172日目 アウラルネの根?木?

アウラルネに助けられたメルトは・・・アウラルネにお礼を言う前に。

ハルトたちの方へ向かい、どうして助けようとしなかったのかと泣きべそをかきながら咆え散らかし。

あの状況ならメルトは誰かを助けに行けたのかと語ると・・・メルトは素に戻り。

涙を拭いて無言で先ほどの配置についていた。


「アイツ・・・俺たちがああなったら無視する気満々じゃねぇか・・・・

キルりんはもはや岩陰に隠れてるし・・・・

この状況じゃ魔王の近接戦闘がメインになりそうだから頼むぞ!!!」

「ま、任せておけ!!!

ぐぅ・・・この触手が面倒だな!!!ハァァッ!!!」

「おぉ~やるねぇ~それじゃ私はこの辺で睡眠を・・・・ぐぅ~~~」

「なッ!?この状況でアウラルネが眠っちゃいましたよ!?

先ほどのメルトの救助から考えて援護してくれるかと思いましたがやはりだめですか・・・・こうなればやはり誰かが囮になってやるしかないですか・・・・

ハルト!!!ここはダメもとで突っ込みましょう!!!

少しでも魔王とメルトの攻撃ができる機会を作るので・・・・ッス!?

――――――――――ぎょわぁああぁぁぁぁぁ~~~~オタスケ~~~~~」

次に触手の餌食になったのはキルりんで、そのキルりんは何とか魔王が助け出すと。

ハルトはキルりんと木の注意を惹くように石を投げつけて誘導すると。

木は大量の触手を飛ばしてハルトたちを追いかけ始めた。


「ぐおぉぉぉおおぉぉお!!!!病み上がりの俺にしては少し辛いが・・・魔王!!メルト!!!後は頼んだぞ!!!!ぐべッ!!!」

「は、ハルトぉぉぉおぉ!!!ひとりにしないでくださいよ!!!!

あわわわわわわ・・・・このままでは私もハルトのように食べられて・・・」

「ハルトの犠牲は無駄にはしないわ!!!

魔王!!!私の氷魔法で動きを封じるから後は頼むわよ!!!

――――――――――スーパーブリザード!!!!」

「任された!!!いっけぇぇぇぇ!!!!

―――――――――――魔王流:一刀両断!!」

触手に連れ去られたハルトを有効活用するべきと考えたメルトは木を丸ごと凍結させ。

続いて魔王の強力な一撃によって木は見事に真っ二つとなって切り倒すと。

その中から凍ったハルトが転がり落ちてきた。


「は、ハルト!!!待ってろ今すぐこの剣で割って助けてやるからな!!!」

「ちょっと待ってください魔王!!!そんな無理矢理にこじあけたらハルトがバラバラになっちゃいますよ!!

ここは炎の魔法で溶かすのがいいんじゃないですか。」

「2人ともどいてなさいな!!!

面倒だから一気にやってやるわ!!!

――――――――――マジックファイヤー!!!」

急に炎魔法を後先考えずにぶっ放し・・・魔王とキルりんはこの後に起こることが安易に読めたこともあって少し距離を取って下がると。

炎の中からモザイクがかかったハルトが現れた。


「お前ェ・・・・毎回毎回やりすぎなんだよ!?このダメルトが!!!」

「あんぎゃすッ!?ちょ、ちょっと!!!どうして私の大事な頭をぶつのよ!!!

ここはありがとうございますメルト様!!!って歓喜する所でしょうが!!」

「いや、あの火力は助けるものではなかっただろ・・・・

間違いなく汚物は炎魔法で消毒だと言わんばかりの威力だったぞ。

それに比べて私は優しくハルトを助けようとだな――――――――」

「いえ、魔王のアレもバキバキと嫌な音がしてましたので・・・

どのみちハルトはただじゃ済んでいなかったと思いますよ。

でもまぁ・・・少しモザイクがかかってますが時間が経てば元通りなると思うのですが・・・・あのアウラルネはどうしますか??」

キルりんの言葉に魔王はアウラルネの元まで飛び、寝ているアウラルネを無理矢理引きずり下ろして覚醒させた。


「んん?もう朝?って・・・ん??そこの人間グチャグチャだけど何があったの?

それに気が見事に真っ二つになってる所を見ると――――――

犠牲は出たモノの何とか倒せたって感じだね。」

「そのグチャグチャな人間から言っておきたいんだが・・・

こんな化け物は二度と生成しないようにしてくれ。

害獣にも人間にもこの俺に目迷惑だわかったか!!!」

「と、言うわけです・・・だからアウラルネは人の危害が出ない場所で安眠してもらえないでしょうか?

その場所なら誰かに起こされる心配も何もありませんよ?」

「それもそうよ!!アウラルネのあの木がなければ私はハルトにぶたれずに済んだのに!!!本当にどう落とし前付けてくれんのよ!!!

やられた分をアンタにやり返してやろうかしらね!」

「おい、止めるんだ・・・こう見えてアウラルネはそこそこ強い魔王だ。

無闇に戦いを誘うものじゃない。

それにアウラルネは私たちを無視して地中に潜って行ったが・・・・」

メルトたちの言葉を聞いたアウラルネは急に地面の中に潜り出し。

次にアウラルネが地上へ現れた際に、何やら不思議な筒状のアイテムを持ってきており。

メルトたちの前に置いた。


「これ、なによ・・・じゃないの・・・・

こんなゴミと引き換えにハルトの痛みを我慢しろって言うの?

馬鹿なの?魔王の類ってみんなバカなの?

本当に我慢の限界よ・・・こうなったら私のとっておきの魔法を―――――」

「バカ、魔王の話を聞いてなかったのか?

魔王が強いと言ったら結構な強さだろうが。

それにアウラルネの話を聞かずにゴミ扱いするのは早いだろ?

で、アウラルネ・・・このゴミは何なんだ?」

「ハルト・・・お前も少しだけ無礼だぞ―――――」

「私の眠りを邪魔した君ら人間を人の形をしたままこうして話してるだけでも奇跡だと言うのに・・・全く・・・近頃の人間は本当に無謀と言うかガメツいというか・・・あ~木の相手をしてくれたからここは大目に見るとして。

これはね・・・地中深くに私が埋蔵しておいただよ。

私の代で引き上げるから・・・・2かな?」

メルトは酒と言うワードに目の色を変えて飛びつき。

先ほどの無礼のお詫びと言ってアウラルネの肩をもみだし・・・

その酒について話しを続けるように頼み―――――――


「あ~そこそこ・・・

でね、この酒を君らに報酬として上げると言うわけさ。

私・・・水とジュース以外に飲めないタイプだから。

お酒ってどうも人をダメにする味と言うか・・・・美味しいんだよ?でも何か私の中では違うんだよ。

だから君たちに上げるというわけさ。」

「大体話は納得したんだが・・・この形状・・・もしかして水筒・・・か?」

ハルトは現実で使った事のある形状の水筒だと思い、水稲を開封すると。

その中には金色に輝く液体が入っており。

ハルトはその水筒をしまってから念のためにアウラルネに問うた。


「これって人が飲んでも大丈夫なのか?害とか副作用とかとかいう呪いの類とかあるのか?」

「さぁてハルト・・・その発言の答えが出る前に私の怒りのナイフを受けてもらいましょうかね・・・・

久々に・・・カッチンですよ?」

「あのバカ2人は気にしないでいいから飲めるか飲めないか教えてくんない?

あと、ハルト!!!!その水筒を大切に持ってなさいよ!!!

こぼしてでもしたら承知しないわよ!!!」

「で、アウラルネ・・・どうなのだ?」

「人間にしては慎重だね。

この前の人間にひと口飲ませてやったら体が蒸発して消えたね。

きっとアルコール度数が23万度くらいだったかな?

人間ってどのくらいまでの度数が平気なのか知らないから適当に呑ませたんだけど。

あと、それ以外には呪いも特に何もかかってないよ。」

一応聞いておいて良かったと・・・メルトは汗と涙を流しながら聞くと。

アウラルネにどうすればこのお酒が飲めるのかと必死に尋ねていた―――――

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