315日目 メルトの異名の恐ろしさ


 メルトを引きずりながら移動し・・・・冒険者やハンターたちが互いに協力してスノーマンを倒している中、やや大き目のスノーマンがハルトたちに気が付き攻撃を仕掛けてくるも・・・魔王たちの斬撃に直ちに雪へと変えられてしまい。

それを自分の手柄のようにゲラゲラとメルトは笑っていた―――――――



「お前もちっとは働けよ!!!

さもないとその氷の塊をブ砕いてかき氷にして食っちまうぞ!?」

「な、何よかき氷って!!

それにこれは私の何だから取らないでよ!!

でも、あんなザコを相手に私の魔法を使うまでもないでしょ??

だって魔王たち2人で事足りてる風じゃない。

だから私は今すぐにでも戻ってシュゴビーでいっぱい・・・・」

「ダメですよ!!今帰ると楽しみにしてた報酬を全部私たちだけでわけわけしちゃいますからね~~いいんですかねぇ~~氷1つ持って帰って喜んでも?

ここは最後まで一緒に行動し手伝いつつ報酬の山分け金額を上げておいた方がいいと思うのですが・・・・私の考えは間違っていたのですかねぇ~~チラリ。」

キルりんの挑発するような言葉にメルトは氷が解けないよう魔法でコーティングし目の前で冒険家たちが戦っているスノーマンに対し魔法で粉砕すると、その冒険者とハンターたちが文句を言いにやってきた。



「やっば・・・ちょっとやりすぎちゃった??これってボコられるヤツじゃない!?ボコは嫌よボコは!!!」

「お前、人が戦っている最中に横取りするヤツがあるかぁぁ!!

いやぁ・・・これはどうもスイマセン!!!さっきのスノーマンの報酬はお2人方に差し上げますんでここは何卒穏便に・・・このバカで巷じゃ最近噂になって来てるに関わるととんでもない目に合いますよ??」

「うぇ・・・マジかよこの頭とか色々が貧弱そうなネェちゃんがあのトードマスターのメルトかよ・・・・こりゃ命拾いしたな坊主。

これはその感謝の印だ受け取ってくれ。

スノーマンは言ってた通り俺たちがいただくとするぜ。」

「横取りされた怒りをぶちまけてやろうと思っていたが・・・逆に命を救われるなんてな!!!

世の中救いようのないバカ共しかいないと思ってはいたが・・・世の中もまだまだ捨てたもんじゃねぇな!!!ガッハッハ!!!」

「2人ともトードマスターという言葉だけで逃げていくように去って行きましたが・・・・メルトは最近何をやらかしたんですか??

特定危険人物になる程と言うと・・・殺人クラスのヤバイ案件ですよ??」

「それに度が過ぎれば殺人集団や報酬目的の不合理集団に狙われる可能性もある。

そのモノ達は値が高ければ高いほど正確に狙いを定めてくるらしいからな。

だが・・・多人数を相手にするのは私は構わないがな!!

何方かと言うと強いものがいてくれると好ましい!!!

数発本気で殴っても失神しないモノとか大剣一撃を耐え抜く力を持つ相手がいればなおさら――――――――――」

「ソレ!!!私も同意!!!強い相手にはこう・・・血が滾ると言うか熱くなるね!!!

自分の力の限界がどの程度なのか確認ができるし。」

強い者を相手にしたいと言う話で盛り上がる魔王とせっちゃんを置いておいてメルトは最近巷で噂になるようなことは何もしていないと言っていたが。

ふといくつかの思い当たる節を思い出したのか、その内容を話し始めた。



「そうね、まずはアレかしら??

先日1人で街へシュゴビーのレアものが入ったとか聞いたから街へ繰り出したのよ。

その時・・・女の子を守ろうと前に出てた男の子がいて。

その暴行を仕掛けようとした男性をカエルにして子供たちに与えたりとか・・・・

シュゴビーの中身を薄めて販売していた蔵主をカエルにして酒樽に閉じ込めたりとか。

そんな程度でどうして私が無法者扱いされないといけないのかしら!?アイタッ!?」

「お前、時々休みの日にふらっと出かけてた日にそんなヤバイ事をやってたのか!?

そりゃ噂が噂になって言い事も悪い事も混ざってそうなるわバカッ!!!

見境なく人をカエルにするなってどんだけ言えばわかってくれるんだよぉ!!!

やっと馴染んだ街と家を離れるハメになるんだぞ!!!お前のその身勝手なカエル魔法でな!!!」

「まぁハルト落ち着いてください・・・・特定危険人物にランクアップしたとしてもメルトはメルトです。

カエルに変える力を持つと言う肩書だけで無理な交渉でさえもクリアは可能になるんです。

ですから・・・ここは頭を使ってですね?メリットとデメリットをうまく使い分けるんですよ。」

「いやいや・・・私たちをのけ者にして何を大層な話をしているのだ?

とかなんとか言っているうちに二体の暴走スノーマンが向かって来ているから対処に出るぞ!!!」

「私は右の方をやる!!!魔王たちは左の方をお願い!!!」

せっちゃんが右に向かい、ハルトたちは左の方から地響きを鳴らしつつこちらへ向かって来ているスノーマンに目をやると。

メルトは先ほどから我慢していたのか・・・トードマスターの不名誉な称号に嫌気がさし。

暴走スノーマンは自分だけでやると言ってハルトたちよりも前に出てとっておきの魔法である変化の魔法を使うと。

暴走スノーマンは雪でできたカエルの姿となっており・・・ぴょんぴょんと跳ねていた。



「おい、お前・・・やっぱりトードマスターじゃねぇか。」

「ち、違うのよ!?頭の中ではミミズとかその辺のプチっと潰せそうなのをイメージしてたのよ!!

あんたたちがトードマスターだのカエル製造機だの言うから気が散ってカエルが出てきちゃっただけなんだから!!!

それに私にだって偉大なる魔法使いだと言う意地と守るべきプライドに誇りがあるのだからこんなクソ辺鄙な王国でつまづいてられるかって言うのよ!!!

私の名が全世界に轟くまでは・・・死んでも死にきれないのよ!!!」

「メルト・・・ある意味世界中にトードマスターという悪名の方が通りやすいのではないでしょうか??

イメージ的には悪いかもしれませんが思い出しやすいイメージを持ってもらうのが広告としては一つのポイント・・・とか言っている場合ではないですね。

ここは私もせっちゃんの方へ加勢しに行きますかね。

―――――――――――ガードご苦労様!!!せいやぃッ!!!!」

「おぉ・・・助かった。

こんなところに暴走スノーマンの被害かケガをした子犬がいてな。

動けそうになかったから守っていたんだ・・・あと・・・別に私は犬が好きだとか可愛いものが好きだから付いていたわけじゃないからな!!

ケガをしていたからだぞ!!!そこを間違えないように!!」

せっちゃんは子犬を抱き抱えながらハルトたちに伝えるが、その表情は先ほどまでの言葉とは対照的に微笑んでおり・・・それからケガの手当てをした子犬をせっちゃんの頭に乗せ次の被害の出ていた民家の方へと移動した――――――――

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