116日目 魔王の大切なぬいぐるみ
魔王との間にぬいぐるみがあり・・・ハルトはこのぬいぐるみは何かと尋ねると。
魔王はぬいぐるみを持ち上げて語り始めた。
「これは・・・昔、母様からもらったぬいぐるみでな。
このぬいぐるみを抱いて寝るといい夢が見れるんだ。
だが・・・未だにこんなことをして寝ている私はまだまだ半人前の魔王なのかもしれないな。」
「いいんじゃね?悪夢の現実から逃げれてさ?
それに・・・魔王がぬいぐるみを抱いてるのも新鮮だな。
―――――――なんか・・・女の子っぽい。」
ハルトはからかうように魔王に言うと・・・魔王はポカポカとハルトの背を叩いてからぬいぐるみを触ってみないかと言って手渡してきた。
「どれどれ・・・何だこのぬいぐるみ・・・トカゲか??」
「ん?これはドラゴンだ!!!
――――――――――ドラゴンだ!!」
魔王は2度同じことを言うが・・・全くハルトは理解できず、どうして娘にドラゴンのぬいぐるみを送ったのか尋ねると。
人魔王は間の子供たちはドラゴンのぬいぐるみを送られて喜ばないのかと逆に尋ねてきた。
「いや、女の子にドラゴンのぬいぐるみは・・・ないだろ??
男の子だとぬいぐるみ自体もらうことないしさ?」
「そう言うモノなのか?だが、誰が何と言おうと私はこのドラゴンのぬいぐるみがとても気に入っている。
―――――――ぎゃぁ~~ぎゃぁぁ~~ぎゃおす~~~」
と、魔王は急にぬいぐるみで遊び出し・・・ハルトにぬいぐるみで攻撃し始めた。
「どうしたハルト?いつもの反撃はしないのか??
――――――――ぎゃおぎゃお~~~ぎゃおす~~~」
「ったく・・・こういう遊びは知らないんだが・・・特別だぞ??
――――――――――――いけ、俺の拳!!!グーパンチだ!!」
ハルトは魔王のぬいぐるみに攻撃すると、魔王のドラゴンも負けじと反撃し。
互いに壮絶な戦いを繰り広げ魔王のドラゴンが勝利を収めた。
「うむ、やはり我がドラゴンが最強なのじゃ!!!
――――――――アッハッハッハ!!!
―――――――――ぷッ・・・あはははっは。」
「楽しそうなところ悪いが、そろそろ寝ていいか?
割と眠たいんだが・・・ふわぁぁぁ・・・・」
魔王は笑いを止め、互いに背中を合わせて横になり。
ハルトはいつまでここにいるのか魔王に尋ねようと振り返ると・・・魔王のパジャマの隙間から大きなマシュマロがむにゅりと出ており。
ハルトは理性を押さえながらそっと手を伸ばし・・・あと少しで触れようとした時。
「――――――――――んん・・・母様・・・・」
「・・・・・・・はぁ・・・何やってんだ俺は・・・・クソッ。
―――――――――――おやすみさん。」
ハルトは魔王に布団をかけると、自分の髪をくしゃくしゃとかきながら眠りについた。
そして、翌朝・・・・
「ハルト~~~朝ですよ~~~いやぁ~昨日は魔王の鳴き声があれから聞こえなくなって本当に助かり・・・・ま・・・し・・・た。
メルト!!!問題発生です!!!大至急来てください!!!
ハルトのゲスな毒牙に魔王がやられました!!!」
「あん??キルりんか??おわッ!?何だこれ・・・え・・・・」
「んん・・・・・どうした??ハルト??もう朝なのか??」
「一体何事よ・・・・どうでもいいコトだったら承知しな・・・・よし、キルりん。
庭でハルトを焼く準備をして!!!すぐによ!!!」
メルトの物騒な声と隣でいる魔王を見たハルトは一緒んで目が覚め・・・裸の魔王は目をこすりながらあくびをかいていた。
「おい、魔王・・・その恰好・・・どうなっているんだ??
俺を罠にハメるコイツらの作戦か??」
「ん?いや・・・昨日のパジャマは私の魔力で作り出した服だから。
眠ったことによって意識が途切れて消えたのだろうな。
――――――――――これでいいか??」
魔王は指をパチンと鳴らし、ワイシャツ姿になるが・・・メルトは手をゴキバキと鳴らしながらハルトの服を掴み。
キルりんの待つ庭に引きずり出した。
「で、ハルト・・・最後の質問よ??
魔王と昨晩ベッドの上でどんな激しいプレイをしたの??それに証拠も出ているのよ!!!魔王は裸ということ・・・それに特殊なプレイをしたであろう証拠の品であるこの濡れたぬいぐるみ!!!・・・これらどう説明するのかしら!?」
「バカヤロウ!!!特殊なプレイも激しいプレイも何もしてねぇよ!!!
俺をその辺にいる変態と一緒にすんじゃねぇ!!!
それに・・・そのぬいぐるみは魔王の大切なモノらしいから大事に扱えよ?」
「ふッ・・・そんな安い手には引っかかりませんよ!!!
本当はやましい事があったのにもかかわらず話を誤魔化そうと言う作戦でしょう!!
そうはいきません!!!今回こそはハルトを・・・・おや?魔王!!いい所に来てくれました!!!昨晩ハルトに乱暴されたのは知っています!!!少し辛いでしょうが真実を話してください!!!ハルトに鉄槌を下すために!!!」
「ハルトは・・・・ハルトは私に汚らわしい行為は何もしていない。
ハルトと寝ていた私が言うのだから本当だ。
それに、そのぬいぐるみを返してくれないか?
本当の本当に私にとって大切なモノなんだ。」
と、魔王はハルトの側に立ち・・・ハルトが無罪となったのだが。
メルトは裸でいた魔王とハルトの関係を疑いつつ・・・魔王にぬいぐるみを返した。
「いい!?今回は魔王が許してくれたから何もしないでおいてあげるけど!!!
次にこういう場面を見かけたら即刻ブチ抜くから覚悟してよ!!!」
「それはお前がただ俺に攻撃したいだけだろ?
そんなことに他者を巻き込むなよな・・・・
だからお前は巷で厄災のメルトって呼ばれてるんだぞ?」
「あぁ・・・その二つ名も実話だったんですか・・・
メルトのイライラは他者を巻き込み酒と食料を枯渇させ・・・人や街に甚大な被害が出ると言う・・・・まさに厄災と――――――」
「魔王の私だから言うのだが・・・メルトは本当は魔王なんじゃないか??
素質と言うよりも魔王と酷似するモノが滲み出ている。」
魔王の発言にハルトとキルりんは無言のままメルトを見つめていると・・・メルトは泣き出しそうな顔をしながらハルトたちに魔法を乱射し始めた。
「おわッ!?バカ!!!庭でそんな魔法を撃つんじゃねぇ!!!
まだ朝だぞ!!!もし誰かに当たってケガでもさせたらマジでお前終わりだぞ!?」
「しんないわよッ!!!ハルトにキルりんが怒らせるように見つめて笑うからいけないんでしょ!!!
こうなったら今日はトコトンぶっ放してやるわ!!!ストレス発散!!!!」
「べ、別に私たちは笑ってなど・・・・ぶぷっ・・・いえ、失礼。
のうわッと!?あ、危ないじゃないですか!!!危うく私のチャームポイントが失われるところでしたよ!!!」
「私は先にこのぬいぐるみを片付けて――――――――」
と、魔王が部屋に戻ろうとくるりと方向を変えたとき・・・メルトの魔法が魔王の持っていたドラゴンのぬいぐるみに命中し。
魔王は両膝から崩れ落ち。
子供のように大きく泣き・・・メルトに仕返しをすることもないままドラゴンをもって部屋に閉じこもってしまっていた。
「おい、お前の魔法で魔王のメチャクチャ大切にしていたぬいぐるみがダメになったんだ・・・ちゃんと許してもらえるまで謝って来いよ。」
「わ、わかってるわよ!!!で・・・その・・・聞いておきたいんだけど・・・どれくらい大切なもの・・・・なの??
―――――――――――――国宝級とか言わないわよね??」
「国宝級ではないと思いますが・・・あの凶悪的な大剣を振り回す魔王が大切にしていたと言う可愛らしいぬいぐるみ・・・一体どんな秘密が・・・・」
ハルトはこの状況だから仕方ないと魔王の言っていたぬいぐるみの話をすると。
メルトは・・・それ以上何も聞かないまま家から飛び出してどこかへ行ってしまっていた。
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