219日目 依頼目標は巨大ウツボ!?
エプロン姿のクリシュナは部屋に運んだ巨大なクラーケンの足を槍で細かくバラバラにして串に刺し。
それを火にかけてジュージューといい音をたてながら焼き始め。
ハルトは念のためにとクリシュナに料理の経験はあるのかと問うと・・・・
「当然あるに決まってる。
こんな広い世界の神の1人なんだ色んな世界の料理を作れるよ。
だけど聞いてよ・・・神は何も食べなくても大丈夫っていう輩が多くてさ?
この現世に受肉した時点でハラが減るのは当たり前だろ?って言ってクラーケンに向かわせたら食べられちゃってさ~ハッハッハ本当に傑作だ。」
「笑えるか!!!それを俺達には絶対にすんなよ!!!
料理経験は大丈夫そうなところを見るとここにいるヤツらにやらせるよりかマシと言う事が分かったが・・・・
クリシュナの印象がどんどん悪くなってきてるのは黙ってよう――――――」
「そうね・・・このタイプのキャラは触れない方がいいかもしれないわ。
で、さっきお酒というワードが聞こえたのだけれど・・・・ここにお酒なんてあるの??」
「またメルトはお酒の話を・・・・クリシュナも言われて探さなくていいですよ?」
「にしても美味しそうないい匂いがして来たぞ!!
コレはどういう料理なのだ??」
魔王は匂いからクリシュナに料理名を問うと。
クリシュナは酒をドンっと置いてクラーケンの串焼きと見たままの答えを言い放つと。
メルトはさっそく飲もうと言って酒に触れようとした時―――――――
「お前、コレは終わってからだ!!!
先に酒を飲んで使い物にならなくなったら困るからな。
シラフでもお前は使えるかどうか怪しいのに止めてくれ・・・・
これ以上ややこしくせずに大人しくしていてくれ。」
「酒を飲まずに戦いに出るなんてハルトたちは珍しいな。
先日まで戦っていた戦士は出かける前には酒を飲み帰って来ては酒を飲んでいたんだが・・・・
まぁそれはいいとして・・・さぁ焼けたぞ!!!コレが私の特性クラーケンの串焼きだ!!!」
「ん~~見た目はただの串焼きなのにコレはいい匂いですね!!
朝食を食べてすぐですがコレは食べておきたいところです!!」
「そうだな、神の手料理を味わうのは初めてだから私もいただくとしよう。
それでは・・・・いただきます。」
魔王たちはクリシュナから手渡されたクラーケンの串焼きにガブリと噛みつくと。
程よい塩加減と取れたてという事もあって美味しかったのだが・・・・
「なぁ、クリシュナ・・・イカの味はするんだが・・・・
調味料って言うか味付けはないのか?」
「調味料??このクラーケンは海の生き物だ。
つ・ま・り!!クラーケンには塩気があるじゃない?
だから調味料はいらないんじゃない?え?いる??」
「ん~私はコレにお酒があれば言う事ないのだけど・・・・
流石にクリシュナの性能がわからない以上は酒を飲んでグダグダするのも嫌だし・・・・ここは我慢我慢よぉ・・・私!!」
「と、言いつつ酒に向かって行かないでください。
ほらほら・・・残ったクラーケンの串焼きを食べて我慢してください。
で、魔王は無口ですが食べてますか?魔王??」
「いや、このモキュモキュ感は独特でつい無言で味わってしまっていた。
あと、聞きたかったことがあるのだが。
このクラーケンが子分と言う事は親玉はどんな生き物なのだ?
同じクラーケンなのか?」
そう言ってクラーケンの串刺し焼きを食べながらクリシュナに問うと。
クリシュナはクラーケンの肉を噛み千切って親玉について語り出した。
「あぁ~親玉??それはあれ・・・・あそこに見えてるデカイウツボよ。」
「はぁッ!?待て、待て待て待て待てって!!!なんつー大きさだよアレ・・・・
あんなの俺達だけで倒せんのか??
俺たちはその辺にいるただの一般人と何ら変わりねぇんだぞ!?」
「そうよそうよ!!!こんなにデカイバケモンを相手にするとか聞いてないわよ!!!
それにクリシュナは戦えるかもしんないけど私たちには無理よ!!」
「にしてもすごい迫力だ。
――――――――――海王と言っても問題がない貫禄があるな。」
「ですが本当にアレはどうやって戦うのですかね??
こんなのが相手なのなら私の秘密道具も何の役にも立ちませんよ・・・・
何か作戦を練らなければなりませんがクリシュナはアレと戦う術は持っているのですか?」
キルりんがクリシュナに戦う方法を尋ねると、クリシュナはよくぞ聞いてくれたと言って建物の下へと案内した。
「私の作戦はこれだ。
その名もウツボを眠らせてやっちゃおう作戦!!!
簡単に説明すると・・・・ウツボを酒で眠らせてからトドメの一撃を叩き込むって言うのが流れなんだけど。
気を引く役と酒を飲ませる役とが全然集まらなくてね??
今目の前にやっと作戦のピースが集まったってっわけだ!!!」
「ちょっと待ちやがれ・・・・気を引く役も酒を飲ませる役も囮って事だよな!?
それにあの大きさなんだぞ??こんな酒で酔うはずが――――――――」
「ちょっとそれを決めつけるには早いわよ!!
このお酒は匂いからして相当な効果が期待できるわよ!!
それもあれくらいの大きさなら何回か与えるだけでね!!!」
「さすがお酒の魔術師・・・・こういう時の鑑識眼はある意味使えますね。
で、誰がどの役をするのですか?」
「クリシュナの力は私たちの中でもトップクラスの力を持つとして。
酒を飲ませる役と気を引く役・・・・やはり私たちで役割を分担するしかないだろうな。
さすがにハルトだけに全部をやらせるわけにもいかないし。」
ハルトは魔王の言葉に「当然だ」と答えると。
クリシュナはハルトとメルトに飲ませる役を与え、魔王とキルりんに気を引く役を与えると。
さっそく準備をして夕方に決行することが決まると全員で酒の入った壺を海岸付近まで運び。
魔王たちに気を引くために用意していたと言う巫女のような格好をさせるとクリシュナは適当に踊って気を引いて欲しいと言うが。
踊りのおの字もわからない魔王たちは訳が分からないまま不思議な踊りをしていると・・・・・・・
「ん?海面に何か出て来てないか???
もしかしてあれって・・・・・例のウツボか??」
「きっとそうよ・・・・でもなんでかしら・・・・すぐにこっちに来る気配がないのだけれど。
もしかして・・・この訳の分からない踊りに警戒してる??」
「ぐぅぅぅ・・・訳の分からない踊りとは失礼な!!!
私たちはこれでも必死に踊っているのだぞ!!!
それもこのようなヒラヒラとした薄着でだ!!!」
「そうですよ!!私なんて裾をまくり上げてやっているんですからね!!!
ですが本当にこっちに寄ってきませんね・・・・あと1手と言うところでしょうか・・・・」
「ウツボの気は少しだけ引けてる・・・・それならこれでどうだ!!
魔王にキルりん少し悪いけど我慢して!!!」
そう言ってクリシュナは魔王とキルりんの衣装に攻撃を繰り出し。
2人の衣装がズタズタとなり、肌が色々と露出していた。
「わ、私は魔王なのだぞ!?よくもこのような辱めを!!!
まだハルトにも辱められたことがないと言うのに!!!」
「そうですよ!!!私なんて胸を避けられた気がするのですが嫌味ですか!?
何もないから避けたのか攻撃しても特がないから避けたのかどっちですか!!!」
「断然何にも実が詰まってないからだろ??バカじゃないのか?あいたッ!?」
「ハルト!!!そんなバカやってないでこっちにウツボが来たわよ!!!!」
「私の作戦勝ちィ!!!さぁ後は2人の出番だから気を貼ってやるんだよ!!!」
クリシュナは指をパチンと鳴らして2人に語ると。
ハルトたちは長い尺をもっていつでも来いと構えていた―――――――
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