162日目 せっちゃんとの害獣駆除・・・
それからしばらく大きな問題も起こることなく日々が過ぎていき。
気が付けば春から夏になり・・・・
ある意味稼ぐのが大変な時期になっていた。
「あぁぁ・・・あずいぃぃぃ・・・・そろそろこの家にもギルドにあるようなアレを付けましょうよ・・・・お金ならあるんでしょ?」
「バカヤロウ!!日々お前がどんちゃん騒ぎするから溜まるどころか少しずつ減って来てんだよ!!!
そう言う事を言うんだったらな、自分の力で稼いで付けて見ろよな?
こっちはお前たちがやらない計算をしながら生計を立ててるって言うのに・・・・」
「そうですよ!!熱いのなら少しでも布面積の薄い格好になればいいのです!!」
「だからと言ってキルりん・・・水着の格好はどうかと思うのだが。
見た感じだと涼しそうではあるな。」
ハルトはキルりんの格好をまじまじと見ると・・・キルりんが感想を求めており。
見たままの感想をキルりんに投げつけた。
「お前、サプリ飲んで効果出たのか?」
「グハッ!?何を・・・私が・・・私が一番気にしてる事を言えと誰が言ったんですかバカハルト!!」
「ハルトよ、それは触れてはいけない部分だ・・・実際には触れる部分も何もないのだろう。」
久しぶりにバロンが出て来たと思いきや、いきなりキルりんにナイフで切られてハルトの中に消えて行くと。
キルりんの目はハルトを睨みつけ・・・襲い掛かってきた。
「2人ともそんなに暴れるんじゃない。
この状況でも熱いと言うのに2人のプロレスを見ているだけで余計に暑くなるじゃないか。
私も水着に着替えた方が熱くなくていいかもしれないな・・・・」
「そう言うだろうと思って私も水着になっておいたわ!!
魔王も早く着替えてきなさいよ!!水着だと涼しいわよ!!」
「ちょッ!?イダダ!!!メルトまで水着になッてんのかよ!
そんな格好で表だけは出るなよ?変な誤解されたら終わりだかんな!!」
キルりんの本気のパンチを浴びながらメルトに注意をすると。
魔王も2人が水着になったということで、自信も水着に着替えて来ていた。
「んん~~夏限定と言うだけあって水着は本当に気持ちがいいな。
ハルトはどうして水着にならないのだ?」
「そうですよ、我慢せずに一緒に涼しくなりませんか?」
「て、言ってるけど?どうすんの?ねぇどうすんのよ?
ここで水着になって私たちと水着でムフフでもしちゃう?」
「するか!!それに夏は暑いもんだろ!!
俺は1人で受けられそうな依頼をしてくる・・・それじゃあな!!」
そう言ってハルトはメルトたちを振り切って家を飛び出し。
ギルドに向かっていると・・・・
「やぁ、ハルト今日も暑いな。」
「そうだなって・・・せっちゃん・・・それってサラシか?」
ギルドに向かっていると、せっちゃんと出くわしたのだが。
目に飛び込んで来たせっちゃんの格好は肩まで衣服を着て、胸をサラシで隠しへそを出したスタイルであった。
「あぁ、私のいた村でもこの格好で夏を過ごしていてな。
この格好でもないと熱くてやってられないのだ。
所でハルトはギルドに?」
「あぁ、家で水着姿になったバカ共から逃げて来たって言うのが正解なんだが。
そうだ、良かったらせっちゃん俺と一緒に依頼をやらないか?
1人で依頼を受けようにもできることが限られているからな。」
ハルトがそう尋ねると、せっちゃんは是非ともと答え。
2人はギルドに入ると、あまりにも熱いせいか・・・・男も女も水着のように薄い格好をしており。
この状況ならメルトたちを呼んできても大丈夫だと納得しながらジロジロと見ていると・・・・
せっちゃんは複数の依頼をもってハルトに尋ねてきた。
「いくつか受けられそうな依頼を持って来たんだが・・・・
どれがいいと思う?私はこの・・・ジャイアントカマキリ何て面白そうだと思うのだが。」
「この害獣って・・・手が鎌になってるあれだよな?
少し不安だがせっちゃんもいるし受けるか。
他の依頼は危険な臭いがするし――――――――」
ジャイアントカマキリの依頼以降の用紙には危険度の高いモノだけに付けられる色が付けられてあるのを見たハルトは。
せっちゃんの腕を信じてジャイアントカマキリの駆除依頼を受けて熱い草原に向かった。
「お、いたな・・・・アレがジャイアントカマキリか。
ジャイアントって書かれているだけあってデカイな・・・・
それに、せっちゃん・・・近くね!?」
せっちゃんはこそこそと移動をしていたのだが・・・・ハルトがせっちゃんから目を放した瞬間にはカマキリの真下にスタンバイしており。
グーサインを出すとともにせっちゃんはカマキリを切りつけた。
「!!!!」
「クッ・・・・やはり堅いか・・・だがダメージは入っている。
後は腹に数発入れられれば・・・・」
「って、オイオイオイオイ!!!
マジかよ!?グーサイン出したのはいいがいきなり攻撃するとか魔王以上に好戦的じゃねぇか!!!
あぁ・・・クソ・・・ここは俺も出るしかない・・・・何ができるかわからねぇけど・・・囮くらいにならなれるだろ。
オラ!!石でも喰らいやがれ!!!!」
ハルトは攻撃する手立てがイマジンくらいしかない状況で無理に魔法を使うわけにもいかないと考え。
せっちゃんに攻撃できるタイミングを作ろうと石を投げたのだが。
スキを作るどころかカマキリはハルトに向かって全力で駆け出していた。
「ヒェェェェェ!?何で俺ばっかり狙うんだよ!!!
石を投げたのは俺だがここまで勢いよく追いかけてくることはねぇだろ!!!!
せっちゃん!!!今のうちだ!!!早くコイツを何とかしてくれ・・・・・」
「見事な囮作戦・・・・ハルトには本当に助けられてばかりだな。
だが、チャンスを与えられむざむざと捨てる訳にもいかないて!!
さぁ私の愛刀の錆になるがいい!!!セイヤァッ!!!」
せっちゃんの気合の一撃によってカマキリを倒すと。
せっちゃんはぜぇぜぇと息の荒いハルトに近づいてきた。
「いや、助かった。
私が攻撃できるスキを作るために自らを囮にするとは・・・・さすがハルトだ。
さて、狼煙でも上げる間だけでも休憩してくれ。」
「ゼェゼェ・・・・あぁ・・・ぞうざぜでもらう・・・・
あぁ・・・今回は危なかった・・・あと少しでもせっちゃんの攻撃が遅れてたら俺の輪切りハムになってたぞ・・・」
ハルトはいくら死なないからと言っても痛みと輪切りにされるのを想像しただけで顔が青ざめ。
心臓のドキドキを落ち着かせながら狼煙を見つめて休んでいると・・・・
「どうだ?少しは気分はましになったか?
それとも膝枕でもしてやろうか?」
「いいのか!?・・・・あ・・・コホン。
せっちゃんが嫌じゃなけりゃ・・・頼もうかなぁ~なんて?」
ハルトは少し恥ずかしそうに言うと、せっちゃんは膝の上をぽんぽんと叩くと。
その膝にハルトは頭を乗せてせっちゃんの顔を見ると、顔よりもサラシをして縛ってある山が見えており。
意識しないように目をつぶって休憩していると、やってきた運送者がカマキリを運び込んでおり。
その1人がせっちゃんに紙を渡して帰って行くと。
ハルトたちも休憩を終了して街へ戻って行った。
「それじゃ、コレがハルトの分け前だ。」
「え?俺は何もしてなかったのにいいのか?」
ハルトは自身にも報酬を分けるせっちゃんに問うと。
自分にもそうしてくれたからとせっちゃんが答えると、それ以上問うのも野暮と。
ハルトはその報酬を受け取り、2人でメシを食べに酒場へ向かうのであった。
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