61日目 長風呂の許可のために一肌脱ごう
リザと外にいたプリーストを置いてジャージーは教会に入って行くと・・・いつものようにドジったのか教会の方からジャージーの声が聞こえ、目の前にいたプリーストは頭を抱えてジャージーの援護にため息とともに歩いて行った。
「リザさん・・・元気にしているか???
ふむふむ・・・ジャージーがいつもドジをするか・・・ハッハッハ、それは毎日が楽しくて愉快だな。」
「よ、元気そうで何よりだ・・・今日は川に出たカワガニを討伐する依頼の帰りなんだが・・・そうだ、このカニの中から出てきた綺麗な玉をやろう。
俺からのプレゼントというやつだ。」
「それ・・・ハルトの食べていた足から出てきた玉ですよね???
ですが・・・リザさんが喜んでいるのであればいいですね。
真実は私たちの中だけにしまっておきましょう。」
「そうね・・・それじゃ、リザさん・・・私たちはこれから酒場にゴハンだから失礼するわ・・・また日を改めて遊びに来るからそれまで元気に仕事をするのよ!!!」
メルトには言われたくないとハルトたち3人は思いながらリザさんと手を振って別れ・・・いつもの酒場で夕食を食べて家に戻ると、風呂の順番を決めるじゃんけんを始めた。
「お前ら・・・さすがにここは公平に3対1じゃなくて1対1でやらないか??」
「私はいいのだが、メルトとキルりんがハルトよりも先に入りたいと言って聞かないんだ。」
「だって、普通はレディーファーストで男のハルトが入った後の風呂何てどんな液体が混入してるかわからないのよ!?
使い魔の出汁がでた湯に何て私絶対に嫌よ!!!」
「私はメルト程までは言いませんが・・・その・・・ハルトが先にするのが何だか許せません。
ただ、負けた気がするのでなんかヤです。」
何ともよくわからない2人の理由を聞くと・・・メルトの言い方には少しイラっとしてグリグリをかますと、キルりんはグリグリを喰らいたくなかったのかそそくさと風呂場に行ってしまった。
「それじゃ、早く出て来いよ??女だからって理由で長風呂は却下だからな。」
「ハイハイ、しっかりと洗って入ってるから仕方ないでしょ??
それとも何?ちゃんと洗っているのか見たいわけ??長風呂の理由を見たら納得して長風呂を許すわけ???そういうこと??」
メルトの微妙な口調に挑発的に返すと・・・メルトは少し考え――――――
「そこまで言うのなら、こうしましょ?ハルトの目に辺りを見えなくする魔法をかけて入ると言うのなら混浴を考えなくもないわよ??」
「それじゃ、どうやってお前らが体を洗っているかを確認するんだよ??
その辺を確かめねぇと何も意味がないだろ??」
メルトは再度悩み・・・その辺りは気合と音で何とかしろと言って無理矢理魔法で目の前を暗くした。
「メルト!!まだ解決してねぇのに人の目に魔法をかけるんじゃねぇよ!?」
「だ、だって!?こうなったらぶっつけしかないでしょ!!!ホラ、こっちに来て・・・んで、タオル撒いて服とか脱いで・・・・
あと、聞いておくけど・・・見えてないわよね??見えてないわよねッ!?
ハルトってばすぐにズルをするから信用できないのよね・・・」
メルトに手を引かれながら風呂場に入ると・・・魔王とキルりんはハルトがどうして入ってきたのかを理解できず、キルりんは隠し持っていたナイフをハルトに投げつけていた。
「キルりん落ち着け・・・これには深い事情があるんだ・・・メルトがこうやって先導しているのがわからないか???
そう、俺は視力が0で目の前が真っ暗なんだ・・・おっとっと・・・」
「そゆこと~でね?ハルトが私たちの長風呂の理由に納得すればハルトは長風呂を許してくれるってワケだから協力して!!!」
「そう言う事だったのか・・・で、ハルトは本当に見えていないのだろうな??
私の・・・この姿を見せても大丈夫と言う事か??」
「そのまえにナイフを返してもらいますよ・・・・で、本当に見えてないんですか??
今私がないをしようとしているかわかりますか???」
ハルトは本当に視力が0になって確かめるべくキルりんはハルトの目にナイフを刺さるか刺さらないかの位置で止め、尋ねると・・・ハルトは驚きも何もしないところを見て、本当に視力が無くなっていることを確認し。
今回の内容に了承してハルトの混浴を認めた。
「あと、言っておくけど・・・ハルト・・・もし仮に、魔法が解けて私たちの恥ずかしい姿を見たら全力でその目を取るから覚悟しなさいよ??」
「へいへい・・・誰がお前らの全裸を見て喜ぶんだ?1人は男か女かもわからないキルりんだぞ???アイタッ!?何か刺さったんだが!?」
「いえ、何か悪口が聞こえたなと思いまして・・・・で、ハルト・・・何か言いました???私の体に何か言いたいことがあればどうぞ???今度は本当にエモノを狙いますから覚悟してくださいよ??」
「だが、ハルトと一緒にこうやってお風呂に入っているだけで何だか・・・落ち着かないな・・・違和感と言うか・・・これは私だけなのだろうか??」
魔王の質問にメルトとキルりんは沈黙し、空気が静まり返ると。
キルりんは顔を叩きながら体を洗うと言って出て行き・・・メルトと魔王も付いて行くように出て行ってしまった。
「ねぇ・・・私だけかしら???後ろから見えてないはずのハルトにすっごく見られているように感じるんだけど??」
「いないはずのハルトが後ろにいるだけでどうして私たちが緊張しなくちゃいけないんですか!?!?これも全部ハルトがいけないんですからね!!!」
「俺は悪くないだろ???実際前が見えないって言ってんだろ???
で、3人は今どこにいるんだ???」
「ハルトが私たちを探して湯船から出たぞ?いいのか??返事をしなくて??
あのままではケガをすると思うのだが――――――」
魔王の予想は的中し、ハルトは段差を踏み間違えて湯船に真っ逆さまに沈み・・・その光景にキルりんとメルトは盛大に笑っていた。
「ハルトってばどんくさッ!?本当にいい気味ね!!!視力をずっと奪っていてあげちゃおうかしら???」
「何だか今日のメルトは悪いですね???ハルトにイラっとすることでもされたのですか???」
「いや、さすがに視力を奪い続けるのは可哀そうだろ??見て見ろ・・・慣れているはずの風呂場ですらこの調子だ。
ホラ、ハルト・・・手を貸そう・・・私たちは体を洗っていたんだ。
その、見ていて悪かったな――――――」
「目が見えないのは思っていたよりも相当不便だな・・・魔王だけが頼りだ。
あのボケ共の所まで連れて行ってくれないか???
グリグリで泣かしてやりたい。
今回のは本気だ・・・・久々にカチンときちまった。」
魔王はハルトの言葉通りにメルトとキルりんのいる場所に連れてくると・・・目が見えない事もあって手探りで探していると―――――
「どっちかわからねぇが頭を見つけたぞ!!!!」
「イダダダダダ!?!?は、ハルト!?魔王、アンタ!!!裏切ったわね!!!く・・・アダダダダ!!!!少し笑ったくらいじゃないの!?
いつも私たちを変な目で見て笑ってるのにこういう時だけいっちょ前に怒るのはどうかと思うわよ!!キルりん~助けて~~」
「ですが・・・このままだとハルトにやられそうですので体を洗いきった後で助けますね?
フンフフ~~~ン♪」
キルりんは体をごしごしと洗っていると・・・メルトは咄嗟に手を伸ばした先にあったハルトのタオルを掴み取ると魔王は顔を真っ赤にして声にならない声で叫び出した。
「は、ははははは・・・ハルトォ!?そんなものを見せてどうする気だァ!?!?」
「俺はなんもしてねぇよ!!!メルトがタオルを取りやがったんだ!!!
ホラ、早く返せ!!!」
「ふ~ん・・・今はどっちの方が立場が上か知らないようね・・・・」
「メルト、こういう場合はハルトにタオルを返しておかないと大変な目にあいますよ???いつもの事を考えてくださいよ・・・・」
魔王はうずくまって指の隙間からちらりと覗きながら微動だにせず・・・・メルト色々と仕返しをしたい気持ちを押し殺してキルりんの言葉に耳を貸し。
今回は場所が場所と言う事もあってハルトにタオルを返すと、ハルトは風呂を上がると言ってメルトに案内してもらい服を着替えてリビングに出て行き。
後から3人も風呂から上がりメルトはハルトの魔法を解くと、今回の件で長風呂の許可が下りたと確信してメルトが尋ねると、案の定却下となり・・・ハルトは再び風呂を入り直しに風呂場に無言で向かって行った。
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