161日目 旅帰りからの害獣討伐依頼
メフィストの事件から街へ戻ってきたハルトたちキルりん情報で美味しいと噂されている料理屋に入ると。
今夜が旅の最後の夜と言う事で、ハルトたちは盛大に呑んで食べ。
腹が満たされると、よれよれになったメルトを連れて宿屋に戻ると。
ハルトたちはすぐに眠気に襲われ、気が付くと朝の陽ざしが昇っていた。
「おい、お前ら起きろ・・・朝だぞ~~
それと、今日の昼にここを出るから帰りの支度をしとけよ。」
「んん~~んあぁ?もう朝なの??
しょうがないわね・・・ふわぁぁ・・・・ほらキルりん起きなさいな。
魔王は・・・いつも通り素振りでもしているのかしら?」
「ハルトたちおはよう。
早くに目が覚めたから街を散歩してきたところだ。
今日にここを離れるとなると少しだけ寂しいものだな。」
言葉通り、寂しさを感じながら語るが、メルトたちはそうでもないと無関心に答え。
帰りの準備を済ませると・・・そのまま宿を出て朝食を済ませ。
最後の見物として街をぶらぶらと見て回り。
例の綺麗な川を見てから馬車乗り場に移動し自分たちの街へ戻って行った。
「はいよ~お疲れ様ぁ・・・足元に気を付けなよ。」
「大丈夫ですよ!!私は小さく見えて結構しっかりしているので!!!
ほら、ハルトたち付きましたよ!!全く・・・気を抜くとすぐに寝てしまう癖はどうにかなりませんか?」
「いや、悪い悪い・・・良い気持ちだったからついな・・・
魔王、メルト・・・2人とも起きろ。
街に着いたぞ~早く起きねぇとここに置いていっちまうぞ~」
「んん・・・ハルト・・・なにをするにょだ~~ヤメロ~~~それは私の・・・・ハルトッ!?つあぁ・・・す・・・すまない・・・・大丈夫か?」
「ん?何2人で騒いでんのよ・・・・しかも街についてんじゃない。
ふわぁぁ~あ・・・家に帰って二度寝しよ・・・」
何の夢を見て跳び起きたのか、覗き込んだハルトの頭と魔王の頭がぶつかり悶えていると。
メルトとキルりんは家に向かって帰って行き。
それを追いかけるように2人も家に戻り・・・・少し休憩すると――――――――
「よし、みんな集合・・・これから依頼を受けに行くぞ。
どうしてか?ずっとこうしてぐうたらしてても仕方ないからだ。
寝ても金が入って来るわけでもないからな。」
「戻ってその日に依頼ですか・・・本当にハルトは働き者ですね。
ですが、働かなければ美味しいモノも美味しいシュゴビーもお預けになってしまいますからね。」
「そうだな、それにおつまみもから揚げも食べられなくなるからな。」
「あ~もう!!わ~ったわよ!!!そこまで言われたら行かないなんて言えないじゃないの!!!
その代わり・・・今日はからあげとおつまみをおかわりさしてよ?」
メルトの小さな希望を了承すると、ハルトたちはさっそくギルドで依頼を受けて害獣駆除に向かった。
「うぉぉぉぉおぉぉぉ早くコイツを誰か止めてくれ!!!!」
「ダンゴロロンの転がり形態は相手をぶっ飛ばすまで転がると言われていますが・・・コレはどうすればいいのでしょうかね。」
「あひゃひゃひゃ!!!見て見てあのハルト!!今までにないって言うくらい全力疾走してるわよ!ホントおかし過ぎてお腹が・・・ヒィヒィ・・・あひゃひゃひゃ。」
「いや、笑っている場合じゃないだろ!?
メルトの魔法ならハルト諸共だが・・・あのダンゴロロンを倒せないか?」
ハルトはメルトの笑い声と発言に怒りが爆発し・・・今まで避けていた魔王たちの方へ走り出し。
メルトの横に近づいた。
「ちょっと!?アンタどういうつもりよ!!!こんなことして許されると・・・思って・・・んの?」
「お前、まだこの状況を理解してないらしいな・・・・
アイツは俺にぶつかろうとして来てんだぞ?
つまり・・・俺が走り去ればどうなるのかわかるか?あぁ?」
「そう言う事ですか・・・・ハルトはメルトを走り抜いてダンゴロロンにぶつけようとしているんですね。
ですが、コレで止まれば・・・・そう言う事ですからメルトはハルトの生贄になってあげてください!!!」
「ひどい目にあった・・・だが、しかし・・・・2人仲良く二人三脚になってないか?」
メルトは状況を察し・・・ハルトの肩に腕を組んで離れないようにすると。
2人はさらに駆け回って逃げ続け。
とうとう・・・・
「ふぎゃッ!?もう痛いじゃな・・・・い・・・・ヒィッ!?ぶぎゃぁ!?」
「あ・・・・・・メルトォォォオ!!!」
「メルトが潰されましたがアレではダメだったようですね。
やはりハルトをぶっ飛ばさないと駄目と言うわけですか。」
「仕方がない・・・ここは私が出よう。
メルトはキルりんが救助してやってくれ。」
そう言って魔王はハルトの前に立ち、受け取る構えを取ると。
ダンゴロロンの回転を素手で受け止め・・・威力が収まったところで一気に両腕でダンゴロロンを空中に持ち上げると動きが止まり。
近くにあった岩に叩きつけて気絶させると、潰されたメルトがハルトに襲い掛かってきた。
「もう酷いじゃないの!!!あと少しで死んじゃうとこだったのよ!?
これはシュゴビー5杯はもらわないと許せない案件よ!!!ちょっと聞いてんの!?」
「あ~わかったわかったから・・・んじゃ少しオマケして7杯でどうだ?
あと、キルりんはソイツの運送を頼む。
魔王はケガはないか?」
「了解です!!狼煙はすでに上げていますよ。
あ、来ました!!お~い!!こっちで~す!!」
「私もケガはない。
だが・・・まさかダンゴロロンがハルトを見た瞬間に標的にするとは予想できない事もあるもんだな。」
魔王は縛り上げたダンゴロロンを見ながらそう言うと。
ハルトは疲れたとため息を吐きながら簡単に上機嫌になったメルトと紙を受け取ったキルりんと共にギルドで報酬を受け取り。
酒場で夕食を食べに向かうと、そこでせっちゃんやジャージーと久しぶりに出会い。
ハルトは恥ずかしそうにお土産を2人に手渡した。
「まぁ、ありがとう。
ハルトさん中を開けてもいい?」
「私も気になるから開けさせてもらうとするかな。
おぉ~コレは・・・綺麗な作りをしたお守りか?」
「あぁ・・・そのお守りは土産屋で買ったんだが。
食べ物のほうが良かったか?」
ハルトは2人に手渡したプレゼントに対して自信がないのかそう尋ねると。
せっちゃんもジャージーも大変気に入った様子で喜び。
メルトたちはすごい冷たい視線を送りつけていた。
「アレ、絶対見返りを目的にしてるわよね?
キルりんはどう思う?」
「そうですね、今夜あたり仕掛けたりとかしませんかね?
それとも私たちが見えてない所で――――――」
「何ッ!?ハルトたちは一体何をすると言うのだ!?
変な行動は私がゆるしゃなにゃいぞ!!!」
「ちょいお前ら落ち着け!!!誤解を招く言い方はよせ!!!
2人もそんな変な目で見ないでくれよ!!今までお世話になってるほんのささやかなお礼のつもりだ。
と、言うよりも・・・お土産を渡さなかったら何を言われるかわかんねぇからな・・・・」
ハルトはボソボソと小さな声で2人に聞こえないように愚痴ると。
ジャージーやせっちゃんを含めて再開の酒と言ってキルりんを除いてシュゴビーを呑み。
メルトは明日にでも子供たちに輪投げの景品を配りに行くと言って張り切りだし。
そして、指定されたシュゴビーの本数を超えてメルトは10杯ものシュゴビーを呑んでフラフラとし始めた所でお開きとなって。
ハルトたちは自分たちの家に帰って行き。
久しぶりの自宅にホッとしたのか、気を緩めた途端に眠りについていた。
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