231日目 ハルトの根回し


 リビングに移動したハルトはどこからの事について知っているのかと2人に問うと2人は家から出てここに至るまでと答えると。

全部知っている2人に全てを語る必要はないと言う事からジャージーや道具屋での話をすることにした。



「まずジャージーと所に行ったのはさっき飲ませた液体の調合方法とアイテムを聞いていたんだ。

で、そのアイテムを入手するために道具屋の爺さんのとこで購入して実際に調合してからメルトの元へ運んだわけだ。

それが2人の知らない話だと思うが・・・・アレはどのくらいで聞くんだ?

それに飲ませた後白目をむいていたが・・・・アレは大丈夫なのか?」

「えぇ・・・あの薬はそこそこに効くものですから効果は期待していて大丈夫です。

ですが問題は酷い匂いと味でメルトが白目をむいてゴキブリのように倒れたわけはその2点にあります。

味は本当に最悪で匂いもゴミ箱のような匂いと言うとんでもないものですから・・・・白目をむくのも当然でしょう。

それとその薬を飲ませた後の話を聞くとそれ以降のお酒を無闇に飲む習慣が減ったと言う結果も出ているのでお酒離れができる更生アイテムとして使えるのではないかと市販化も進められているものなのです。」

「あぁ・・・あの匂いは本当にすさまじい匂いだった。

あれが市販化するのであれば周りに被害の出ないモノにしてもらわないと飲む本人以外にもダメージを受けるものが出るかも知れないだろうから市販化は遠いだろうな・・・・」

メルトに飲ませた不思議な酔い治しの薬の話をしていると、メルトのいる方からドアの開く音が聞こえ。

そこからゆっくりとメルトがフラフラしながら現れた。



「め、メルト・・・もう大丈夫なのですか??

先ほど飲ませた薬品がやはり効果抜群だったようですね!!!」

「でも、めっちゃ気分悪いんだけどどうしてくれんの??

これなら時間で回復するのを待っていた方が何千倍もマシで楽だったわよ・・・・うぅぅぅ・・・それよりも水をくれないかしら?口の中がドロッとしてて気持ち悪い・・・・」

「わ、わかったすぐに持ってくる!」

「えっと・・・まぁお前はここに座って落ち着けよ。

で、何か食べたい物とかあれば言えよ・・・だから看病くらいはしておいてやるよ。

治ってから見捨てただとか見殺しにする気だったとか言われるのが面倒だからな。」

ハルトはメルトに気を使って尋ねると、メルトは水を魔王から受け取って一気に流し込むと・・・少し考え、メルトは若鳥のから揚げとシュゴビーと言い出し。

ハルトたちは白い目でメルトを見つめるとメルトは冗談だと言って訂正するがハルトたち3人はメルトは本気で言っていたと内心思いながらメルトに再度尋ねた。



「そ、そうねぇ・・・胃に優しいものがいいわね。

風邪とか二日酔いにはおかゆがいいって言うからおかゆでもいいわよ。」

「おかゆか・・・それならすぐに作れそうだから待ってろ。」

「何だか今日のハルトは妙に素直と言いますか・・・メルトに優しくありませんか?

―――――――――私の思い過ごしでしょうかね?」

「いや、私も今日のハルトは少しおかしいと言うか優しすぎるような気がしている。

いつもならゴチャゴチャとメルトに暴言を吐いてからメルトを泣かしているのが鉄板な日常が今日は1度もないからな・・・・

変なものを食べたりしたのか??」

2人の会話が丸聞こえだったのか、ハルトはすぐに調理して出来上がったおかゆを運びながら何にもおかしい所もないと淡々と語ってメルトに運ぶと。

メルトはどこまでハルトがいう事をきくのかと試すべく・・・1人では食べられないと言い出し―――――――



「ほら、私の口にソレを運びなさいな!!!

使い魔のハルトにできるのかしらねぇ!!」

「お、おいメルト・・・・それはさすがに羨ましいというか上からというか・・・・ハルトが怒るんじゃないか??」

「ぐぐッ・・・押さえろ俺・・・このおかゆをぶっかける勢いだが押さえろォ・・・・フゥ~~フゥ~~~あはは!!マジでお前は手のかかるダメルトだなぁ~~しょうがねぇ・・・ほら食えッ!!!何遠慮してやがんだ??おら、喰えよ!!!!」

「ん?って、見ていればいつものハルトのような行動ですし・・・・

本当にコレはどういうことなのでしょうかね。」

2人は熱々のおかゆを捻じ込まれないようにと必死に両手で手を押さえつけるメルトを見て2人に何かあったのかと問うが2人は別に何にもないと答えるだけで何ともないまま食事が終わり。

メルトはまた寝ると言って部屋に消えて行くとキルりんと魔王はハルトがどこかへ逃げる前に確保し。

どこに行くのかと問うた。



「休みだから別にどこに行こうと俺の勝手だろ?

それとも何だ??俺は誰かにどこに行っていつ帰って来るか言わないといけないのか??」

「い、いや・・・別にそう言うわけじゃないんだが。

少しばかり気になってしまってな。

いつものハルトでは考えられないような行動が多いから・・・・」

「そうですよ!!いうもならメルトに暴言を吐いて泣かすところまで行きますが今回はどれも泣かすようなところまでいかないどころか親切すぎるくらいですよ?

本当に何にもないのですか??弱みを握られたとか・・・そう言うのとかもですか?」

2人はさらにぐいぐいと顔を押し付けて問うがハルトは何でもないと言ってそのまま2人を置いて家を出て行き。

魔王たちは

はすっかり本調子に戻りかけているメルトを見ている必要もない事からハルトの尾行をすることを決めて再び外に飛び出すが。

ハルトの姿はどこにもなく・・・街へ行ったのか酒場へ出かけたのかわからないまま探すことになり。

2人は手分けしてハルトの行方を追うと――――――――――



「いましたよ魔王・・・ハルトは現在せっちゃんと噴水の前で話してます。

何でしょうか・・・あの2人・・・妙に仲がいいように見えるのですが・・・・」

「いや、せっちゃんの事だから・・・ハルトに好意があるようには思えないのだがな?

それにただ話しているだけなのなら問題は・・・・ん?せっちゃん!?」

魔王とキルりんの見ている先でせっちゃんはハルトの頬にそっと触れ・・・・

段々と顔を近づけ始め、キルりんが言葉をかけようとした瞬間には魔王が飛び出して2人の間に立っていた。



「おい、2人とも白昼堂々と何をしているのだ!?

こんな噴水の前で・・・・まったく・・・」

「いや、私はハルトの顔に付いたが気になって拭いていただけなんだけど・・・・私がハルトに手を上げるはずもないのは

のは2人が一番よく知っていると思うんだけど。」

「そうですよ・・・魔王はすぐに早とちりをするので困ったモノですよ。

で、2人は何を親密そうに話していたのですか??

私たちも仲間なのですから教えてくれてもいいのですよ??」

キルりんの言葉にせっちゃんは少し考え・・・特にそれと言った事は話していないと言って最近のギルドでの近所報告やこの辺りに現れる害獣の話をしていたとだけと語るとせっちゃんはハルトに別れを告げて家に帰り。

ハルトはため息をついてどこかに出かけようとしても魔王とキルりんが付いてくると言う事を悟った上で家に帰ると口に出すと2人もそれに同意して家に戻って行った。



「で、要するにハルトはせっちゃんと害獣の情報を聞いていただけというわけですね?」

「だから何回もそう言ってるだろ?

俺たちが留守にしていた間に環境は大きく変わっていることが多いんだ。

だからここから離れずに狩りをしていたせっちゃんに話を聞いていたと言うわけだ。」

「わ、私は始めからハルトがそう言う事をしているのではないかと信じていたぞ!!ほ、ほ本当だぞ!?」

魔王の声にハルトたちはジト目で見つめながらソファーで寛いでいるとメルオがよろよろとよろめきながら現れ。

最後にお腹が空いたとひと言だけつぶやくとハルトたちは倒れたメルトを引きずって酒場へと向かって行った―――――――――

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