルトに支えられながら部屋の中へ招くと。
床にドダンッと倒れ込み・・・ハルトは仕方ないと台所へ向かいその場にある食材で軽い食事を作った。
「えっと、せっちゃんの家に合ったものを適当に使わせてもらったが。
請求はまた後で俺たちの所に回してくれ。
あと・・・目玉焼きとか作ったんだが食べられるか??」
「食べる事なら大丈夫。
この匂いを嗅いだだけで元気が出てくる。
それじゃいっただっきまぁ~す!!!
――――――――あ・・・・あはは・・・ごめんなさい・・・・」
「いえ、ここはせっちゃんの家ですので元気に食べるのは結構なのですが。
いつもとは違うリアクションに少し驚いただけです。
では私たちも食事をいただきましょうか。
にしても朝から魔王の異臭騒動とは何なのですか・・・・罰ゲームか何かでしょうかね??」
キルりんの口から魔王の件が出るとせっちゃんはここへ逃げ込んできた理由を魔王の案件だと悟り・・・脳をフル回転させて答えを導き出した。
「モシャモシャモシャ・・・きっと魔王さんはハルトたちが疲れている事を知ってて自分なりの料理を振舞おうとしたんじゃないかな。」
「ん~ですがねせっちゃん・・・あの魔王の異臭料理を見て嗅げばちょっとは逃げて来た理由は分かると思いますよ。
何せアレはすさまじい破壊力を持った異臭でした。
腐った何かとゾンビを混ぜて作ったかのようなニオイでしたよね。」
「あぁ・・・アレは発酵食品ではないな。
腐敗食品だった・・・・間違いなく食べたら体内から溶ける。」
2人は顔を青ざめながら目の前の料理を食べているとせっちゃんは勢いよくおかわりと言い出し・・・ハルトはせっちゃんの要望を叶えるべくおかわりを作り振舞うと・・・・
「はいよ、お待ち・・・せっちゃんってすごい豪快な食いっぷりだよな。
―――――――――――見ていてこっちも気持ちいいくらいだ。」
「そ、そうかな??私・・・食べることが昔から好きで・・・・
それにハルトの作った料理がとても美味しくて・・・・こんな美味しい料理が毎日食べられるなんてキルりんたちは本当に羨ましい。」
「そうですか??このハルトでよければいつでも貸しますよ。
あげることはできませんが時々こうやって朝食なりなんなり作ってもらうといいですよ。
それにせっちゃんもそこそこに料理ができるのですから今回みたいに倒れるてたのは何かほかに理由があったのですか??」
お腹が空いて倒れていたせっちゃんに対し他の理由があったのではと問うと。
せっちゃんは恥ずかしそうにしながら疲れて料理が面倒だったと答え。
昨日の戦闘が激し過ぎたための結果だと納得し・・・追加のおかわりは必要かとハルトは再度せっちゃんに尋ねていた。
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