276日目 返り血を浴びた結果
グールの一件から数日・・・ハルトたちはいつものように依頼をこなしに山道を通って依頼のポイントに向かっていると。
魔王たちは無事にミノタウロスが故郷に戻れたのかと心配しており。
ハルトがその言葉に戻っているだろうと魔王たちの方を向いて語りつつ何かにぶつかったと思い見上げてみると―――――――――
「やほ~ハルトぉ~それにみんな~また会えた~」
「えぇっと・・・ミノタウロス・・・どうしてミノタウロスがここにいるんだ??
里に戻って生活しているはずじゃ・・・・」
噂をすれば何とやらとハルトはミノタウロスにどうしてここにいるのかと定形文のように問うと。
ミノタウロスはハイネ司祭の計らいで教会に雇われて街近くの森の異変を調べる調査隊のメンバーに入ったと語り。
さらにハルトの頭上にリザさんが降って来ていた。
「あぁ~~あ!!!うあぁ~あぁ!!あぁ~ぁうぁ~あ!!」
「何を言っているかわからねぇし早く俺の上からどいてくれ・・・・・見事に潰れてる・・・・」
「つまりリザさんとミノタウロスの2人が森の調査隊と言う事ですか?
何だかこのタッグを見ていますと・・・盗賊や山賊に襲われないか少し不安になりますね。
その後の血祭も容易に想像できます・・・・」
「そう言う事なのなら今回は見回りでこの辺りを見ているのか??
それとも何か問題が発生したのか??」
「ううん・・・特に何もないけど土地勘が働くようにこの辺をぐるぐる回って追いかけっこでもしてなさいってハイネ司祭が言ってた!」
「追いかけっこ・・・・2人の追いかけっことなればさぞハイレベルな追いかけっこになりそうだな。
だが今回は私たちには依頼があるのでな・・・・今回はこのくらいにして失礼しよう。
またここを通る時にでも出会えたらいいな。」
魔王は地面に潰れたハルトを引きずりながら依頼のポイントに向かって行くとミノタウロスとリザさんの2人は再び轟音と共に消えていた。
「ですが・・・ハイネ司祭は本当に何でも簡単に教会に入れていますが・・・・国王の護衛隊や親衛隊を凌ぐ武装集団を作ってどうする気なのでしょうか・・・・
ハイネ司祭は読めないところも多くありますが戦闘を好む感じもしないですし。
本当に謎ですよ・・・・」
「そうだろうか?あのハイネ司祭は意外と欲には弱い方だと思うのだが・・・・
欲しいものは相手がどうあれ自身の懐に忍ばせる。
それも飛び切り強力な個体ばかりをだ。
つまりハイネ司祭には他にも隠し玉があるかもしれないから敵に回さない方が身のためと言うべきだろう。
逆に恩を売っておけばその力を借りれるかもしれないから恩を売るのはいいかもしれないな。
よし・・・依頼のポイントに到着だが・・・・ハルトは大丈夫か??」
「大丈夫かって??ずっと引きずっておいてよく平気で大丈夫かって聞けたな・・・・せめておんぶだろ・・・・で、ここが依頼ポイントか??」
ハルトは体をさすりながら立ち上がり、辺りを見渡すと何かの気配を感じ。
魔王たちに尋ねようとした所――――――――
「あれ?誰もいな・・・は!?
この影はまさか・・・・お前ら俺を生贄にしやがったなぁあぁぁぁあぁぁ!!!!
――――――――ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「何とかあのぷちベヒーモスをハルトに意識を向けさせられたけど。
これからどうする???アイツの皮って魔法をあんまり通さないのよね。
魔王のパワーアタック作戦に変更??」
「ハルトの体がボロボロになるのも時間の問題だからな。
ここは仕方ない・・・私がハルトを救おうそうしよう!!!
はっはっは!!!ハルトよ待っていろよぉォ!!!」
「すごいノリノリで行っちゃいましたけど・・・・まぁ魔王なら相手が魔物でも何でも大丈夫ですからいいんですが・・・・ハルトがぷちベヒーモスに噛まれて振り回されてるのでできるだけ早く助けてあげてくださいよ~~~」
ぷちベヒーモスにぶんぶんと振り回されているハルトに気が付いた魔王はさらにスピードを上げて突進し・・・ぷちベヒーモスを肉塊にしてハルトを助け出したのはいいが。
今回も見事に魔王はぷちベヒーモスの返り血を浴びて真っ赤となっていた。
「大丈夫かハルト??かなり振り回されていたが。」
「イタタタ・・・・いや、俺よりも魔王の方がとんでもない状態だと思うぞ??
返り血でまた真っ赤っかじゃねぇか・・・・
ベヒーモスの血って確か魔物・・・魔獣を呼び出すんじゃなかったか??」
「そうよ?よく知ってたわね。
それともどこかで魔獣の図鑑でも見たのかしら??
使い魔にしては勉学に勤しんでるようで結構だけれど知識はまだまだね。
ベヒーモス種の血は魔獣に害獣・・・何でも呼んじゃうのよ。」
「と、言う事は・・・この地響きは・・・・き、きききききき来ましたよぉォぉ!!!!魔物の・・・魔獣害獣の群れです!!!」
キルりんの叫びに魔王たちはビクッとして立ち上がり、戦闘態勢になりつつ逃げるが魔王が狙われているためかハルトたちは巻き添えを食っている状況に。
ハルトは魔王に全部を相手にできないかと問うと・・・・・
「そうだな・・・見た所面倒な奴らがいる訳でもないから各個撃破できれば何とかやれそうだが・・・数が多いのと種類がバラバラで同時攻撃されると面倒だ。
だから誰かが注意を惹いてくれれば助かるのだがな。」
「ほら、ハルト・・・魔王からのご指名よ。
こうなったら男を見せるしかないでしょ!!!
ほらハルトに決めた!!!頑張りなさいハルト!!」
「俺はお前たちの可愛いモンスターじゃねぇんだ!!!好き勝手なこと言うなよな!!!」
「ですがこのまま逃げていてはいずれ私たちは魔物に挟み撃ちにされてしまいますよ!!!
何せこの近くは魔物の多数目撃されているポイントですので。
んぎゃぁぁああぁぁぁ!!!!いったそばから前からスケルトンがやって来ましたよ!!!」
前方と後方から同時に挟まれたハルトたちはこの場を乗り切るには全員で協力するしかないと団結し。
魔王に前方の敵を相手にしてもらいつつハルトたちは後方から来ていたスケルトンを相手に必死に格闘し・・・・数時間が経ち、何とか魔物の群れを全て倒し切ることができた―――――――――――
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