314日目 アイスマンとその使い道


 爆弾の轟音が収まり、次に聞こえたのは冒険家やハンターたちの驚きの声と悲鳴であり・・・・

爆弾を使用して倒したと思った冒険家はアイスマンに捕まれて民家の方に投げ込まれており。

このアイスマンをどうすれば倒せるのかとあたふたとしている中・・・・

ハルトは魔王とせっちゃんを呼び出し、アイスマンの体にできていたヒビを狙うように指示すると2人はその指示に答えるかのように駆け出した。




「ここだぁッ!!!!ぐぐッ・・・・この氷の腕が中々に硬いな。

スキを作った!!!今だ魔王さん!!!やっちゃって!!!」

「任されたぞ!!!ハルトの指示通りヒビの入った部分を叩かせてもらう!!!

――――――――――ハァァァッ!!!!ぐッ・・・ヒビに少し亀裂が走った程度で粉砕まではいかないか・・・・ハルト!!!この体は想像以上に堅いものだぞ!!」

「クソ・・・魔王とせっちゃんのでもヒビにヒビを重ねただけか。

そうなると・・・・おい、そこでポケッと見てる

いいか?俺がさっきまで魔王とせっちゃんに攻撃させてたヒビのある部位があるだろ??あそこにだな・・・・お前の魔法で撃ちぬいてもらいたい。

あんな氷細工の1つも粉砕できないんじゃお前の魔法も大したこと無いって思われちまってもいいのならやらなくてもいいけどさ??どうするよ??」

「ふふ、ハルトってばそんな簡単でバカみたいな挑発に誰が乗ると思ってんの!?

本当にハルトってばバカよね!!!私があんなシュゴビー1000杯分の氷の化け物に魔法を易々とブッパするわけないでしょうが!!ちょっとは考えなさいよね!!!」

「そうですね・・・あんな氷の怪物にメルトの魔法を易々と使える訳がないですよ!!!

ですがね?メルト・・・・アレを倒せばシュゴビー1000杯がとてもキンキンでシュワシュワっと飲めるとしたらどうですか??

酒場で飲むモノとは違い・・・新たな発見があるかもしれませんよ??チラリ・・・」

キルりんはハルトに親指を立てて誘導成功と呟くと・・・メルトはよだれをジュルリと吸い込み。

顔をパンパンと叩きつけ・・・気合を入れたのかハルトの方に振り向くと。

メルトの目はシュゴビーで欲求を満たしたいという目をしており。

これは完全にやってはならない事でも平気でやってしまいそうな目であり・・・制御が効かない危険な状態だと思い、ハルトはセーフティーとしてキルりんの語った内容に付け足しを行った。



「いいかメルト??お前の欲した氷はあれだ・・・だがなよく考えてみろよ?

お前の最強の一撃を加えたとしよう・・・その一撃によって街や村人たちに迷惑をかけるのは良くない。

それに強すぎた力はもちろんあのアイスマンにも及ぶわけだ・・・つまり粉々にしたら意味がないとは思わないか??」

「ッ!?そ、そうね!!危ない所だったわ・・・ジュルリ・・・

ハルトもたまにはいいコト言うじゃないのぉ~~そうね!!!私の最強すぎる魔法はいくつもあるんだし適度に砕いていってシュゴビーに入れて美味しくいただいちゃってやるわ!!!

さぁ~アイスマン!!!私が相手になったげるからかかっておいで!!!」

「おい、大丈夫なのか!?あのメルトは少し様子が変だと思うのだが・・・・止めた方がいいんじゃ・・・・」

「私も魔王さんと同意見だよ。

この氷の怪物に1人で戦おうとするなんて無茶だ。

それに・・・あのままじゃアイスマンに捕まってしまうんじゃない??」

「メルトもそこまでバカじゃないと思うので危ないと思えば逃げるでしょうし。

今回はシュゴビーという魔法の言葉にやられていますからね。

そっとやちょっとのコトではメルトはくじけませんよ!!!」

「グオオォォオォオオォ・・・・・・」

アイスマンはメルトを掴もうと鳴き声を上げつつ突っ込むと、メルトは指を上げ・・・拘束系の魔法をかけたのかアイスマンの体はピタリと動きを止めてしまい。

その動きを止めているうちにメルトは魔王たちにヒビの入った部位に攻撃するように伝えるが・・・自分でトドメを刺さないのかと魔王は質問を返すと。

メルトは髪をかきながら魔王に説明した――――――――



「この束縛の魔法は相手の動きを止める魔法なんだけど私自身にも魔法の制限がかかるしこのサークルから出ると束縛の魔法が崩れるから頼んでるのよ。

だからさっさと砕いてくれないかしら??

勿論功績的には私が8で魔王たちが1、1ってところかしら??」

「何とも好き放題に言ってくれるものだ・・・・

だが、身動きが取れないと言うのなら好き放題にこちらもやらせてもらうとしよう!!!さぁ一気に畳み掛けようせっちゃん!!!」

「任せて!!!こんなにもすごい魔法が使えたなんて・・・メルトは本当にの魔法使いじゃなかったんだ!!!」

せっちゃんは率直にメルトの評価を口にしつつも2人はメルトが拘束しているアイスマンのヒビ割れている部位を狙い打ち砕き。

その砕けた個所を抉るように攻撃を放ち続け・・・とうとうアイスマンの体はバラバラになって氷のクズへと変わり果てていた。



「これでアイスマンの討伐は完了だな。

それじゃ次の暴走スノーマンを倒しに向かうとするか。」

「それがいい、さっきから他方から悲鳴とか子供たちの喜ぶ声と聞こえてるから子供たちが巻き込まれないようにしないといけない。

暴走スノーマンは子供にも手を上げるから・・・」

「それはいけませんね。

ここの子供たちは私を慕うとてもいい子たちばかりなので見捨てれるはずもありませんし。

行くしかありませんよね2人とも!!!」

「あぁ、だが今はアイツの事はスルーしていて構わねぇぞ。

なんせ氷をかき集めるのに必死で俺たちの声が全く聞こえてないらしい。」

「あひゃひゃひゃ!!!氷がたっくさん!!!こんだけあったら本当にキンキンなシュゴビーが呑めちゃうわね!!!

あぁ~~~早く飲みたいものだわ!!!今から帰って飲んでもいいかしら??」

メルトは駄目だと言われるのを知った上で尋ねると案の定却下され・・・・

氷を持ったまま魔王たちに引きずられて次のスノーマンが暴れている方へ向かっていくのであった―――――――――

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