305日目 希少な生物の価値


 魔王と恐竜もどきのぽちと戦闘の合間に作り上げた陣形の中、メルトは魔王に被害が出ない程度に魔力のチャージをし始め・・・・

チャージが完了したと同時にハルトは魔王にその地点から素早く退避するよう伝えると、魔王はハルトのタイミングを理解していたのか瞬時にその場から離れるとメルトの放った氷魔法が辺りを氷漬けにしていた――――――――



「さぁ~どんなもんよ!!!私の氷はキンキンに冷えて最強なんだから!!!

にしてもあの生き物は何なのかしら??

古代種だとは思うのだけどまだ生き残ってたなんてねぇ・・・・」

「アレは俺の世界にもかなり昔にいた恐竜っていう良きものにそっくりだ。

火を吹くなんていう芸当ができたかまでは知らないが・・・

―――――――――魔王~~大丈夫かぁ~~」

「あぁ、私なら平気だ。

氷漬けにしたのはいいがこれはどうするべきか・・・・」

「ちょっと待って・・・氷にひびが入ってる!!!

魔王さん!!氷にひびが入ってるから気を付け―――――――」

「グギャァァアアァァァアァァッ!!!!!」

「《《最強))とかいうメルトの氷をこうも簡単に粉砕して脱出するとは。

魔力耐性が高いのかそれとも種の根性というべき力なのか・・・・

どうあれあの恐竜はまだまだやる気満々という事ですね。

あの種をこのまま野放しにしてるといつか街や村が全滅するかもしれませんしここで倒しておくのがよいでしょう。

さぁ・・・不本意ですがメルトに狙いを定めたので私たちも行きますよ?

――――――――――囮部隊しゅっぱ~~~つ!!!」

キルりんの掛け声によってハルト駆け足をしつつせっちゃんに何かあればメルトを頼むとひと言伝えてから移動し。

恐竜の近くまで移動しキルりんの作った閃光爆弾を投げつけると恐竜はハルトたちに照準を変えて襲い始めた。



「オイオイオイオイオイオイッ!?!?こうなるのは作戦の半中だがこんなに怒るなんて聞いてないぞ!?

それにあいつ・・・・火を吹こうとしてないか!?」

「大丈夫です、か弱い私は火を浴びればひとたまりもありませんが。

ここに火を浴びようが体をドロッドロに溶かされようが不死身のハルトがいるのですから!!!

さぁハルト!!!私の代わりに火を受けて私だけでも逃がしてください!!!」

キルりんのウソ偽りのない言葉にハルトは文句の1つでも言って違う方向に移動してやろうかとも思ったが。

キルりんを炭にすれば色々と攻められるのは自分だとも思考がよぎり奥歯を噛み込んで恐竜の火炎攻撃をその身で浴びて防ぎキルりんを逃がすが。

キルりんは逃げるのではなくナイフを持って逆に恐竜へ攻撃を仕掛けていた。




「このを無駄にはできないので私は攻撃に出ますので魔王も援護を頼みます!!!

さぁアサシンたる私のナイフの切れ味をその身でたっぷりしっかりと味わってください!!!!」

「グギャァアアァァァアァ!!!!」

「アイツ・・・・勝手な事ばかりしやがって・・・・おい、魔王・・・後は頼んだぞ・・・・ガクッ・・・」

「くッ・・・・やられてしまったハルトの仇だ!!!!

キルりんそこをどくんだ!!!私のこの一撃でその首を落とすッ!!!!」

「見事な一撃だ。

胴体と首が泣き別れとはこの事。

いや、今はそんなことを悠長に言っている場合じゃなかった!!!

ハルトがまだ燃えてるけど大丈夫!?」

「ん~これは完全に焼死体じゃない??もうハルトのハの字もないくらい真っ黒じゃない。

でも心配しないで・・・ハルトが必死に貯めてた貯金は私が楽しく愉快に使わせてもらうから・・・・シクシク・・・・」

魔王の一撃によって恐竜の首は落ち、胴体が転がると・・・メルトたちは未だに燃えているハルトの所にやって来るとメルトは好き放題に喋り出す中。

ハルトはその燃える体を起こしてメルトに全力で回復魔法をかけるように低いトーンで命令した。



「わ、わかってるわよ・・・・こんな程度じゃハルトが燃えカスにもならないってことくらい百も承知よ。

ほら・・・ライフキュア・・・これでいいでしょ??」

「おい、真面目にやれ!!

こっちは重度の火傷なんだぞ!?」

「ですね、私を守るためにハルトは自ら自分を犠牲に・・・・

本当にリーダーの鏡のような人物です!!!

さてこう言って置けば特に問題はないでしょう。」

「いいのかな・・・・それで・・・・

でもこれで恐竜の騒ぎが起こる前に対処ができて報酬がもらえたりすんじゃないかな??」

「この古代種の依頼は見たことが無いから報酬が出るかわからないが強敵だったんだ無報酬なわけがないだろう。

そして今回もハルトはボロボロだな。」

メルトに回復をふんだんにさせると、やっとハルトの体に纏わりついていたモザイクが取れ・・・・軽いやけどが残ってはいるもののハルトの回復力からして治るのも時間の問題というところでキルりんは言われる前に配送者に狼煙を上げており。

その配送者に恐竜を引き取ってもらい紙を受け取ると調査ルートへ戻り残りのルートを突き進み害獣や魔獣たちと出くわすことなく街へとたどり着いた頃にはすでに陽が落ちて暗くなっていた。



「あぁ・・・やっと到着か・・・・あぁもうムリだ・・・もう歩けん・・・・」

「お疲れさまでした!で、どうでしたか??調査中に現れた害獣や魔獣の異常なほどの出現・・・・キルりんさんが前回暴魔をおびき寄せるため使われた呼び出しアイテムの影響かどうかは現状では判別不能なのですがその影響がないわけでもない事からこのようなボランティアになったわけですが・・・・その様子からだと様々な害獣や魔獣と出くわしたのでしょう・・・・お休みしている間に清算を致しますので配送者から受け取った紙をお預かりします。」

そう言って受付嬢は紙を受け取って生産を開始し始めると、驚いた声を上げ・・・・ハルトたちの方へ戻ってきた。



「ん?何よ・・・もう清算終わったワケ??」

「言え違いますよ!!!今回討伐成された中に古代種メギロデュクシナというドラゴンのようなそうじゃない生物がいましたよね??

あれは生かして捕獲して欲しかったのですが・・・・・倒してしまってからだともう手遅れなのですが。

もしも生け捕りができていたのであれば1億ゴールドは下らない希少な生物でして・・・・」

「今の話聞きましたか??この後の事は用意に想像できるので私たちは少し離れておきましょう。」

「そうだな・・・・いつものアレだな。」

「ん??どうしたの??私もコッチに行けばいいの??」

キルりんはせっちゃんの手を引いて魔王と共に移動すると・・・・メルトは討伐しようと語ったハルトの上に立ち。

怒りをハルトに魔法というなの方法でぶちまき・・・・その理不尽な行動にハルトも我慢できずメルトを泣かし返すと。

ハルトはその恐竜もどきの討伐した報酬はいくらかと恐る恐る受付嬢に尋ねた。

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