271日目 騒ぎの元凶は牛女??
ハイネ司祭はハルトの問いに説明しようとした際に他に誰もいないことを確認してから魔王たちも呼んでコソコソと真実を説明した。
その内容というと、魔獣や害獣が異常に現れたことに対しては真実で内容が少し異なると言ったことで。
害獣も魔獣も何かから逃げてきたような雰囲気があると言う事とリザさんが調べた結果魔獣クラスに近い筋力を持った何かが森に潜んでいるらしく。
その者がいるサインは力任せに木々がへし折られた形跡があると言うだけで正体も何もわからないままハルトの肩をポンと叩いて無茶はしないようにとだけ言って仮設テントの中に入って行くと。
ハイネ司祭の言葉に思い当たる節はないかと魔王に尋ねると・・・・
「ん~この時期には移動する魔獣や害獣も多いと聞くしな。
それに時期的に暴れる魔獣も多いし・・・どの種暴れているのかも分からないから油断はできないだろう。
だが安心してくれ!!!私がいるのだから問題ないぞ!!」
「ん~その言葉に毎回振り回されてるんだが・・・・
キルりんも何にも知らないんだよな??あと・・・わからないだろうがメルトにも聞いておくが・・・・」
「私も特にそう言った害獣の噂は耳にしたことはないですね。
噂になるレベルだと調査班の募集があるはずですし・・・・今回のこの緊急作戦自体がおかしいとも言えますよ。」
「そんな事よりも私が使えないみたいな問い方は止めなさいよ!!!
私にはマジ使える魔法って言うのがあんのよ!!!
舐めるんじゃないわよ・・・本当にこれだから私の力の20%も知らない使い魔は困っちゃうわ。
え~と・・・コホン・・・我が目よ・・・世界の目よ・・・この森にある数ある目よ・・・我が目と同調し全てを見せよ!!!」
メルトの呪文に何が変わったのか辺りを見渡して見えるが何も変わっていない事をメルトに尋ねると。
魔王はハルトたちにメルトの目を見るように語ると、その目には色々な生物から見た視線が写り込んでいた。
「これでもないわね・・・・んじゃこっちのカエルはどうかしら??
これでもないわね・・・それじゃ今度は・・・こっちの・・・」
「おい、お前はカエル以外の視点から探せねぇのかよ!?
何でお前は毎回毎回便利そうな魔法をダメにするんだよ!!!
やっぱ魔法は使う本人次第で全然違う事が完全に理化した!!!」
「まぁそう言わないで上げましょう・・・メルトもメルトで必死なのですから・・・・で、メルト・・・今は何を見ているのですか??」
「どうやら何か布状の縞々が見えるな・・・」
と、キルりんは思い当たる模様に足元を見るとそこには1匹のカエルがキルりんを見つめており。
キルりんはハルトの目に指を突っ込んでから地面にいたカエルを掴んで彼方へ投げ飛ばすと冒険家たちやハンターたちの戦っているシーンがメルトの目に映っていた。
「きゅ、急にカエルを掴んで投げるんじゃないわよ!?
でもキルりんって・・・あぁいう可愛い模様のパンツをはくのね・・・」
「次にその話をしたらメルトの目と口が無くなりますよ?
ですがどうぞいいたければ続けてください・・・本当にマジで次はありませんから。」
「メルト、今回のキルりんイジリはその辺にしておいて・・・冒険者たちが何と戦っているのかが見たいんだが冒険者かハンターたちの視線になれないか?」
「む?何やらハンターの前に現れたぞ!!!
早く視線をハンターの方に変えるんだ!!!」
魔王たちの言葉にメルトは視線をハンターの方に変えると巨大な斧を持った獣人のようなモノに吹き飛ばされ・・・何がどうなったのかわからなかったがハルトたちはさっきの獣人が今回の元凶だと悟るとメルトに場所を案内してもらいその現場へとやって来た。
「おい、大丈夫か??くそ・・・完全に気を失ってる・・・・
メルトたちは何か痕跡は見つけたか??」
「いえ、こちらは何も手掛かりらしきものはありません。
それにこの冒険家も完全に気絶してます。
ですが何でしょうか・・・獣人か魔人だったとして人を殺さないように手加減したというべきなのでしょうか・・・急所を外して攻撃していますよ。」
「あぁ・・・あの
「ちょっと静かに・・・聞こえた??
男性の泣き叫ぶ声がしたわよ!!!こっちよ!!!何ぐずぐずしてんのよ!!!
早く騒ぎの犯人を捕まえないと報酬が減っちゃうじゃないの!!!」
少しでも誰かの為にと力を出したかのように思えたが現実はそう甘いものでもなく・・・・メルトはやはり自分の利益を追い求める貪欲なる魔術師だと死んだ魚のような目で見つめながらメルトの向かう方について行くと・・・・
「う、うわぁあぁぁぁああぁ!?
じゅ、獣人め!!!俺を食う気だろ!?」
「えっと、ちょっと待って・・・私は別に人を食べようとだなんて思ってな・・・・」
「何とか間に合ったわね!!!
さぁそこの冒険家だかハンターはすぐに逃げなさい!!!
でもって私たちが元凶を発見したって連絡しておいて!!!」
「お前・・・マジで人に思いやりと言うモノがないのか??」
「メルトにはないでしょうね。
思いやりや労わりは金にならないから無関心なのでしょう。
ですが・・・あの獣人の武器はとんでもない大きさですね。
魔王の大剣並みに大きいですよ!!!」
「そうだろうな・・・何せ相手はあの角と力からしてミノタウロスだからな。」
魔王の言葉に目の前に大斧をもつミノタウロスはくるりと振り向き・・・魔王たちの方を見つめると何かに気付いたのか大斧をぶら下げてやってきた。
「おぉ~~ワタシを一目で見分けられる人間がいるとは驚きだ。
ん??人間じゃない・・・そのハレンチな格好は・・・魔族のサキュバスか??」
「誰がサキュバスだ!!!私はハルトの趣味でこういう格好をしている魔王だ!!!」
「いや、俺は別に求めてもいないし最初からこんな格好だったろ・・・・
なに勝手に俺を巻き込んでやがんだ・・・・」
「やはりコレはハルトが無理矢理着せていた痴女服と言うわけですか・・・・」
「んな魔王がサキュバスだとか今に始まった事じゃないからどうだっていいのよ!!!
で、アンタはこの山奥で何をどうしてたのよ??アンタのおかげで魔獣やら害獣を駆除してるのよ???」
メルトは金の為とばかりに原因究明を開始すると。
ミノタウロスは髪をかきながらこの全体的な騒ぎは自分の仕業ではないと否定して答えるが、メルトはミノタウロスの大斧を指さし・・・その斧で何をしていたのかと的確に証拠を押さえつつ質問していた。
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