191日目 人間でサメを釣る!!


 ハルトが意識を取り戻すと・・・ハルトは先ほどのキルりんと同じように土遊びをし始め。

首の調子が良くないのか・・・首をゴキゴキと言わせてからため息を吐いていた。


「えっと・・・ハルト?

その・・・私は被害者ですので悪くですよね?だってもとはと言えばハルトたちが私を虐めるからあぁ言う事になったのですよ?」

「いや・・・ここでそんな事を言っても仕方がない。

ハルト・・・その・・・さっきは悪かった。

本当は助けるつもりだったのだが・・・不死者だと軽く見ていた。

だから・・・その・・・機嫌を直してくれないか?」

「私からも頼む。

ハルトがいなければこの先の作戦を考える者が魔王かキルりんと言う事になる事態を回避したいのもあるけど。

本当にハルトの力が必要なんだ・・・頼む!!」

「どいつもこいつも・・・・後先の事を考えてから行動できるやつはいないのかよ!!!

あぁ・・・もう・・・今回だけだぞ!!!

次またこんなフザけた行為をしてみろ・・・・マジで俺は1人で家に帰るかんな!!いいか!!!それかお前らが泣いて謝るまで何もしてやらねぇから覚悟しておけ!!!」

そう言って今回の事は水に流せるモノだけ流し、状況を魔王たちに問うと。

サメがボートの残骸をかみ砕いていると言う事だけ目に見えた情報を受け取り。

目に見えていること以外の情報は何のかと尋ねると、予想以上に大きかったと言う事と。

あの個体はこの辺りのヌシと呼ばれる類のもので・・・その体には幾度なく戦ったのだろうか。

無数の傷跡が所々についていた。


「いや、たったそれだけの情報からどうやってアレをここに引きずり出して戦うんだよ!?

釣りでもして引き上げろってか!?」

「ふむ、それはいい案だな。

竿は通常のモノを使えばへし折れると考えると・・・・竿はこの剣で。

キルりんは何か暗殺アイテムで丈夫なヒモはないか?」

「そうですねぇ・・・私の手持ちにはないので少しだけ待っていてくれませんか?」

そう言ってキルりんはどこかへ消えてしまい。

数分後・・・戻ってきたキルりんの手にはロープのように丈夫な縄が握られており。

それをどうしたのかと魔王が尋ねると―――――――――


「フッフッフ・・・これはアサシンスクールで学んだ・・・・」

「よ~し・・・コレで後はエサだな。

何をエサにしてあのデカイのを釣るかだが・・・・アイツの好物は何なんだ?」

「きっと新鮮な肉か・・・噛めそうなものかな?

現にボートを噛み噛みしているから。

大きさからすると・・・ってところだろう。」

「なぁ・・・ハルト・・・コレは作戦だから聞くんだが。

私たちの為に男らしく体を貼ってはくれないか?」

魔王が艶やかな目をしながらハルトに寄り添いながら問うが。

ハルトはその手には引っかからないと拒否したのだが・・・


「はぁ~ハルトは本当に男じゃありませんねぇ。

わかりました!!今回は私がエサになりましょう!!」

「いや、それは駄目だ!!危険すぎる!!!

ハルトだからできそうなことであって生身のキルりんには無茶過ぎる!!

だからキルりんの代わりに私が!!!」

「いや、魔王なら体が大きすぎるから本当に私が・・・・」

「うわぁ~ヤダ~~この流れはヤダァァ~~~拒否できない奴じゃん!!!

って!!引っかかるかバカヤロウ!!!」

ハルトは手渡された縄を地面に叩きつけて拒否をすると。

3人はブツブツと言いながらいじけてしまい・・・・少し悪いと思ったハルトは魔王の肩に手をやると――――――――


「よし!!!ハルトがエサになってくれるらしい!!!

さぁハルトここをだなこうして・・・こうしてっと。

後は噛まれても平気なようにクッションを入れてっと・・・よし完璧じゃないか!!」

「お前ら・・・純粋に心配した俺の心に付け込みやがって!!!

マジで怪我したら泣いて怒るからな!!!」

「そんなどうでもいい事を言わずにさっさとエサになってくださいよ。

時間も結構立っているので逃げられでもしたら事ですよ?

ほら・・・せっちゃんに魔王もちゃんと準備をしてください。

本当にこの場面くらいですよ?2人の馬鹿力が必要になるなんて。」

「なんだか鬼の力が馬鹿にされたような気がしないでもないけど。

でも・・・を使ういい機会だ。

魔王、共に力を合わせてハルトを投げ込もう!」

そう言ってせっちゃんは鬼の力を解放して魔王とキルりんとて縄を括り付けたハルトを持ち上げると。

サメのいる方へ全力で投げ込んだ。


「そいやッ!!!投げてから気付いたのですが・・・ハルトはエサとしてどうなのでしょうか。

サメにも好みと言うモノがあると思うのですが・・・・」

「ん~私なら見逃さないのだが・・・・いや、何でもない忘れてくれ。

だが・・・作戦は美味くいきそうだぞ。

ハルトの落ちた方にサメが向かって・・・・うおぉぉッ!!来た!!!

サメがハルトに食らいついた!!!2人とも力を貸してくれ!!!

ぐあぁぁ・・・お、重いッ!!!」

「何という重さ・・・・コレは本当に鬼の力を完全に出す必要がある・・・・

はぁぁぁぁ!!!!魔王も力を合わせて・・・・

せーーーーのーーーーーー今ッ!!!!!えいやッ!!!!」

せっちゃんと魔王の息の合ったパワープレイによってハルトに食らいついたサメは砂浜に落ちると。

ズタズタになったハルトを吐き捨て、3人に牙を剥いていた。


「で、この後はどうする予定だったのですか?

私は近づきたくありませんよ?だって噛みそうですし・・・みたいになりたくありません。」

「ならばせっちゃんと私が何とかするしかないか・・・

ハルトが体を張ったんだ・・・私たちもここで体を貼らないと示しがつかないからな。」

「そのハルトだけど・・・全然動かないけど大丈夫かな?」

せっちゃんの疑問にキルりんは間合いを保ちながら地面に転がったハルトを救出し・・・・離れた場所で息があるか確認すると。

何とか息はしていたがダメージが大きいためか回復が遅く目を覚ますのはいつになるのか不明の状態であった。


「ハルトが使えなくなったのなら本当に私たちがやるしかない!!

せっちゃん私に続いて攻撃をしてくれ!!」

「うむ、任された!!!」

「ハルトに釣られて砂浜に打ち上げられたのです・・・これであのサメはあのたちに葬られるだけだと思うので私も運送者に狼煙でも上げて連絡をしておきますかね。

「うぐぅ・・・・・体中が痛いんだが・・・・」

意識を取り戻したハルトはサメがどうなったのか音のする方を見ると。

せっちゃんと魔王は弱ったサメと戦っており・・・放っておいても大丈夫だと察して目を閉じるが。

何かが顔を突くような感じがしたハルトは目を開くと・・・・


「意識を取り戻したのはいいのですが・・・ここまで怖い思いをして運んできた私にお礼は無しですか?」

「い、いや・・・・そもそも俺をこんな目に合わせたのはお前らだろうが・・・・こうなることも考えろよ・・・バカ・・・ガクッ・・・」

「コレでトドメだ!!!!必殺!!

―――――――――――――魔王スラッシュ!!!」

「よし、これで今回の依頼であるグランドシャークの討伐は完了したな。

後はこれを運んでもらって報酬をもらうだけ・・・なんだけど。」

心配そうに見つめるせっちゃんと目が合ったハルトは全力で腕を上げて手を振ると。

魔王は大剣を地面につき刺し、慌てて近づいてきていた―――――――――

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