275日目 山の異変:依頼クリア
木々が落ちてくるのが止み・・・メルトに現状を尋ねると。
メルトの視線の元になっている対象はミノタウロスを注視していると言う事から生きた嵐であるミノタウロスの暴走から生き延びているらしく。
魔王とは別にハルトたちもメルトの手を握ってキルりんと共にグールを探しに木々の合間を縫って移動し始めた。
「ぐあぁ~~~がおぉ~~!!!!どこにいるぅ~おらぁ~~おらぁ~~」
「お、おいミノタウロス!!!もうその辺で終わっていい!!!
それ以上はこの森を痛めてしまうだけだ。
それにグールならこの近くにいるから手分けして探せば見つかるはずだから探しに行こう。」
「どうやら魔王の説得は通じたみたいだな。
で、メルト・・・グールの様子はどうなんだ??
何か変ったことはないか?視線の先とか何か手掛かりはないのか?」
「ん~ソレが変なのよねぇ~~~
ずっと私の背中が見えてるのよ・・・・なんでかしら??」
「それってまさか・・・・んぎゃ!?
は、はははははハルトォォォォ!!!後方になにやらきっしょく悪いグールがいますよ!!!
色違いというかなんというか・・・とにかくキモイです!!!キモくてキモくて最悪です!!!ですがすごい追いかけて来てます!!!」
メルトたちの言葉を聞いたハルトはスピードを緩めて後方を見ると2人が言っていたようにグールがすごい動きをして追いかけてきており。
再びスピードを上げて魔王たちに聞こえる声で応援を呼ぶとすぐに魔王は異変を察知してグールとの間にやって来た。
「やっと呪いの根源である核のグールに出会えたが・・・・すごい色と腐敗だな。
これはもう数百年は経っていると見て間違いはなさそうだ。
さぁ・・・こうなったら観念するがいい!!!」
「グールはどこだぁ~~おぉ~そこにいたか!!!」
「やっとコレでグールとの騒ぎもおさまるのか。
マジで今回は疲れたぞ・・・・」
「私も視線ジャック何てもうしたくないわ・・・気持ち悪いし・・・」
「にしても・・・このグールは他のグールとは違って急に襲い掛かったりして来ませんが・・・どうなっているのです??」
キルりんの言葉に魔王が説明しようとした時、突然目の前にいるグールがしゃべり始めた。
「あ、その・・・グールの私でも喋る権利はありますか?」
「ぐ、グールがしゃべった!?
何だこれ・・・俺は耳が変になっちまったのか!?それともこれは呪いか何かか!?!?」
「いいえ私にも聞こえたから集団催眠か何かじゃないのかしら!?
私には催眠術なんて聞かないはずなのに変だわ!!!
低能なキルりんやハルトたちがかかるにしても魔王と私が催眠にかかるはずが・・・・」
「わ、私にも聞こえた・・・・コレは幻聴や呪いの類ではない・・・
このグールそのものから本当に聞こえてきているぞ。
あと・・・何か話がしたいとか言っていたが・・・・・」
「ワタシもそう言っているように聞こえた~」
全員が顔を見合わせ・・・グールに喋る権利を与えると。
グールは頭をかきながらここまで来た理由と経緯を説明し始め・・・・
それは長い年月の間どうでもいい魔術師にどうでもいいような呪いをかけられて改造されて今まで生きながらえて来たと言い。
胸の大きな相手を狙うのもグールになる際にかけられた呪いのせいであり・・・最近はその効力が消えたのか自分だけは人を襲う事やグールを作る力が無くなったのだが、他のグールたちの増殖力は衰えることがなく収拾がつかない事からオリジナルである自らが消えることによって呪いにより生み出されたすべてのグールを消滅させたいというものであった。
「で、その内容は本当なんでしょうね??
痛みでの拷問はできないにしても私は魔術師・・・精神的に拷問する術を知ってるから嘘はつかない方が身のためよ??」
「この目はマジな目ですよ・・・きっとギルド主催の依頼がパーになった腹いせか何かでしょう。
本当にメルトのような精神までもが金と酒に狂った人間にはなりたくありませんね・・・・・・」
「そうだろ?だったらキルりんもナイフばっかりに頼らずに知識で戦う事を覚えような??
ちなみに魔王はあのサキュバス~な体だけで生きて来たから参考にしないように。」
「だ、誰がサキュバスだ!!!私はこれまで幾度となく・・・おい聞いているのか!?
私だけ扱いがひどくないか!!!私には何かかける言葉はないのか!?」
泣きつく魔王をしり目にハルトはグールにどうすればいいのか問うと。
他のグールが寄って来る前に光の魔法か高火力な魔法で消して欲しいと語り・・・・それならばとメルトは光の魔法ではない違う高火力な魔法のチャージに入り出し。
グールはできるだけ痛みのない光魔法が良いと慌てだしたが。時すでに遅しとメルトのチャージした魔法がグールに突き刺さり呪われた核である玉を砕き粉砕すると。
茂みから現れたグールたちが次々に土や灰になって崩れていき・・・このグール騒動は何とかこれで無事に終え。
ハルトたちはミノタウロスを連れて念のためにハイネ司祭のいた仮設テントに戻ると・・・・・・
「やぁおかえり。
で、どうだった??冒険者やハンターたちから話を聞いたんだけどグールが原因でミノタウロスが・・・ん?この子がそのミノタウロスちゃん??
ん~~田舎娘のようでこれはこれでアリ・・・・ッ!?!?」
「ハイネ司祭・・・もし次に変な目でミノタウロスさんを見たら痛いですよ??
それとハルトさんたちには原因究明と解決に貢献したと言う事で我々の方から特別報酬を出させていただきました。
これは教会からの心ばかりのお礼と言う・・・・」
「そんなのどうだっていいから寄越しなさいよ!!!
うひょぉ~~~結構あるじゃないの!!!あいたッ!?
どうしてぶつのよ!!!私たちの報酬なんだからすぐに中を見てもいいでしょ!!!」
「おバカ!!!こう言うのは気を使って中身を見ないのが常識だ!!!
いやぁ悪いな2人とも・・・バカなメルトでさ・・・・
あとミノタウロスは無害でいい奴なんだ。
だから今回の件で騒がれてた事をどうにかできないか??」
「大丈夫、ワタシ・・・このまま自分の里に帰る。
短い間だったけど楽しかった!!!またね!!!」
「あぁ・・・行っちゃいましたね・・・・本当に魔王と違っていいキャラでした。」
「それはどういう意味だキルりん???
あとでじっくり家で話を聞こうじゃないか!!!!なぁ!!!」
ミノタウロスはすぐに自分の里へ戻って行ったが・・・ハルトはそうだとしてもミノタウロスの噂をいい方の噂だけ残して何とかして欲しいとだけ伝え。
3人を置いて自分だけ仮設テントを抜けて家に向かって帰って行った。
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